こんにちは。在米11年の元アメリカ公認会計士、諏訪昭浩です。
逮捕って、なかなかしてもらう(?)経験はできませんが、何と僕は逮捕されたことがあります。
「え? 前科者?」
はい。前科者です。 と言ってもアメリカでの話ですが、僕の逮捕経験、ちょっとだけお話しします。
早めに言っておきますが、逮捕は飲酒運転が理由です。
ある金曜日の夜。日本料理の店で2時間以上、日本からの来客を接待しました。
日本食ですから、ま、最初はビール、次に日本酒、となるわけで、この日も結構飲みました。
僕は酒に強いので、すぐに運転はできましたが、運転できたら乗ってよし、ではないことは、今の日本もアメリカも同じです。
ただアメリカは、「飲んだら乗るな」、ではなく、「これ以上は飲んで運転するな」という考え方です。
そこで、少し冷ますことにしました(無駄な努力ですが)。
2時間くらい板さんと話しながら茶を飲み、そろそろ行くか、ということで帰宅の途についたんですね。
「停められて計られたらやばいよな… ま、停められないように運転すればオッケーじゃろ。」
警察官の指示で、まっすぐ歩いたり、手上げたりして、酔っ払い度を見られる、映画でよく見るシーンを連想しながら、「ま、オレは全部できる! 大丈夫!」と確信していました。
で、側道からハイウエイにまさに入ろうとしていた時、携帯電話が鳴り、一瞬よそ見をしたとたんに、「バーン!!!」と何かにぶつかって車は大破。(廃車になりました。)
いつもは置いてない工事用の台車みたいなものにぶつかったんですね。
けがはありませんでしたが、これでは帰れない。そこで、携帯で迎えを呼んで待っていると…
そこに現れたのは1台のポリスカーでした… 「わ、やばいかも…」
そして、映画のシーンのように、まっすぐ歩いたり、手上げたりして、全てクリア。それで助かったと思ったら、チューブの中に息をはけ、と。
結果は、法定量を超える血中アルコール濃度。その場で逮捕です。
しかも、後ろ手に手錠をかけられて… これ、とても情けない思いになります。「オレってダメダメな人間じゃん…」でも、印象的だったのは、警官が僕のことを「Sir」と敬語で呼ぶこと。それだけが唯一の、心がボキッと折れない理由でしたよ。「オレ、かろうじて大丈夫かも…」
ま、この後も色々あるのですが、長くなるので別の機会にお話するとしましょう。
簡単に言うと、警察にも手落ちがあって、日本でも最近始まった「司法取引」をしまして、「有罪」にはなりましたが、ほとんどの罰則を免除されました。
「えかった~!(涙)」
さて、こんなことを書いたのはなぜかというと、この逮捕劇が、人にはなかなかまねできない貴重な経験だからです。
逮捕されろ、とは言いませんよ! でも、人生にはクソみたいな事が起こるものです。
そんなイヤな思いを避けるために「あれするなこれするな(Do Nots)」というノウハウを実践するより、自分の思うようにやって、イヤな思いを自分で処理できるようになること、大問題を解決することのほうが、大切だと僕は思います。
遠回りの人生こそが本当に楽しいのです。
因みに、逮捕された当日はミシガン州の規定で留置所に一泊しまして、その次の日、ベイル(保釈金)を払って某銀行のゴルフコンペに参加。優勝しました。
僕の人生に起きた「逮捕される事件」は、弁護士さんその他のお手助けもあって、きっちり処理できましたが、ただ、もしかしたら命を取られていたかもしれないと思うと、好きなことをやってもいいけど、命を取られるようなことだけは絶対に避けなければ、と思うのです。