パチンコ屋の食堂の話します。
え~。大きめのパチンコ屋には食事をできる施設がついてたりするもので。
で、僕なんかはパチンコ屋に行くと長い時間居るものだから、自然とその食堂にも足を運ぶ機会が多かったわけです。セットみたいなものですね。
パチ屋に5回行ったとしたら、4回は食堂に行くってカンジです。もうセットみたいなものです。
食堂突入率80%男です。
で、パチ屋へ行く機会の多かった当時、ホールの状況が良さ気なら週に6回、ホールの状況が悪そ気なら週6は行ってました。
えぇ。週6なわけです。
つまりホールに行く率たるや85~86%ほど。
ホールへ85%ループでくる奴が、そのうちの80%で食堂に突入してくるもんですから、オールウェイズ確変野郎ですから、負けてもご飯は食べる派ですから、欲しがります、負けてても派ですから、食堂の店員さんとはそりゃ顔みしりにもなるってもんですよ。
で、そんだけ行ってるとどんな食事を頼んでもサービスでゆで卵をくれるんです。
「いつもどうも~。これオマケね~」的に。
たっぷり食いたい日も、サラっと食いたい日も、雨の日も、晴れの日も、ホント軽~くサラッと食いたい日も変わらず、サービスのゆで卵をくれるんです。
それをいつも「ありがとー」つって貰って食べるんです。
他に常連っぽい人にもあげてたので僕に特別ななんかがあったとかはたぶん無いです。
ちなみに店員さんは50代くらいのミセスです。
常連でも態度が横柄なジイさんとかには上げないみたいでした。
そんな時は小声で「オマケ、しといたから」ってジイさんには内緒でくれるんですけど
あきらかに、ジイさんからゆで卵をジ~っと見てる視線を感じたことは1度や2度ではありません。
なんか、そういう(?)空気に半笑いしてしまう自分のクセを我慢しながら「見てるよー(笑)」って、思いながら食べてました。
それだけ、プラスでゆで卵を貰うのが当たり前になってたんですよ。セットみたいなもんです。
で、いろいろな理由が重なってそのホールへは行かなくなってしまって、自然とその食堂にも行かなくなりました。
で、しばらくしてから、そのホールへまたチョコチョコと行くようになったんです。
しばらく打ってから「腹減ったなー」って前みたいに昼飯を食べようと食堂へ向かってたんですね。
「なに食べようかなー。しょうが焼き定、いやカツカレー、まぁ待て肉うどんも捨てがたい」
って、自分の腹の減り具合と何を食いたい口になってるかを考えながら、ふと思ったんですよ。
果たして、ゆで卵のサービスをしてくれるのか?
実際、そのホールへは少しは行ってました、けど食堂へは1年以上も行ってない。
前までは食堂確変人間をやらしてもらっていた僕ですが、今じゃ生ける食堂プレミアム演出。
そんな僕に、変わらずにゆで卵をサービスしてくれるものか?
そうだ!彼女(50代ナイスミセス店員)からして見ればどうだ!
毎日のように会っていたのに、急に姿を見せなくなったと思ったら、急に顔をだして彼氏ヅラ?
まだアンタのことなんて思ってると思った?
女は古い思い出の殻なんてすぐに捨てて、その下から新しい顔を見せる生き物よ。そう。まるでゆで卵のように。
そうだ。僕にはもうサービスしてもらう資格は無いのかもしれないな。
何を言う資格もない、彼女(50代ナイスミセス店員)のすることを受け入れよう。無きゃ無いでいいじゃないか。サービスがあったらいつものように「ありがとー」って言おう。
そう思い食堂へ向かうのだが、まだ問題が解決していないことに気づく。
ゆで卵のサービスがあるのと無いのだと、頼むメニューが変わってくるじゃないか!
そうなのだ。僕は今、猛烈に腹を空かしているのだ。例えばボリュームたっぷり焼肉定食、これを食べてもプラスでゆで卵を食べて丁度いいあんばいの腹だ。
それが麺類ならどうだ、ラーメン、肉うどんならプラスでオニギリ&サラダセットを頼めば満腹になりそうだが、それプラスゆで卵はキツイ感じの腹なのだ。丁度いいあんばいじゃ無いのだ。
サービスでゆで卵をくれるかもしれないし、くれないかもしれない。
だが、それだと焼肉定食を頼むか、麺類プラスのオニギリ&サラダセットを頼むかが決められない!
それに加えカツカレーも食いたいような気もしてきた。
なんだ!どうすればいいんだ!なんなんだ!
以前までならこんな事で悩む必要は無かったんだ。ゆで卵は必ずついてきた。それが僕の当たり前だったし彼女(50代ナイスミセス店員)の当たり前だったんだ!
