小説「青い鳥のロンド」の出版から、あっという間に一か月以上も過ぎていました。

 

心に引っかかっていた考えたくない疑問 (売れているのかな?) に向き合う

 

べく、本を平積みにしていただいた、いくつかの書店をそっと覗いてみました。

 

すると、早くも店頭から消えている書店、まだ置かれているけれども売れていな

 

い書店、ほんの少し売れただけの書店、総じて厳しい現実に、また心が萎えそ

 

うになるのでした。

 

ところがそんな中、最後に行った書店で、自分の目を疑う光景に出会いました。

 

え! 売り切れ?  って、これ、夢じゃないよね??? と思わず目をこすっ

 

てしまいました。

 

お店の方に許可をいただいて撮ってきたのが、この写真です。

 

イメージ 1

 

 

ね、夢じゃないでしょう? 皆様もびっくりですよね。

 

しかも、上にあるのは何かの大賞受賞作、その隣はNHKのドラマ化作、目を下

 

に戻せば右隣は45万部突破作、左隣にはなんと、かの有名な芥川賞作家の

 

お顔があるじゃありませんか! そう、「劇場」の隣です。

 

まあ! まあ! よくぞこんな場所に緋野晴子の「青い鳥のロンド」を置いてくだ

 

さったものです! しかもこんなに大きな広告ビラまで作ってくださって! 

 

感激以外のなにものでもありません。

 

この書店がこうまでしてくださった理由を考えてみました。写真の下の方をご覧

 

になれば分かると思いますが、

 

1つは緋野の在住地に近いということでしょう。この書店さんは、東三河地方に

 

ある某書店です。

 

そしてもう一つはやはり、書店回りをした時の、緋野の小説内容の説明に感じ

 

ていただけるものがあったからだろうと思います。

 

 

それにしても考えさせられたことは、本が売れるか売れないかということは、ま

 

ずは内容の良し悪しよりも、書店さんの売り方如何にかかっているのだなという

 

ことです。

 

同じ平積みでも、平積み本が無造作にきちきちに詰めて並べられているところ

 

では、緋野の本は売れていませんでした。

 

(せっかくの帯のキャッチコピーも、白字で読めない状態でしたしね)

 

対して、大きな広告ビラがついて、良い場所に置いていただければ、売り切れ

 

になるのですから。

 

 

小説は最後まで読んでみなければ良し悪しの分からない商品ですから、まずは

 

興味を惹くことが肝心なのだと、これは創作におけるタイトルや書き出し、製本

 

段階における装丁デザインやキャッチコピーにも通じることだと思いました。

 

(もちろん、大きく売れていくには、内容に大衆の心を掴むものがなければならな

 

いでしょうが)

 

その点、今回の出版には、いろいろ反省点があったように思います。

 

 

ともあれ、売り切れ は有難い出来事でした。

 

いろいろなハプニングがあり、出版全体を通じて萎えがちだった心が、この一事

 

で、ピーンと元気になりました。

 

 

 

書店さん、ありがとうございました。