プロの自覚 |
私は以前、寄席で短剣投げを見たことがある。それは、女の人を壁の前に立たせ、 そのからだスレスレのところに次から次へと、二十本あまりの短剣を投げるのである。 そのときに私は“これがプロだな”と感じた。わずかでも手もとが狂えば、 人の命にかかわるのである。それを毎日毎日やり続けて一つの失敗もないというのは、 実に大変なことである。しかし、それをやり遂げるのがプロである。 考えてみれば、サラリーマンの仕事でも一緒である。こういう厳しい境地に立って、 はじめて一人前として給料がもらえるということであろう。 今日のサラリーマンに要求されるのは、アマチュアではない“プロ”の仕事である。