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生命の実相第9巻

 

霊界篇第一章

 

 

差別心より観たる霊界の消息

 

…… (途中省略) ……

 

 

 

○問 ー 災難によって突然変死するような場合があるが、常にこれはあらかじめ決定されていることであるか?

 

 

時には偶然の死というようなことはないか?

 

ヴェッテリニの答ー

 

「偶然の死は一つもない。死は常に定められた事情の下に、あらかじめ定められた日時におこる。」(むろん、死期の修正のあることは前掲のとおりである)

 

 

 

 

 

◯ 問  ー  その人の生涯が打ちつづく肉体的苦痛であるような人は、その肉体的苦痛によって前生に犯した罪障を消滅させているのか?

 

 

ヴェッテリニの答ー

 

「常にそうである。それは贖(あがな)いである。ー時として自己の罪障消滅として霊魂がみずから選ん不健康の肉体に宿っているのもある。」(1913年2月24日)

 

 

 

 

(著者注)

 

無意識の贖罪(あがない)とは業の自壊作用である。それは病気の自壊作用として発熱疼痛がくるようなものである。罪本来存在せず、病気本来存在せず、されば逆波動を立てながら消えゆくのである。みずから進んで逆波動を立てるのが苦行である。

 

 

 

 

○レイヌは何も知らないのであったが、実際自分は妻の旧友の一人の霊魂を招び出そうという意向をもっていたのである。

 

 

 

妻の旧友の一人というのは立派な人物であったらしいが妻がまだ子供であったころに妻にとってはなくてはならぬ小父さんで、彼女はこの小父さんを崇拝していたのだそうである。彼は恐怖すべき変災の犠牲となって、長き苦痛をなめた後死んだのだった。もしこの実験が成功するならば、新しい予期以上の興味ある事項がおそらく発見できるであろう。

 

 

 

自分の妻は彼の所持品も何ももっていなかったので、この小父さんの霊魂を探し出すのは容易なことではない。しかしヴェッテリニが交霊会に来ているので、レイヌを導いてくれるのはヴェッテリニであった。

 

 

 

彼の教えに従ってわれら夫妻は霊媒の両手を握り合ってこれからその霊魂を招び出そうという人のことに自分たちの心を集中した。それと同時に自分は、レイヌに「行け!」と激しく命令して、その人が住んでいたアメリカの街を心に描いて、思念でレイヌの霊魂にその町へ出遊するように導いた。

 

 

一瞬間のちにレイヌはちょっとぶるぶる慄えて、それからいうー「来ました。わたしは今X…にいるのです。」

 

 

彼女はくわしい事項を説明しはじめる。と、突然、彼女は自身の椅子にドシンと背をもたらせて、あわただしく右方に振り向いた。そして、顔をしかめ、眉をひそめながら上方の空間をじっと見つめる。彼女は何やら訳のわからね低声(こごえ)でつぶやく。そしてとうとう自分の方へよりかかる。

 

 

「コルニリエさん。あなたの招んでいらっしゃる人は来られました。そこにいられます。この方は御自分で来られました。わたしがこの方を探しにズッとズッと遠くまでいっていたら、行きちがいに来られました…アハ!」こういって彼女は自身の霊魂の出遊を突然はげしく遮(さえぎ)られたのを嘆息するように長い溜め息ついた。

 

 

その後この交霊会のつづきで、彼女は「あまりに猛烈に投げ返されるようにこのスピリットの希望で、いわば一息にグッと吸い返されたようなものでしたわ」といった、 

 

 

レイヌはそこへ新たに到着したスピリットの言葉に傾聴している。彼女は忙しく右方へ頭を向けてそのスピリットに丁寧に伝えるべき言葉をたずねると、たちまち自分の方を向いて話しはじめた。ー  自分は一語を挿む余裕もない。

 

 

 

たしかにそこに来たスピリットは自分が招ぼうとした人の霊魂であった。このスピリットが交霊会にやって来たそのこと自身がきわめて妙に特色のあることであった。が、スピリットの名前をレイヌは正しい発音と、精確な抑揚とで発言したほか、いろいろの点で、その人そのもののスピリットが出現したのであることが確かめられた。(このスピリットの希望を尊重してしばらく彼の名前を書かないことにして、ただ旧友ということにする。)

 

 

 

このスピリットが話すにしたがって、そのままをレイヌは伝えるのである。彼は幸福である。彼は高き進化に到達している。で、われらが特に彼を呼ばなかったならば、われらは彼にとうてい接見することが不可能なほど、はるかにわれらと懸隔(けんかく)しているのであった。

 

 

 

彼は自分に非常になついていた子供だったもののことを決して忘れていなかった。そして妻自身にはわからなかったが、常に彼女の生活につきまとっていた。彼は以前ここへ来たことがあったが、その時はなんのたすけもなすことができず、また自身の来ていることを知らせることもできなかった。

 

 

 

今日われわれがそのスピリットを招んだのと、霊媒がいるのとが相合(あいがつ)して有力な力となり、ついに明らかに彼をここへわれわれのわかるように来たらしめたのだった。これからはたびたび来るという。ただわれわれが彼を招ぶか、レイヌが青色のスピリットの棲(す)む霊圏まで彼を探しに行けばよいのである。彼は時々ヴェッテリニの代わりをするかもしれないという意を漏らした。

 

 

 

ヴェッテリニの仕事は最も大切なものであるという。ー「あなたたちはヴェッテリニを御信頼になるのがよろしい」と彼は叫ぶー「ヴェッテリニはきわめて偉大なスピリットです。あのスピリットに語懸念はご無用です。

 

 

 

わたしは時々あのスピリットの代わりにあなた方のご質問に答えるために遣(や)って来て、あのスピリットの手数を省(はぶ)いてあげることにします。」

 

 

 

こういってから、彼は自身の受けた災難のことや、その晩年のことを話し出した。「実に辛い苦しみでした。しかしそれは苦しむだけの値打ちはあったのです。それはわたしの向上でした…。そのために得たものは、わたしの苦しみなどのとても比べものにならないものです。」(1913年4月18日)

 

 

 

(著者注)

 

ここにも業が集積の末自壊して、実相のいっそう自由な相(すがた)が顕(あらわ)れる真理が出ている。自壊過程が「苦しみ」であって、向上とはわが実相のいっそう自由な相の顕現することをいう。

 

 

 

 

 

谷口雅春著  「生命の實相」第九巻より(完)

 

 

 

 

* ここで「霊界篇」を一応終了する事にします。

まだ下記は一部ですが、

 

スピリット自身は「霊魂の品等」についてかく語る

スピリット自身は「芸術」についてかく語る

スピリット自身は「小児の霊」および寿命についてかく語る

欧州大戦及び世界の最後的破壊を予言する霊示

予言はなぜ間違うことがあるか等々!