先日のNHKスペシャルを見ても、花本マサミさんの話を聞いても、今や映画は中国の国家プロジェクト。税制優遇などで強力に推し進め、世界中から投資と人材が集中、世界一になりつつある。




こういうものに国家として積極的に取り組む姿、日本にはない。




日本にはアニメがあるのに政治家はそういうものが嫌いらしい。世界中で日本アニメの人気は驚くほどだ。麻生さんの「アニメの殿堂」が批判されたが、目の付け所はいい。そうした箱ものに加え、低賃金などのアニメ業界の問題を解決し、資本・人材・技術が日本に集まるように諸施策を政府主導で講じれば、アニメが日本の代表的産業となる可能性があるのに。




もったいない。




それにしても、最近つくづく思うことがある。技術を誇る日本はどこにいったのだとう、ということだ。




明治時代に西洋列強に追いつくために国家をあげて傾注し、昭和には驚異的性能を誇る零戦を建造。高度な造船技術が戦艦大和の建造を可能にした。戦後は荒廃のなかから復興し、再び追いつけ追い越せをめざし、その結果生まれた自動車、家電など世界一の工業製品。




これらは、「一番になろう」とする志と粘り強い努力の賜物だ。しかし、どういうことだ。一番になる事は子どもの運動会で価値を失い、「仕分け人」蓮妨議員は「二番じゃいけないんですか」と、堂々と発言し、それが公然とマスコミで流される。現代日本に「一番」を良しとする基軸はない。「トップグループにはいればいい」的な漠然とした競争はあるが、それでは弱い。




一番を目指せば二番になる事はあるが、二番を目指しても二番にはなれない。もっと先へ、もっと高く、つまり、一番になろうとする意志こそ更なる発展のために、また、現状維持のためにも必要なのだ。




日本よ。もう一度やってみないか?再び「一番になる」気概を胸に。冬季五輪がもうすぐだ。かつて世界一だった「日の丸飛行隊」の復活を期待しつつ、我々も日の丸のように赤く燃える一丸となって。プライドを次世代に繋げていこう。この国の形はここから生まれてくるに違いない。