文・取材・撮影:ライター イズミロボ・ササ
●日本大好き!のプロデューサーがプレゼン!!
2015年9月17日(木)から9月20日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2015(17日・18日はビジネスデー)。
同イベントの初日となる17日に、幕張メッセに隣接するホテルニューオータニ幕張で、“PlayStation VR”のプレゼンテーションが行われた。
その模様をお届けしよう。
先日開催されたSCEJAカンファレンス2015で、その名称が正式発表された“PlayStation VR”。
これはいままで“Project Morpheus”という開発名称で呼ばれていたプレイステーション4(PS4)用のバーチャルリアリティ(VR)システムで、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)とゲームが連動し、仮想世界に入り込んだような体験が味わえる新技術だ。
会場ではSCE JAPAN スタジオのクリエイティブディレクター兼プロデューサーのニコラ・ドゥセ氏による説明がなされたほか、試遊マシンも設置され、実際にデモゲームをプレイすることができた。
ニコラ氏がまず語ったのは、ご自身の経歴について。
フランス生まれのニコラ氏は、子供のころ日本のアニメの大ファンで、ずっと日本に来たかったそうだ。
しかし大人になり、実際に向かったのはイギリス。
そこでエレクトリック・アーツ、アイドスと、ゲーム畑で経験を積む。
そしてSCEでは、『EYE TOY』、『EYE PET』などに携わり、2011年にロンドンから念願の日本へ。
2012年からは“ASOBI TEAM”という開発チームで、ゲーム・コントローラー・カメラが連動するシステムなどの研究を続けてきた。
ニコラ氏曰く、研究のフェイズは3つあったという。
ひとつ目は、新しい遊びかたの研究。
つぎは、リアルな見た目やビジュアルの研究。
3つ目のフェイズは、大きなイノベーションとなる、“ひとりでしか遊べなかったリアルなゲームをみんなで遊ぶ”ということの実現だ。
その実現を可能にした機能は、“セパレート・スクリーン・モード”というもの。
簡単に説明すると、HMD装着者とそのほかのプレイヤーが、別々の視点で同じゲームをプレイして、全員でリアルにパーティーゲームが楽しめるようなシステムだ。
たとえばHMD装着者は巨大モンスターの視点でフィールドを見下ろし、ほかのプレイヤーは地面を移動するキャラクターの視点からモンスターを攻撃する、といった遊びかたが可能となる。
プレゼン用のモニターでは、その機能を活かしたデモゲームとして、E3で公開済みの『モンスター・エスケイプ』と、このTGS用でのデモ用に作られた『CAT & MOUSE』が紹介された。
●各社が開発中のタイトルに期待もふくらむ!
プレゼンテーション終了後は、試遊タイムとなり、取材陣が実際に“PlayStation VR”を体験。
初お目見えとなるデモゲーム『CAT & MOUSE』は、ひと言でいうなら“だるまさんがころんだ”的なゲーム。
HMD装着者は言わば“オニ”の視点で、ネコとなってカーテンを閉じて隠れる。
その隙にほかのプレイヤーはネズミ視点でソロソロと近づくが、ネコが「だるまさんがころんだ!」という感じで急にカーテンを開き、つかまったら負けとなる。
シンプルながら、パーティーでワイワイ遊べば盛り上がりそうだ。
SCEJAカンファレンス2015での発表では、SCEはもちろん、ソフトメーカー各社によるソフト開発が進行中で、今後も随時ユーザーが体験できるような場を提供していくとのこと。
HMDを装着してのVRゲームでは、“ひとりでその世界に没入する”というイメージが強かったが、この“PlayStation VR”では“みんなで仮想空間を体験する”ような遊びも期待できそうだ。
今後の展開にも大いに注目したい。
