〜7回裏のブルペン〜
ードゴォォォン!!!
ブラペ「ナイスボール!!前回の時より球走ってるんじゃないか?」
ハート「うん。全然打たれる気しないや。あー、早く投げたいなぁ(ウズウズ)」
ブラペ「マナの出番は恐らく9回だろ?今はいおなを応援しよう」
ハート「そうだね。とりあえずこの回点取ってくれればかなり楽に……あ、チェンジになっちゃった」
ブラペ「やっぱプリム半端ねぇな。でも、諦めなければチャンスはやってくるはずだ」
ハート「うん。じゃあ行ってくるね」
ブラペ「おう。とりあえず守備に集中な」
ハート「モチのロン!」
前回の話はこちら⤴︎︎︎
王将《8回表、PSLはノーアウト3塁とチャンスを作り、打席には2番のビューティ。BWはここでエースのハートに交代。ビューティはバントも得意で、ヒッティングも上手い器用なバッターです。次のミラクルも巧みなバットコントロールでヒットを量産し、足でバッテリーにプレッシャーをかけます。
2人とも出塁率が高く、ランナーを返さない為にはかなり労力が必要となります。そして2人の後は4番シュプリームが控えており、どれだけランナーを出さずに迎えるかが鍵となりそうです。》
寿也《この厳しい場面で登板するエースのキュアハート、どんなピッチングを見せてくれるのか非常に楽しみです。ダイヤモンドとのバッテリーはプリキュア界No.1。その実力を見せて欲しいですね》
王将《そうですね。このピンチを抑えることができれば流れは間違いなくBWに来ますね。》
ダイヤモンド「ここを無失点で切り抜けて攻撃のリズムを作るわよ!」
ハート「OK!リード頼むよ!」
ウグイス嬢《2番、ファースト、キュアビューティ》
ダイヤモンド「内外野前進!!捕ったらバック!!」
BW『おう!!』
球審「プレイ!!」
沙優羽(内野の間や外野抜けたら確実に追加点取られるこの場面で、ミスを恐れず前進守備して俺達にプレッシャーを与えに来てんな。点差的にも1点勝負じゃないこの場面で前進守備をする必要は無いけど諦めてない攻めの姿勢を見せてきた。バッター的には野手が近いと圧迫感あってやりにくくなるし、ホームでアウトにしやすくなる。)
王将《前進守備で3塁ランナーをホームに返さない体制。1点もやれないBWは攻めの姿勢を貫きます》
ハート「いくよ六花」
ダイヤモンド「こい!」
ビューティ「………」
狼(この点差ならスクイズは無いと思うがゆうまはそんなの関係ない。俺もそうだが、1点でも多く点を取りたいと思う。慎重にいけよマナ、六花)
沙優羽(きっとスクイズを警戒して初球は厳しいとこに来るか1球外して様子を見てくるだろう。六花のここまでの配球だと恐らく外してくる。初球は『待て』)
ビューティ(はい)
ハート「ふんっ!!」
ースパァァァン!!!
球審「ストライーク!!」
沙優羽「っ!?」
ビューティ(入れてきましたか……。アウトコースのボールゾーンからスラーブでストライクゾーンに……)
沙優羽(入れてきやがったか。しかもないと思ってたスラーブで……。あのバッテリーにセオリーは通用しない。2人には絶対的な自信があるからや。
マナからヒットを打つのは正直厳しい。スクイズを狙ってると思わせてゴロゴーで得点したい。)
ダイヤモンド(マナからヒットを打つのは難しいでしょ?1点でも多く点を取りたいならスクイズを狙うか、ゴロを打った瞬間3塁ランナーをスタートさせるゴロゴーを狙う。初球入れたからストライク先行すると思ってスクイズやゴロゴーなら早めに仕掛けてくるはず。ボール球投げて誘うわよ)
ハート(誘うんだね。スクイズかゴロゴーか分からないけど、フライ打たれたり三振取れれば私達はかなり有利になる。れいかは手強いけど、私と六花なら抑えられる)
ードゴォォォン!!
