リンダです。

さて、だいぶ空いてしまいました。すみません。。。

今回は、佐々木譲著の『冒険者カストロ』です。
日本ではチェゲバラがクローズアップされがちですが、私個人的には昔からカストロに魅力を感じておりました。
下世話な話だけど、彼氏にするならカストロ、みたいな。笑。
というのも、ゲバラはゲリラ活動に傾倒していって革命後カストロと袂を分かつのですが、
なんか、私個人的にはそれって無責任じゃない???みたいな気持ちに常にさせられていた訳です。
まぁ、思想の違い、方向性の違いと言っちゃあそれまでよ。なんですが。
でも、キューバ革命成功させて、そこからが本当の戦いだろう!?と、大人の私は思う。笑。
それが、国民に対する責任ですよ!
カストロは賛否両論いろいろありますが、まず、30代で革命成功させたこともすごいが、そこからシステムを作り上げ、国を変えていくなんて、並の男じゃ出来ないよね~。
そして、そうするには理想論だけでは成り立たない妥協もたくさんして来たでしょう。
(ゲバラはそれがいやで彼からはなれていくんだけど。)
でも、それはしょうがないよね。
ほんとに若いうちからそういう政の不条理をどんどん捌き、国を作り上げていくカストロにカリスマを見る。
かっこええな~。顔は地味だが。笑

というわけで(どういうわけだ?すみません。むりやりで。)、今回のこの本。
まず、カストロの伝記というところでだいぶ面白そうですが、なんといっても作者の筆力でぐいぐい読ませる1冊です。
佐々木譲はミステリー大賞にも選ばれている『警官の血』の作者。
『警官の血』も面白かったけど、この作者は文章書くのが上手です!
だからいままで読んだカストロの伝記とくらべると格段に面白い。
もちろん著者の主観もはいっているでしょうが、彼が革命を成功させるまでが生き生きと描かれており、どんどん引き込まれていってしまいました。
彼の生い立ち、学生時代のカストロ、そして、その後政治の世界に足を踏み入れ政治家になっていく様が実に面白く描かれております。
なにも言わずに読んで下さい。
本当に面白いから。

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同じ本好きでも、詩集は読む人と読まない人が殊に大きく分かれるような気がする。




しかし言葉を楽しみ、なおかつ自分の言葉のセンスを磨きたいなら迷うことなく詩を読むことをオススメします。ただし、上質な詩をかける詩人のもののみをね。




細かな言葉を組織的に編みこむことができる小説に比べ、詩はポイントポイントの一発勝負。


どんな書き物よりもセンスが問われる。




そんなことを思いながら、何度も読み返す詩集を私はいくつか持っている。


その中で萩原朔太郎の詩は、まさに感性一本勝負。生活苦や、時代への怒りなどはあまり描かれない。




なぜなら彼はいわゆる「ぼんぼん」だから。


何かを世の中に必死に訴えるというよりも、のんびり白いキャンバスに言葉をちりばめている感じ。


もちろん焦燥や悲しみも描かれるが、それ自体が何か美しく、余裕を感じさせる。






ここで少し話題がずれます。


うちの会社は洋服を売っているのですが、いつもいらっしゃるお客様に何だか王子様のようで別次元にいらっしゃるようなバイヤーさんがいます。とっても大きい有名なセレクトショップで、カリスマ的存在の方です。


ご実家が結構裕福なようで、その後社会人としてもかなりの成功を収めている方なのでまあ、一般の人よりはかなりいい生活環境の中で生きてこられた方のように思える。




彼と先日飲みに行った同僚が今日、「あの人はすごいね。バイヤーさんというだけじゃなくてアーティスト的な面もあるし、ビジネスセンスもすごいあるから実業家みたいな雰囲気もあるし・・・」という言葉でピンと来たのだ。




