全自動運転待ちの自動車産業。グーグルカーが出てきてもう何年になるだろう。
グーグルがプリウスをベースに、全自動運転カーを試験しだして去年であったか、マックにドライブスルーでポテトを買いに行く運転に成功し、ベンツも自動運転に成功している。
もう目の前の自動運転社会なのだが、法整備のスピードは、遅々として進まない。
当たり前である。自動運転である。SIRIに向かって「帰る」と言って、車に乗り込めば、車が勝手に帰るのである。どんなにベロンベロンに酔っていても、車は家に帰り着く。
今の人力運転を全く否定して、自動運転オンリーで車を動かすくらいの法的拘束が出来ない限り、混合交通はかなり難しいだろう。通らなければならない道ではあるが。
 
さてアメリカの車産業である。車オタクでもある私にとっても、デトロイトの現在の惨状は、心がすごく痛むし、何とか立ち直って欲しいと、心から願うものである。
最近まで、派遣として車産業に携わってきた私の感覚なのだが、日本の車産業なんて大したことはない。技術レベルが高いとか色々細かい所では、全くそうだし、今一番扱いやすくて、コンフォータブルで、耐久力の高いのは間違いなく日本車です。ただ、もう一つの進化の方向、「高速化」に対して、ドイツ勢にちょっと遅れを取ってるかなあ。燃費方向に進歩はしちゃあいるが、高速時にもっと燃費がいいとは聞かないし、日本国内の高速化が全く不透明で、更に低速化が懸念される昨今、スピードに弱い日本車になりつつあります。
生産現場もそうで、私がいたプレスラインなどは、昭和の高度成長時に出来た工場で、昭和の私と同い年の機械が、昭和生まれの私が待つ取り出しに向かってヒイヒイ言いながら、超高速回転で、パネルを打ち出す。人手でマシン間のパネルの移動をしていたのが、ロボットにはなりはしたが、案外スピードアップしてない。出口でパネルを取り出すのが人だからである。
外板担当のプレスラインは、出口のパネル扱いは慎重を極め、人でしか取り出しできない。
しかも、その出口でチェックをしなければならない。チェックは砥石による、パネルの表面の摩擦痕を、熟練の目で判断するのだ。キズがあれば摩擦痕の中に浮き出る。それを見つけ出し、キズを洗い出し、プレス金型に付着したキズの根源であるブツを取り除く。傷のついてしまったパネルを分別し、手直しに回す。これ程に、率が悪い、ロスも大きいのが現在のプレスラインです。これは、50年代にアメリカで確立した、自動車プレスラインそのままで、何も進化してない。ロボットや、制御のコンピューティングで速くはなったが、根っこは何も進化してないのです。車と言う物も、現在のガソリン、ディーゼルのエンジン機関を動力に、タイヤ4輪で走行する、モーターで走行する車も増えましたが、電気的コストは結局ガソリンと大して変わらない。80年代F1に狂った私は、今1000馬力の1500ccターボのカーボンファイバーの車が、路上にいないことを、大変不満に思う。車の進化は、停滞しているのです。
 
さて、トランプに進言したいのは、イノベーションはやはりアメリカから起こるのだと、世界に見せつける事。インフラまで一緒に進めるなら、一歩進化した道路網と、それに則した車両を規定することです。今のアメリカ車は、デカくてトルクのあるエンジンに、快適な室内、人的サイズがデカいアメリカ人にあったサイズ、55マイルのスピードを千キロ単位で巡行できる耐久性と信頼性の元、規定された車であると思います。
その規定を進化させる。制限速度を例えば無制限にする区間を増やす、人口密集地の運転は、完全自動運転するなど、他国ではついていけないより進化した規定を設け、その規定に沿った車両を、アメリカだけが作る。そこから派生した技術で、世界に向かって、輸出する車両も、最新の技術で他をリードする。ガスタービンと市街地用のモーターを組み合わせてもいい。より高いハードルをクリアすることによる、技術的克服の昇華はさらに良い影響を、周辺に与え、トランプの行う正義をより強く、硬くすることになると思われる。
その下地は、飛行機産業におけるイノベーション、IT産業におけるイノベーションは、未だにアメリカ発であることで、その下位にある産業の車両製造業界に、新風を吹き込むのは、アメリカであると、世界に示すことによる国威掲揚もできる。
未だに鉄を多く使い、製造される車両も、もうそろそろ何かのイノベーションが欲しいものだ。
カーボンファイバーは、高いとケチが付いた。プラスチックはかなり普及したが、もう頭打ちに見える。アルミ、チタンの次の素材。もしくは鉄なら鉄なりの新たな進化を期待したいものである。