バイエル96番  大学の実技試験課題曲  (試験前レッスンの様子)

出足で躓かない、8分の3拍子、allegro、強弱記号、場面の変化、運指注意、

音階が転がらないなど、気をつけるところの多い曲で簡単なようで難しい

 

2020年春から金城大学で保育士を目指して学ぶ生徒さんで、こちらの大学は

入学時にピアノ演奏レベルに合わせたピアノ個人クラスがあるそうで、

1週間に1回20分弱の個人指導が受けられるという。

彼女は入学当時はバイエル70番程度のクラスに振り分けされていたと思う。

金城大学ではバイエルと大学独自の童謡唱歌などの載った教科書、

他にトンプソン現代ピアノ教本1も使用。

 

2~3か月に1回くらい各自に課題が与えられて実技試験が行われる様子で、

バイエルと童謡唱歌などの弾き唄い試験が行われる。コロナがなければ

試験管の先生と受験者数名の生徒が1部屋に入り受験者の演奏を聴くという。

ところがコロナの影響で、試験管の先生と受験者だけで試験が行われるそう

だけれども、緊張の度合いは変わらないということだった。

 

大学の個人レッスンでは、家で課題を練習したのを教授がチェックをして下さる

けれども細かい指導までは時間が足りないので、こちらの生徒さんのように

ピアノ教室で並行してピアノの基礎知識やテクニック、表現を身につけながら

学ぶと大学の個人レッスンや試験にも余裕が持てるし実技試験などの成績が

良ければ就職先の選択肢も広がるのではないかと思う。

 

来週、大学でバイエル96番、弾き唄いで「かたつむり」「松ぼっくり」の実技試験が

あるというので、バイエル96番だけ模擬試験的にムービー録音してのレッスンした。

 

この曲で最も気をつけなければならないのが「出足のタイミング」で、

緊張すると最初のところで躓いてしまう。

練習中には何度も弾いていて流れで弾けるのに、

「さあ、本番!」と構えると、たちまち呼吸のタイミングが合わなくなる。

 

生徒さんに「自分の呼吸を探して良いタイミングで弾き始めること」と

アドバイスして、こういったムービー録音が試験管の目の代役をして

試験リハーサルを繰り返す。

 

8分の3拍子、allegroの速さで、これを忠実に演奏するのは意外に難しい。

1小節に8分音符が3つ入った1拍子なので、三拍子のワルツとは違い、

弾き分けるのがコツだけれども、まだまだ指が早く動かずにそれが難しい。

せめて、今、生徒さんの持てる技術で精一杯の努力をして、軽やかに

拍子に気をつけて、正しい解釈で最後まで止まらないで演奏してくれたら

良いかなと思う。

 

実際に、自分で演奏したものを聞いてもらって、96番の中にあるテーマを

1つ1つクリアできているかをチェックして実技試験を迎える。

 

新型コロナで、なかなか大学生らしいキャンパスライフも難しいなかで

生徒さんは金城大学で学ぶ1つ1つのが将来の夢の実現に繋がると

と実感しているようで、学ぶことに貪欲でワクワク感が伝わってきて

いつもイキイキしている。