厳しい糖質制限食の血管障害という題で昨年12月に書きましたが、何とこのブログで引用している2009年のPNASの論文が、5月にもっとも読まれた論文の第2位になっているではありませんか。びっくりしました。
PNASは、基礎科学では大変に有名な雑誌であり、この雑誌に掲載されるということは、サイエンティストにとっては、大変な名誉であります。この雑誌で4年も前の論文が2013年の5月に
なってもっとも読まれたということは、厳しい糖質制限食の血管障害について、多くの専門的な学者が興味を持ったということです。価値のない論文なら読むことはないはずです。
ここでもう一度、昨年12月12日のブログをおさらいしておきます。
低炭水化物高蛋白食(LC-HP)(P:F:C=45:43:12%)で、これはちょうどスーパー糖質制限食の糖質割合に相当しますが、この条件では、骨髄および末梢血の内皮前駆細胞がおかしくなり血管再生がちゃんと起こらず、動脈硬化を促進するということです。
要点は以下となっています。
(1)大動脈を解剖したときの動脈硬化の範囲は,低炭水化物高タンパク食(LC-HP)は高炭水化物食(HC)や西洋食(WD)に比べて有意に広いこと。
(2)血清脂質,血糖値,酸化ストレスマーカー,炎症マーカーは3つの食事群で差がなかった。
(3)LC-HPマウスでは骨髄と末梢血の内皮前駆細胞(Endothelial progenitor cell:EPC),つまり血管再生のマーカー細胞の数が有意に低下していた。
(4)LC-HPのマウスから分離されたEPC(細胞)の活性化セリン・スレオニンキナーゼは有意に低下していた。この酵素はEPCの増殖,運動,生存に深く関係している。
(5)LC-HPは動脈硬化を長期的に促進するが,それは脂肪以外の主要栄養素,たぶん高蛋白が影響しているらしい。
この論文に対して、スーパー糖質制限食を推奨している医師はどういう見解なのか聞いてみたいものです。まさか、マウスの実験なのでヒトには関係ないなどということはないでしょうね。