お父さんは言いました
「兎さんは、成績の悪い人を相手にして勝ってると喜んでいたり、運動会で走りが一番遅い人に勝って自
慢するのと同じじゃないか。
亀さんは毎日休まずに学校へ行こう、毎日漢字を十ずつ覚えよう、百メートル13秒で走れるようになろう
と、自分で目標を立てて一生懸命練習するのと同じだよね。また、亀さんは一度も山に登ったことがない
から、苦手な山登りに挑戦したんだ。
おまえも自分で決めたことは必ず守る、約束したことは、まず自分が守る、自分が自分に負けないこと!
自分に勝てなくてどうして他人に勝てるんだ、自分が自分に挑戦するうちに、人からも信頼されるようにな
り、信用され、また自分自身がだんだん強い心を持った人間になっていくだぞ!
あのな~、よ~く聞くんだ!
亀さんが自分自身と戦うのは、それでいい。それで立派な亀さんだ。けれどなぁ、亀さんは寝ている兎さん
を追い抜く時に、『兎さん、そんな所で寝ていたら風邪ひくよ、競争で私に負けるよ』と、油断している兎さ
んを起こしてあげるくらいの優しさと寛大さがあったらもっと良かったのにな~あ。自分に厳しく、人には優
しくの心を持たないといけないぞ」
「そうしたら、負けるな」
子供には理解できませんでした。
終わり