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生命の実相第9巻

 

霊界篇第一章

 

 

差別心より観たる霊界の消息

 

…… (途中省略) ……

 

 

 

◯ 自分は自殺の意義を尋ねた。

 

 

 

結果から言えば、自殺も「運命」がある人の前に置いたところの「定め」であるしかし彼は四分の一だけの自由意志をもってその運命を拒むことができる。彼は遺伝的傾向に抗うことができる。そして、場合と、彼自身との価値とによって、保護のスピリットが助けてくれたり、助けてくれなかったりするのである。

 

 

 

(著者注)

この場合の運命とは業運すなわち「業の流転」である。悪念波の集積が自壊する必須の過程である。

 

 

 

他に興味ある点一つー高級の発達をとげたるスピリットは、自己が今まで多大の努力を経てかち得たる優越な地位を、利己的に濫用して霊界にらんだの生活を送ろうと思えば送ることもできるそうである。

 

 

 

しかしこの僭上(せんじょう)な行為はいつまでも続かない。ある時期がくれば強力な磁力の流れが宇宙をかすめて走る。この磁力の流れに打たれてかかるスピリットは地上に落とされる。かようにして怠け者のスピリットはその無活動の状態を嫌でも放棄せしめられるという。(1913年5月7日)

 

 

コ氏注

 

急激の死はなにゆえに、進化の本道を進まず地上の生活に執着せる霊魂に進化を強制する結果となるか。(この理由は地震、洪水、戦争等による数百数千の人間の惨死の場合にも、むろん適用せられるのである。)

 

 

ふつうの死の場合には、霊魂はじょじょに静かに肉体の全表面よりたちのぼる霧のように脱出するーそして霊的流動体(複体)全体の分離が完全に行なわれる。急激の死の場合には霊魂は突如として口より逃れ出る。

 

 

 

あたかも蒸汽が汽罐の破裂口より逸出するごとく、霊魂が急遽逸出する際、地上により多く牽引されている霊的流動体の重濁せる部分が取り残され、精妙な念波的存在なる霊的流動体のみが霊界に移るのである。

 

 

 

この取り残された重濁せる霊的流動体こそ、彼の地的繋縛(けいばく)ー彼の今までの悪しき傾向、趣味、習慣等ーを構成している部分なので、かかる部分は通常死の場合には霊界まで持ち越され、再びこの世に生まれ代わる際にもその念波的存在が執念(しつこ)く付きまとい悪傾向を持続するのである。

 

 

 

これをたとうれば、ふつうの死は、ゆっくり構えた引っ越しのようなものである。彼は十分時間を費やして、もとの住居の例にならって、もとの住居を飾ったところの品物でやはり今度の住居をも飾ろうとして、家具、調度、美術品、骨董品、記念品などを念入りに運ぶのである。そして彼は再び住居はかわっても従前の習慣に従って生活し始める。

 

 

 

ところが急激の死は、たとえば火災の際にやむをえず立ち退かなければならないようなものである。彼は取るものも取りあえず手と身とで逃れるべく強いられる。彼は新生活を営み、新しい財宝を得るために、スッカリ新規播き直しをやらなければならないのである。

 

 

106頁~110頁(途中省略)