議会制民主主義の落ちつく先 
昭和四十四年
  


現状に於いては利益団体と利益団体とがその利益を守るために論戦をする"場"が国会であるのであるから・策略を弄して(この策略の中には"金も含む)人数をより多く集めたものが統治の権力を握るわけであって、民主主義政治というものは、おおよそ、そんなものなのである。

 

だから常に利害の対立があって、負けた方の政党は、この何とか相手の政党を倒してやろうと策略を練るのである。
  


だから民主主義国家に於いては、国そのものの繁栄よりも、各自の利益団体の利益と権カの維持に施政の目標がおかれることになり、国会も院外も総じて謀略者の利益及び権力の争奪のための戦場となるのである。

 

そこで国会は国民の総意などは反映しない、国民不在の謀略者の戦場に過ぎないから、真に国を愛する者は国会などに国の統治を委ねることはできなくなり、直接行動による統治権の奪取をはかろうとすることになるのである。

 

直接行動による統治権の奪取とは一種のクーデターであり、革命であるのである現在の大学生騒動は、その革命のお先棒をかつぐところの起爆剤である。学生騒動は突然にして起ったところのものではなく、日本国憲法の中に最初から盛られている矛盾の種子が芽をふいたものに過ぎないのである。