球審「ボール!!」
ビューティ(アウトコースに高速シュート……。ボールゾーンへ逃げていく。思わずバット止まってしまいました。ボールで良かった……)
ハート(見られちゃったか。いや、手が出なかっただけかな。バット出そうとしてたし……。とてもスクイズするようには見えない……。分かんないけど)
狼(この点差だし、さすがにスクイズはしないか?いやでも、分からん。監督はゆうまだし)
ハート(アウトコースにスライダー……)
ハートが投球モーション入ると同時にビューティはバントの構え
ハート「……っ!?」
ーパァァァン!!!(バットを引く)
球審「ボール!!」
王将《スライダーはわずかに外れてボール!ツーボールワンストライク。バッターには優位なカウントになりましたね》
寿也《スクイズするならここですね。これ以上ボールカウントを増やしたくないですからストライクを取りに来るでしょう》
ダイヤモンド(真ん中高めにストレートよ。スクイズを誘う)
ハート(……なんかいつものリードと違う気がする)
ハートが投球モーションに入ると同時にビューティはバントの構え
ハート(ほんとにスクイズ!?)
ダイヤモンド(転がさせない……!!)
ビューティ(スクイズのふり……。ここでバットを引く……!!)
ードゴォォォン!!!
ビューティ(高い……)
球審「ボール!!」
ビューティ(よし。次甘く入ってきたら叩く)
ハート「タイム」
ダイヤモンド「へ?」
球審「ターイム!!」
ダイヤモンド「ど、どうしたの?どこか痛む?」(マウンドに向かう)
ハート「どうしたの六花?」
ダイヤモンド「え?」
ハート「六花に投げてて分かった」
ダイヤモンド「な、何が?」
ハート「………」(顔を近づける)
ダイヤモンド「何何!?」(顔近い///)
ハート「いつものリードはどうしたの?」
ダイヤモンド「い、いつもの……?」
ハート「さっきからアウトコースばっかり……いや、この試合アウトコースばっかり。いつもみたいに強気のリードでインコースに構えてよ」
ダイヤモンド「………っ!?か、構えてるわよ!」
ハート「明らかに前回より少ないよ。でも分かるよ。トワはコントロール良いけどアンダースローだから球威があまりなくて鋭い打球が多くなる。いおなは球威はあるけどコントロールが良くないから甘くなる……だからインコースに攻めきれない。だから少なくなっていた」
ダイヤモンド「……」
ハート「いや、もっと前から六花は沙優羽さんに踊らされてたかもしれない」
ダイヤモンド「踊らされてた?」
ハート「六花、覚えてる?1回表、ソラが出塁して初球から盗塁したの。拓海さんが刺したけどあそこから六花や投手陣は誘導されてたよ、多分ね」
ダイヤモンド「どういう事?」
ハート「六花は前の試合で盗塁を全然刺せなかった。だから『足』をとても意識してた。それで今回はソラが1番で盗塁をして、また『足』を意識させられた。
4回表、ゆいが1塁で打席には沙優羽さん。その時もバスターエンドラン仕掛けてた。その時も拓海さんが三振ゲッツーで凌いだけどとにかく足を意識させようとしてたから沙優羽さん的にはバスターエンドラン失敗しても意識させる事が目的だからある意味成功だったかもしれない。
7回表もソラがリードを大きく取ってた時、トワと六花は警戒してたけど、あの大きなリードは走る気のない人のリードだったと思ったけど誰も気づいてなかった」
ダイヤモンド「なんで気づいた時に言ってくれなかったの!?」
ハート「六花なら気づくと思って……。そもそも言っても、試合開始から……なんならその前から沙優羽さんの術中にハマってるから難しいかもって……。
その足への意識が少しずつ大きくなって、結果的にゆいのホームランに繋がってしまった。六花のリードうんぬんじゃないよ。試合の流れはずっと向こうにあるから。プリムが良いピッチングしてたってのはあるけどね」
球審「君達、長いよ」
ダイヤモンド「あ、すみません。もう戻ります」(キャッチャーボックスに戻ろうとする)
ハート「とにかく、今はランナーは気にしなくていいからね。スクイズ?ゴロゴー?なんでもOK。アウトにすれば問題ない。そうでしょ?」
ダイヤモンド「そうね。マナに言われて目が覚めたわ。怯えすぎてた事にね。ホームランを打たれて、より消極的になってた。強気でいくわよ」
ハート「うん!」
ダイヤモンド「待たせたわね。ごめん」
ビューティ「いえ……。随分長かったですね」
ダイヤモンド「うん……。この試合、もっと早く試合の流れのカラクリに気づくべきだったなって話してたのよ」
ビューティ「………?」
ダイヤモンド(スリーボールワンストライク。スクイズするならこれ以上ない場面。でも、私はもう迷わない。マナ、インコースにカットボール)
ハート(来た。インコース…)
ダイヤモンド(私はまだまだ未熟だ。相手の足に翻弄されて、マナを含めて投手を……仲間を信じられなくなっていた。
何をしてるんだ私は。何が仲間だ。何がプリキュアだ。仲間を信じられなくて何が友情だ。投手が私を信じてくれているなら私もそれに応えなきゃダメじゃない)
ハート「んっ!!」
ハートが投球モーションに入った瞬間ビューティはバントの構え
ビューティ(インコース……!?)
