(その3から続く)
通常、アルバイトスタッフ(以下、スタッフ)が、仕事に従事する際、事務所に電話して、仕事を貰っていました。当時は携帯電話もまだ、普及しておらず、公衆電話に走るのです。
それは、平日の10時に始まります。
普通、朝9時から始まるような昼間の仕事についていれば、その時間は始まって1時間くらいで調子が乗ってきた時間です。しかし、少しでもいい仕事(拘束時間が長い割に早く終わる=おいしい仕事や自分の都合のいい時間の仕事など)にありつきたいスタッフは、10時になる少し前からそわそわしだします。
もちろん、私も最初はそうでした。ほとんどの現場にリーダーがいるので、仕事中ならリーダーに断って一人ずつ電話をかけに行きます。ベテランスタッフは、新人スタッフがかけた電話の結果で、明日はおいしい仕事がない時には電話をかけに行きません。
当時、こういった登録制のアルバイトをやっている人間のほとんどが、「音楽(バンド)をやっている」「芝居をやっている」などといった人種が多く、いわゆる9時から5時までの普通のサラリーマンになれない人ばかりでした。ただ、面白いことにそんな人たちも「日曜は休みたい」「夜間(深夜)の仕事はしたくない」という普通の感覚はお持ちでした。(...続く)