玄米は農薬がどうのこうのだから体に悪い、なんて話を
時おり耳にする。
確かに、精米を玄米に変えるとの場合かんたんに体重が減る。
これは、体を壊してというより玄米はしっかり噛みつぶさないと
消化が悪くて吸収率が下がるし、噛む回数が増えると血糖値の
上昇が早まって食べる量が減るからかもしれない。
毒というのは体の大きさ、もしくは、毒そのものの量によって
影響が違ってくる。
たとえば茶碗蒸しに入っているギンナンは、成人が食べても
問題ない量でも小児だと中毒症状を起こすことがある。
では玄米はどうか。
小児よりもさらに体が小さい野生のスズメに協力してもらって
かんたんな実験を試みた。
精米に玄米を混ぜてエサ台に置いておくと、ものの見事に
精米だけを食べて飛び去った。
しかし、残された玄米をそのままエサ台に放置しておくと
しばらくして戻って来たスズメは玄米も食べて行った。
足環を着けたり目印になるような特徴があるわけでもない
スズメなので、玄米を食べたスズメが体を壊したかどうかは
わからないが、翌日もその次の日もスズメは来ている。
至極小さなエサ台で、設置場所もエアコンの室外機の下で
やってくるスズメは多いときでもせいぜい3〜4羽なので
おそらく同じ個体だろう。
なんでそんな場所にエサ台を置いているかというと、
目立つ場所だとヒヨドリが飛来するようになってしまうから。
(普段は米粒なんか食べないヒヨドリも、季節や天候次第で
他に食べるエサがないと米も食べる)
あと、スズメがカラスに狙われるから。
体を壊すほどではないが、精米と玄米では精米のほうが好き
ということか。まあ、それはそうだろう。
ついでの実験。
玄米と黒米ではどうだろう。
実験に使った黒米は、ぬかの層に黒っぽい色素がある
玄米である。つまり、白っぽい玄米 vs 黒っぽい玄米。
実験に使った黒米のぬか層は普通米のぬか層よりも硬い。
白玄米20粒と黒玄米20粒をエサ台に入れておいた。
結果は、
この春生まれたと思われる幼鳥がココット皿の中に
排泄した糞の欠片が残っているので縮小した写真では数えにくいが
白玄米が5粒残り、黒玄米が13粒残っていた。
もちろん、この残り18粒も、その後完食されていた。
この実験から数日経ってスズメにはとくに変わったことも
ないようなので、一時的かつ小規模な実験では
玄米の明らかな毒性は確認できなかった。以上。