久々の投稿です。日本ローカーボ食研究会のサイトをこれまた久しぶりに読みに行きますと何と掲題の記事が載っているではありませんか。
興味を持って読み進めて行くと、マウスでの実験でありますが、以下のような結論となったということです。
(1)大動脈を解剖したときの動脈硬化の範囲は,低炭水化物高タンパク食(LC-HP)は高炭水化物食(HC)や西洋食(WD)に比べて有意に広いこと。
(2)血清脂質,血糖値,酸化ストレスマーカー,炎症マーカーは3つの食事群で差がなかった。
(3)LC-HPマウスでは骨髄と末梢血の内皮前駆細胞(Endothelial progenitor cell:EPC),つまり血管再生のマーカー細胞の数が有意に低下していた。
(4)LC-HPのマウスから分離されたEPC(細胞)の活性化セリン・スレオニンキナーゼは有意に低下していた。この酵素はEPCの増殖,運動,生存に深く関係している。
(5)LC-HPは動脈硬化を長期的に促進するが,それは脂肪以外の主要栄養素,たぶん高蛋白が影響しているらしい。
やはり、低炭水化物高蛋白食(LC-HP)(P:F:C=45:43:12%)では、骨髄および末梢血の内皮前駆細胞がおかしくなり血管再生がちゃんと起こらず、長期的に動脈硬化を促進してしまうようです。
この論文は、2009年にPNASに掲載されたそうで、PNASは、基礎的な研究分野においてはかなり権威のある雑誌だそうです。
また、最近この論文が、ポーランド人の科学者により再現されたということです。
厳しい”糖質制限食”を行うと、いままでとは違ったメカニズムで動脈硬化が促進されるということが明らかとなってきたようです。
やはり、”スーパー糖質制限食”は、かなりトリッキーな方法なので注意が必要ということだと思います。