英国王立図書館の蔵書を片っ端から読み散らし、悩み、苦しみ、記した書。
「アウトサイダー」
あまりに若く、激しく、生に悩むその書は、時代の要請と合致し、一躍ヒーローになった。
実は、このアウトサイダー、私は読めなかった。激しすぎるその熱量についていけなかった。
私がコリンウィルソンと出会ったのは、FBI心理捜査官や、サラパレツキーのヴィクのシリーズなどを読み、シリアルマーダーブックの著者として、心理分析の優れた人としてであった。
そして、「宗教とアウトサイダー」を読む。この書はアウトサイダーのまとめとして、宗教面からの解説も含めて、新たに書きおこされた、哲学の書である。極めて冷静な書であるので、後で原本であるアウトサイダーを読んだとき、訳が分からなくて、閉じてしまった。
当時、ちょうど時代はエヴァンゲリオンのアニメのオンタイムの時期で、河出文庫のコリンウィルソン選書もまだそろっていた。そしてその中に「オカルト」もあった。
この人は、もう何でもありなのである。とてつもなく分厚く読みづらいその本は、しかし、一文一文、考えながら読むことを私に教えてくれた。この人の本は、時間がかかるのだ。
私の哲学はこの人のモノである。私が受け取ったその哲学は、「進化」である。
怠惰とけん怠に陥るとき、人はほとんど死んでいるというのだ。
しかし、一旦こぶしを握り締め、「把握する」と、その人生は輝きを放ちだす。
人は、それぞれの居場所が、それぞれにある。人ひとりのパワーは世界を容易に動かす。
この様なことが、もう何十年も読んでないが、叩き込まれている。この人のおかげで、目が覚めた。心の恩師である。
私たちは、地球上で唯一、知による進化を許された、動物である。
時速10kmでしか走れなかった人は、今や普通に時速60kmで移動し、世界中をネットでつなぐ情報網を構築する。そしてさらに進化する。まだまだ進化の余地は無限にある。
今、もっと先へ進化する案件が、何件かあるようだ。無線による電力送電、水素による核融合発電、そこまで来てるリニア新幹線、全自動運転自動車。
何故、すぐに手を付けられるその技術に、誰がブレーキをかけているのか。
もんじゅもそうである。偉大な実験である、核再処理技術を、なぜつぶしてしまったのか。
実験無くして、技術の進化はない。オタクであり、アニメが好きな身として、ガンダムが何故ここにいないのか、もんじゅが成功していれば、その先の核融合発電など、すぐ手が届いたのではないだろうか。
我々は、心まで、デフレに侵されてしまったのか。チャレンジすることを、トライすることを、何故にここまで恐れるようになってしまったのか。
社会主義制度は、共産党の専売特許のように思われているが、我が日本において、先人は、実験している。ダメが出ていた制度で、様々な実験を経て洗練されて明治の時代があった。
今、新たな政治制度を、進化した政治制度を求めたい。
やはりそれは、占領憲法を捨てて、一旦明治に戻し、新たな形を再構築していくことを望みたい。さらにネットに対応し、直接意見を集める場所を設け、ニコ動のように、コメントをライブで集めるのもいいだろう。
日本人だけが、思いを一つにして、さらに前へ進化していけるようなそんな気がする。
縛られた鎖を断ち切り、思いを一つにして、前へ前へと進化していくのだ。
実験を恐れてはいけないし、何度も何度もトライする心を忘れてはいけない。
そして、進化を悪意で阻むものを、けして許してはいけないのだ。