なぜ彼にそこまで才能があるのか。


それは彼も「ぼんぼん」だから。




高い水準の生活環境にいれば、ご家族なども教養が高い場合が多い。生活の中で良いものに触れる機会も多く、審美眼が磨かれたのではないだろうか。


そう考えてみると、大手ショップや百貨店で活躍されているバイヤーさんには裕福な家庭出身の方が多い。






はい、ここで萩原朔太郎とつながりました。


育った環境に余裕があり感性的レベルの高い生活をしていると、人を喜ばせたり感動させたりするものを表現することができるようになるのでは。




自分に無いそんな彼らの才能を羨みつつ、少しでも学べるように時折この詩集を読みます。


一番好きな詩は、女性と草むらで戯れている様子を描いた詩。


どんなエロビデオよりもいやらしい。直接的表現は何もないのに


この詩を読んで言葉の力に時折感嘆している。



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Lindaです。


私にとって、インドは遠いが近い国(!?)みたいな印象。

なぜなら、アクセサリーデザイナーという仕事上、インドは外せないからです。

今はほとんど日本で作っているのですが、アクセサリーデザインを始めた当初はお金もなく、つてもないので、

少しでも安く、数も少なく作ってくれるところを探すとなると、日本では到底相手にしてもらえず、中国は中国で

ロットの問題が常に付きまとい。。。

はぁ=アクセサリーって、こんなに作るの大変なのね。。。どうしましょう。。。

と、途方に暮れていた夏のある日、褐色の肌に白い目、歯でキラキラいたずらっぽくほほ笑むインド人の方々が、

私に救いの手を差し伸べてくれたのでした。

しかし、私にとってインドはまさに未知の国!

旅行したことすらない私が出張でおもむろにインドに行くに至って、周りの友人は口をそろえて、

「インドに呼ばれたのよ~。インドって国は好き嫌いがはっきり分かれるらしいけど、呼ばれる人は必然的に行く

運命にあるんだって。」

と、好き嫌いに関係なく行く人は必然的に行くことになる、ただし、好き嫌いがはっきり分かれるくらい、

タフな国なのよ~と、脅しにかかったわけです。

まぁ、実際インドに変な幻想も抱かず行った私はかなりニュートラルな感じでインドに溶け込んだきがする。

なぜなら、はぁ、インドって、こういうものなのね、と受け入れるしかなかったから。

(もちろん、ほんとにタフじゃないと精気を吸い取られるようなパワフルな国でしたけど。笑)

でも、未だ残るカースト制度のなごり、宗教の戒律の厳しさ、女性の立場の低さ、大家族の面白さ、伝統工芸の技

術力の神業的な素晴らしさ、カレーの美味しさ、時間のルーズさ、トイレのすごさ、自然の素晴らしさ、

などなどにカルチャーショックを受けまくり(ほんと、挙げればきりがないほど、日本と違いすぎます!)、

さらにはその国民性に度肝を抜かれ、インドって、ほんとに侮れないわ。と興味津津になってしまったことは

事実です。

さて、日本に帰ってきて数々の不可解な疑問を解くべく、本オタの私は様々な文献を読み漁りました。

どれも本当に為になるんですが、いまひとつもろにピンと来るものがない。

なぜか?

私は今回紹介する本を読んで初めて気づいたのですが、若い女の目線でリアルに日常のインドの生活を

実況中継してくれている本が少ないんです。

そこで、前ふりが長いなか、今回の本の紹介。


冬野花著 「インド人の頭ん中」


です。


この本の作者、私とほぼ同年代。

だから、なんだか私が体験したこととかなり近いこと体験してリアルにおんなじこと感じてるんです。

これって、私と作者が似ているとかそういう問題じゃないんじゃないと思うんです。

インドに行ったことがある方なら分かるかもしれませんが、あまりの違いに本当にびっくりすることが

多々あります。

そこで感じることって、もう違いすぎて理解の領域にないこと多々。

国民性の違い。

そこに、日本人として、それはねーだろー!という部分を、文化的な考証など抜きにして、

素直に面白おかしく書いてある。

さらに面白いのは、やはり女性ならではの痴漢話。

これ、ほんとに海外からの旅行者、すごい被害にあってるらしいんです。

通りすがりにお尻触られたりとか、ざらですから。笑。

これは、やはり宗教の問題が深く係わっており、愛する女性との婚前交渉タブーのお国柄ならでは。

若い殿方ストレス溜まりまくるのでしょう。。。

この辺の体験談がリアルで面白かったり。

よくあるバックパッカ―が出した旅行記ではないので、誇張がないところに好感がもて、そこがリアル感に

つながっているといったことろでしょうか?

とっても読みやすく、インドの日常を愛情込めて綴っているのが伝わるエッセーです。

BRICSといわれ、21世紀にもっとも発展する国の一つと予言されるインドの面白さ。

どんどんメジャーになる前に一度覗いてみてください!