それがどうしてこんな事になるんだ。
……なんでカツカレーってのは急に食べたくなるんだよぉぉぉぉぉ。
時の経つことの残酷さに、僕はその場に膝をつきそうになった。なったが踏みとどまった。
そうだよ。さっき言ったじゃないか。受け入れようと。
彼女(50代以下略)のすること全てを受け入れようと。
焼肉定食にゆで卵がついてこないのを受け入れよう。
麺類プラスのオニギリ&サラダセットにゆで卵がついてくるのを受け入れよう。
そう、どんな状況でも笑顔でそれを受け入れてみよう。
そう決めていたはずだし、改めてそう決めた。もう、迷わない大丈夫。
迷いの無い顔で僕は食堂の扉をスライドさせて……。
1年以上ぶりにそこに入った。
その店員、、、居ねーでやんの。
僕はカツカレーとゆで卵を頼んだ。
食べた。
やっぱ最高の組み合わせだなーって思った。
美味しかった。
完。
え~。大きめのパチンコ屋には食事をできる施設がついてたりするもので。
で、僕なんかはパチンコ屋に行くと長い時間居るものだから、自然とその食堂にも足を運ぶ機会が多かったわけです。セットみたいなものですね。
パチ屋に5回行ったとしたら、4回は食堂に行くってカンジです。もうセットみたいなものです。
食堂突入率80%男です。
で、パチ屋へ行く機会の多かった当時、ホールの状況が良さ気なら週に6回、ホールの状況が悪そ気なら週6は行ってました。
えぇ。週6なわけです。
つまりホールに行く率たるや85~86%ほど。
ホールへ85%ループでくる奴が、そのうちの80%で食堂に突入してくるもんですから、オールウェイズ確変野郎ですから、負けてもご飯は食べる派ですから、欲しがります、負けてても派ですから、食堂の店員さんとはそりゃ顔みしりにもなるってもんですよ。
で、そんだけ行ってるとどんな食事を頼んでもサービスでゆで卵をくれるんです。
「いつもどうも~。これオマケね~」的に。
たっぷり食いたい日も、サラっと食いたい日も、雨の日も、晴れの日も、ホント軽~くサラッと食いたい日も変わらず、サービスのゆで卵をくれるんです。
それをいつも「ありがとー」つって貰って食べるんです。
他に常連っぽい人にもあげてたので僕に特別ななんかがあったとかはたぶん無いです。
ちなみに店員さんは50代くらいのミセスです。
常連でも態度が横柄なジイさんとかには上げないみたいでした。
そんな時は小声で「オマケ、しといたから」ってジイさんには内緒でくれるんですけど
あきらかに、ジイさんからゆで卵をジ~っと見てる視線を感じたことは1度や2度ではありません。
なんか、そういう(?)空気に半笑いしてしまう自分のクセを我慢しながら「見てるよー(笑)」って、思いながら食べてました。
それだけ、プラスでゆで卵を貰うのが当たり前になってたんですよ。セットみたいなもんです。
で、いろいろな理由が重なってそのホールへは行かなくなってしまって、自然とその食堂にも行かなくなりました。
で、しばらくしてから、そのホールへまたチョコチョコと行くようになったんです。
しばらく打ってから「腹減ったなー」って前みたいに昼飯を食べようと食堂へ向かってたんですね。
「なに食べようかなー。しょうが焼き定、いやカツカレー、まぁ待て肉うどんも捨てがたい」
って、自分の腹の減り具合と何を食いたい口になってるかを考えながら、ふと思ったんですよ。
果たして、ゆで卵のサービスをしてくれるのか?
実際、そのホールへは少しは行ってました、けど食堂へは1年以上も行ってない。
前までは食堂確変人間をやらしてもらっていた僕ですが、今じゃ生ける食堂プレミアム演出。
そんな僕に、変わらずにゆで卵をサービスしてくれるものか?
そうだ!彼女(50代ナイスミセス店員)からして見ればどうだ!
毎日のように会っていたのに、急に姿を見せなくなったと思ったら、急に顔をだして彼氏ヅラ?
まだアンタのことなんて思ってると思った?
女は古い思い出の殻なんてすぐに捨てて、その下から新しい顔を見せる生き物よ。そう。まるでゆで卵のように。
そうだ。僕にはもうサービスしてもらう資格は無いのかもしれないな。
何を言う資格もない、彼女(50代ナイスミセス店員)のすることを受け入れよう。無きゃ無いでいいじゃないか。サービスがあったらいつものように「ありがとー」って言おう。
そう思い食堂へ向かうのだが、まだ問題が解決していないことに気づく。
ゆで卵のサービスがあるのと無いのだと、頼むメニューが変わってくるじゃないか!
そうなのだ。僕は今、猛烈に腹を空かしているのだ。例えばボリュームたっぷり焼肉定食、これを食べてもプラスでゆで卵を食べて丁度いいあんばいの腹だ。
それが麺類ならどうだ、ラーメン、肉うどんならプラスでオニギリ&サラダセットを頼めば満腹になりそうだが、それプラスゆで卵はキツイ感じの腹なのだ。丁度いいあんばいじゃ無いのだ。
サービスでゆで卵をくれるかもしれないし、くれないかもしれない。
だが、それだと焼肉定食を頼むか、麺類プラスのオニギリ&サラダセットを頼むかが決められない!
それに加えカツカレーも食いたいような気もしてきた。
なんだ!どうすればいいんだ!なんなんだ!
以前までならこんな事で悩む必要は無かったんだ。ゆで卵は必ずついてきた。それが僕の当たり前だったし彼女(50代ナイスミセス店員)の当たり前だったんだ!
それがどうしてこんな事になるんだ。
……なんでカツカレーってのは急に食べたくなるんだよぉぉぉぉぉ。
時の経つことの残酷さに、僕はその場に膝をつきそうになった。なったが踏みとどまった。
そうだよ。さっき言ったじゃないか。受け入れようと。
彼女(50代以下略)のすること全てを受け入れようと。
焼肉定食にゆで卵がついてこないのを受け入れよう。
麺類プラスのオニギリ&サラダセットにゆで卵がついてくるのを受け入れよう。
そう、どんな状況でも笑顔でそれを受け入れてみよう。
そう決めていたはずだし、改めてそう決めた。もう、迷わない大丈夫。
迷いの無い顔で僕は食堂の扉をスライドさせて……。
1年以上ぶりにそこに入った。
その店員、、、居ねーでやんの。
僕はカツカレーとゆで卵を頼んだ。
食べた。
やっぱ最高の組み合わせだなーって思った。
美味しかった。
完。