これも高校時代の時のこと.
実家は九州北部にある,とある小さい半島.
当時,仲のイイダチ公がいて,
そいつは,その半島の太平洋側で,
へい!は日本海側.
ダチ公の家に遊びに行こうと思うと,
ひと山越えないといけない.
その峠が,ちょうど「いろは坂」みたいな,つづら折れになってる.
その日は,
ちょっと遅くまで遊びすぎて,
あたりはもう真っ暗.
田舎だったんで,田んぼばかりで街灯も少ない.
早く帰らないと,と思い,
家路に急ぐ.
原チャリをすっ飛ばして,家路に急ぐ.
田舎だったんで,すれ違う車もほとんどなし.
途中,バイクを運転しながら後ろを振り返る.
すると・・・・・・
真っ暗・・・・・・
後ろから誰がかつけてきても,わからないくらい,
真っ暗.
そうこうしてると,
例のつづら折れにさしかかった.
最初の1コーナーはゆるい右カーブ.
そこにはお寺がある.
問題なく通過し,
次は,左ヘアピンカーブ.
ここには,コンクリート工場がある
ここも問題なく通過.
次のカーブまでは長い直線.
この直線までは街灯がなく,ほとんど真っ暗.
長い直線の後は右ヘアピンカーブ.
その右ヘアピンコーナーに一つ目の水銀灯があって,
一番明るい.
長い直線も問題なく通過し,
ほどなく,右ヘアピンカーブにさしかかる.
すると・・・・・・・・・・・・・
水銀灯の下に誰かが.
格好は,
白いワイシャツに紺のズボン.
履いてるものはサンダル.
40~50歳くらいののおじさん
原チャリを運転しながらも,はっきり見える.
「なんで,こんなとこに???」
ここは山の中.
住宅もなければ,なにもない.
でも,
頭の中は,
早く家に帰らないといけない,という思いで,
その時は,さほど気には留めなかった.
その右ヘアピンカーブを通過しながらも,
横目で水銀灯の下を見ると,
まだその人は,
たたずんでる.
右ヘアピンカーブを曲がりきろうとしたとき,
脳裏にあることがよぎる
「ん,待てよ」
「こんなとこに人なんて・・・・・・・・」
と思い,
振り返る.
いない・・・・・・・・・・
たしかにいたのに・・・・・・・・
さすがに,気が動転,
怖くなり,
この場から早く逃げないと!!,と思った.
「怖い」,と思ったのは,
霊そのものを見たから怖かったんじゃなくて,
本能的に,
憑いてくると思ったから.
視線を進行方向に戻すと,
そこには,
祠
あやうく,祠に突っ込みそうに.
気を取り直し,家路に急ぐ.
対向車線の車とすれ違ったときは,
ほっとしました.
それまで,一台も車がいなかったから.
家に帰って,あることを思い出した.
そのつづら折れは,
路線バスのルートになってる.
何か月か前の早朝,
一番目の路線バスが通りかかったとき,
エンジンの不調で止まってしまった.
運転手がバスを停め,
後ろにあるエンジンを点検しようとした,
その時,
ブレーキが甘かったのか,
バスが後ろに下がり,
その運転手はバスに轢かれて,
亡くなってしまった.
その現場が,
右ヘアピンカーブ.
たしかに,
見たおじさんの格好は,
バスの運転手の格好と全く同じ.
たぶん,
成仏してなかったんだろうね.
誰かに供養してもらいたかったんだと思う.
南無阿弥陀仏