皆さまこんにちは。

御茶ノ水こどもレーザークリニック

院長の堀 弘憲です。

 

 

今回は当ブログの方針を変更してから

初回の投稿となります。

(方針変更の理由などについては

以下の記事をご確認ください)




 

今回は、当院で取り扱う小児のあざである、

 

乳児血管腫(いちご状血管腫)

 

という赤あざについての解説になります。

 

 

乳児血管腫(いちご状血管腫)

 

と聞いて、ピンとくる方は

 

身近に乳児血管腫(いちご状血管腫)の方がいらっしゃる

医療関係者の方

 

に限られるかと存じます。

 

 

乳児血管腫(いちご状血管腫)

 

とは、

生後1〜2週ごろから出現し

1歳ごろまで大きくなった後、

5〜6歳ごろまでに消退する、

 

急速に大きくなった後に徐々に小さくなるという、

珍しい経過をたどる、

血管のかたまりのできものです。

医学的定義の腫瘍(できもの)は

通常、自然に小さくなることはありません。

 

この

 

自然に小さくなる

 

と言う特徴から

 

「放っておいて大丈夫」

「小学校くらいまでに消える」

 

と小児科や皮膚科の先生に言われて、

 

特に治療が行われない

 

というケースが少なくありません。

 

この

 

「放っておいて大丈夫」

「小学校くらいまでに消える」

 

というのは

 

一部は正しく、一部は間違っています。

 

 

まず

 

「放っておいて大丈夫」

 

 乳児血管腫(いちご状血管腫)がある場所によっては

大丈夫だが、注意が必要な体の場所もある、

 

と考えていただくと良いかと存じます。

先にお伝えした通り、

 

乳児血管腫(いちご状血管腫)

1歳ごろまでに急速に大きくなります。

 

まぶたにできれば大きな血管腫が視野をふさぎ、

視力に影響を及ぼす可能性があります。

 

鼻や首回りにできれば空気の通り道を圧迫し、

呼吸の機能に影響を及ぼす可能性があります。

 

このような場合は、

診察をされた小児科や皮膚科も

 

「診療ができる医療機関を紹介します」

 

と判断されるかと存じます。

心配なのが、インターネットなどの情報をご覧になって

 

「乳児血管腫=放っておいて大丈夫、小学生くらいまでに消える」

 

と、ご家族様だけで判断されてしまうケースです。

そのまま、適切な治療が行われない場合、

上記のような部位であれば

 

弱視(視機能の低下)

呼吸困難

 

が生じる可能性があります。

 

放っておいて大丈夫

医師が診察をした上で、

 

機能や生命に支障をきたさない部分

 

と判断された場合に初めて成り立つ考え方です。

 

 

次に

 

「小学校くらいまでに消える」

 

についてです。

 

「消える」

 

という言葉を聞いて、おそらく多くの方は

 

「傷あとや赤みは全く残らない」

「周囲の皮膚と同じになる」

 

とイメージされたのではないでしょうか。

残念ながら必ずしもそうはならずに、

 

多少の傷あとや色味を残すこともしばしばある

 

というのが現状です。

 

 

乳児血管腫は急速に増大した後

 

脂肪組織や線維組織(傷あとのような組織)

 

に置き換えられて小さくなっていきます。

置き換えられた脂肪組織や線維組織の量によっては

 

周囲に比べて膨らんだり、凹んだり

 

することがあります。

また、乳児血管腫の急速な増大により

 

皮膚が引き伸ばされ、

その後乳児血管腫が小さくなると

 

風船の空気が抜けたようにシワシワになる

 

こともあります。

 

さらに、皮膚が引き伸ばされた影響などで

 

皮膚直下の毛細血管が太くなる

 

こともあり、

この場合は乳児血管腫があった部分を中心に

 

赤みや毛細血管の拡張が残る

 

ということもあります。

 

 

このような、乳児血管腫消退後の

 

膨らみ、凹み、皮膚の質感の違い、色の違い、毛細血管拡張

 

などの残存は、

乳児血管腫が大きければそのリスクが高まります。

逆に、それほど大きくない乳児血管腫は

 

「消える」

 

と言っても過言ではないくらい

目立たずに小さくなることもあります。

 

 

ここまでで、

 

乳児血管腫(いちご状血管腫)は

 

「血管腫がある場所によっては注意」

「何らかの傷あとや赤みを残すこともある」

 

ということが、お分かりいただけたかと存じます。

このような乳児血管腫(いちご状血管腫)に対して

当院では

 

Vビームプリマ

 

という赤色に反応する(正確には血管内のヘモグロビンに反応する)

レーザーを用いて治療を行っています。

 

レーザーを乳児血管腫(いちご状血管腫)に照射すると

 

増大を抑えることができる

 

ので、先述したような

 

・機能障害を防ぐ

・傷あとや赤みの残存を減らす

 

ことができます。

もちろん当院で出来る治療には限界があるので、

場合によっては他の医療機関と連携しながら治療を進めていきます。

 

当院では

 

外来(日帰り)でのレーザー照射

 

を行っております。

通院の当日だけで治療が完結するため、

 

複数回の治療が必要となることが多いレーザー治療では

ご家族様のご負担が少なく、治療を継続しやすい方法

 

と考えております。

 

 

いかがでしたか。

当院で取り扱う、小児の赤あざ

 

乳児血管腫(いちご状血管腫)

 

についてお伝えいたしました。

 

「放っておいて大丈夫」

「小学校くらいまでに消える」

 

と言われても、

 

「なるべく傷あとを残さないようにしたい」

「わが子のためにできることはしたい」

 

とお考えの方はぜひ当院へご相談ください。

乳児血管腫(いちご状血管腫)の状態を診つつ

ベストな方法をご提案いたします。

 

この記事が乳児血管腫(いちご状血管腫)でお悩みの方の

お役に立てるのであれば幸いです。