ERP導入に失敗してしまう企業には、いくつかの共通した特徴が見られます。その中でも特に多いのが、導入目的が曖昧なままプロジェクトを進めてしまうケースです。「他社も導入しているから」といった漠然とした理由ではプロジェクトは迷走します。明確な業務課題や目標を定めなければ、適切なパッケージ選定も困難になります。
過度なカスタマイズも失敗の典型です。既存業務を維持しようとシステムに大幅な変更を加えると、開発費用が膨らみ運用も複雑化します。また、経営層が効率化を期待する一方、現場が新システムに抵抗感を抱くといった社内の認識のズレも、プロジェクトの障害となります。
データ移行の失敗も深刻です。既存システムからの正確なデータ移行は困難を伴い、不整合や欠損は業務に支障をきたします。加えて、十分な教育がないまま運用を開始し、現場が混乱に陥るケースも少なくありません。
ERP導入を成功させるには、まず明確な導入目的と期待効果の設定が重要です。改善したい業務の具体化に加え、既存の業務プロセスをシステムのベストプラクティスに合わせて変更する姿勢も求められます。全社で推進するには、経営層のコミットメントと現場への丁寧な説明を通した理解の醸成が不可欠です。
導入プロセスでは、全社一斉ではなく特定部門から始める段階的な導入が効果的です。導入後は、新システムに慣れるための十分な教育期間と、適切な運用サポート体制の確保も重要となります。手厚いサポートが、スムーズな移行と早期の定着を実現します。
