12月4日(木)


木曜日は太郎君が学校を早引きして花子ちゃんの学校でSTとOTを受けます。その間、親は立ち入り禁止ですからscamamはスクール・オフィスの前のソファで時間を潰します。そうしていると色々な人が入れ替わり立ち替わり現れて面白いです。


オフィス前で太郎君をSTの先生に引き渡しているscamamを見ていて話しかけてきたエイジアン・ママがいました。もうすぐHKから引っ越してくることになっていて、ちょうど、夫婦で子供の転入手続きに来たのだそうです。太郎君についていろいろ聞いてくるので、ここの学校には行っていないけれど、街のスペシャル・プログラムを週に2回受けに来るのよ、と話すと、「うちには自閉症の子がいるのよ。いろいろ心配なこともあるのだけれど・・・」と、話しかけてくれた謎がとけました。ハンディのある子供を持つ親の悩みは万国共通、しかもハンディを持つ子の親は感覚が鋭くなっているのでたとえ人種が違っても直ぐにハンディに気が付きます。なので、こうやって始めての人から気軽に話しかけられることがよくあって、scamamは太郎君外交とこっそりよんで、気に入っています。この街のspecial educationの総責任者の名前を伝えて直ぐに連絡を取ると、物事が動き出すわよ、とちょっぴり先輩面してしまいました。


次にやってきたのは、何と昨日のミーティングの主催者だった算数カリキュラムの責任者です。オフィスに何か頼んで目の前で所在なさげに待っているので、何と大胆にも、「昨日のミーティングは興味深かったわ。」って話しかけてしまいました。そして、花子ちゃんが日本からやってきたばかりだということ、でも1,2年生はカリフォルニアで過ごしたこと、そこではTrailblazersと同じようなカリキュラムが採用されていて、1年生に計算よりも何よりも、ゼロの概念や奇数・偶数といった抽象的なことを教え始めて驚いたこと、またそんな算数になるのかな、と思ってやってきたら何とアジア式算数が導入されたばかりでまたまた驚いたことなどを、話しました。そして、Singapore Mathと日本の算数はとても似ているけれど、日本では計算重視、解き方重視の算数には賛否両論があるのだけれど、どうしてSingapore Mathがcreativeだと思うのか、尋ねてみました。


彼女いわく、確かにKUMONはアメリカでも大人気で自分も子供を行かせてみたけれどあれはcreativeとは言えない、でも、Singapore Mathの大御所〇△博士(すみません、忘れました)はとても素晴らしい先生で、アジアの算数もアメリカの算数もしっかり研究して良いところを合わせてカリキュラムを作っているし、テキストを使ってどんな風にcreativeな授業を行うか、指導もしている。この街にも導入前に何度かやって来て先生を集め講習を開いたのよ。アジアからはcreativeな数学者がたくさん出ているけれど、きっと日本でも同じテキストでも、いろいろな先生がいたるところでcreativeな授業を工夫しているに違いないと思っているのよ。ねえ、そうでしょう?


って、いきなりふられて、えっ、イ、イエス、サムタイムス。でも、普通は40人の子供に計算の仕方と問題の解き方を教えるだけで精一杯。毎日のように計算ドリルの宿題を出して、毎日のようにミニテストをする学校もあるわ。なんて言っちゃったものだから気まずい沈黙が。いかんいかん、と気を取り直し、「もしその博士のお話を聞いたらアジアの算数についての自分の考えも変わるかもしれないわ。その博士はparents向けの講演とかもやったの。」って話題転換。実際には、先生たちにSingapore Mathの説明をするだけで手一杯だったようです。今、その博士は全米で引っ張りだこで、この街には次は春先にやってくるのだとか。「parentsに講演してもらうって言うのはいい考えね。でも、ちょっと遅すぎるのよね、それじゃあ。」って彼女はちょっぴり寂しそうに笑いました。やっぱり昨日のミーティング、彼女にとっては厳しいものだったようです。大きな責任を任されて必死に頑張っている彼女の横顔にちょっとキュンとなって、そしてもう仕事もせずにお気楽毎日を送っている自分がちょっぴりさびしくなりました。いずれにしても、花子ちゃんは超がつく文系、算数がなければいいと思っている口なので、算数の天才になれるかどうかの心配は絶対にいりません。しかし、こうやって、アメリカやシンガポールが手を取り合って算数学力の向上を目指しているからには、日本の文部科学省も当然、他国の算数を気にして研究して、それでカリキュラム決めてくれてるんだよなぁ、大丈夫か、世界の流れに取り残されていないかと、心配になります。