ードゴォォォン!!(バットを引く)
球審「ストライーク!!」
ビューティ「入ってましたか……」
沙優羽(追い込まれてもうた……。ここで変に粘るとアウトになる可能性が上がる。ヒッティングだ れいか。転がしてくれ。前進守備でもソラの足なら帰って来れる)
ダイヤモンド(さぁ追い込んだわよ)
ハート(全力で抑えるよ)
ダイヤモンド(次はどうする?スリーバントスクイズ狙う?それともゴロゴー?ふふ……関係ないわそんなの)
沙優羽(フルカウント……。ランナーを出したくないならストライク来る。頼むぞソラ、れいか。決めろ)
ハート「たぁっ!」
ビューティ「はああっ!!」
ーキィィィィン!!
ビューティ(た、高め……!!)
王将《フワッと面白い打球が上がった!!センター前に落ちそうだが、前進守備のノイズが追いつきそうです!!スカイはタッチアップの体勢!!》
スカイ(捕るか落ちるか……。どちらにせよ走ります。捕るにしては体勢が悪いですからね。犠牲フライで1点です!!)
ダイヤモンド(低めなら転がされてしまう。だから高めを要求した。マナのストレートは伸びるからボールの下を振って三振、もしくは下を叩くから打ち上げると踏んで……ただ、ヒット打たれたら意味が無い。ノイズお願い!捕って!!)
ノイズ(私は1人だった。だが、お前達とやる野球は楽しいと思えた。お前達との野球を負けて終わらせるわけにはいかん。1点もやらん。私は……このチームが好きだ。狼、お前を負けチームの監督にはしない)
ーパシィ!!
二塁審「アウト!!」
捕球と同時にスカイが走る
ビューティ「くっ!!」
ノイズ(この1点は流れを左右する。5点差だが、私達は諦めんぞ。ここでアウトを奪い、流れを掴む!!)
狼「ノイズー!!」
ハート「バックホーム!!」
ノイズ「うおおおーっ!!!」
王将《捕球したノイズ、すぐに起き上がってバックホームするーっ!!スカイも滑り込む!!クロスプレーだーっ!!かなり際どいタイミング!!判定は!?》
スカイ「…………」
ダイヤモンド「……………」
球審「アウトーっ!!」
ーわァァァ!!!
沙優羽「ちくしょーっ!!」
スカイ「ガーン……」
王将《アウトだー!!ノイズのレーザービーム炸裂!!今日2打点のノイズ、守備でも魅せます!!ツーアウトランナーなし!!》
ハート「やったー!!」
狼「ナイスだノイズー!!」
ノイズ「ふんっ!」(拳を突き上げる)
ファントム(全く……。凄まじい肩をしてるな相変わらず)
乙葉「ツーアウトだよー!!」
ハート「ツーアウトツーアウト!!無失点で行くよー!!」
ウグイス嬢《3番、ライト、キュアミラクル》
ビューティ「すみません……」
スカイ「すみません……」
沙優羽「なんで謝んねん。手を抜いてるプレーしてたら怒るけどそうじゃないやろ?まさか手を抜いてた!?」
ビューティ「違います!!」
スカイ「抜いてません!!」
沙優羽「はははっ!分かってるって(笑)点を取れる最善の方法でもマナから点が取れなかった。まあ勝ってるし、積極的に走るのは良い事やからソラはガンガン走ってな。れいかも、追い込まれながらもよく当ててくれた。紙一重のプレーで楽しかった。さあ、みらいを応援しよう」
2人『はい!!』
ードゴォォォン!!(ストレート空振り)
球審「ストライーク!!」
ミラクル「ますがマナちゃん。良い球投げるね」
ダイヤモンド「でしょ?負けないわよ、みらい」
ミラクル「私が出ればプリムに繋がる。負けないよ」
ハート(もしここで出塁させればプリムを敬遠するからランナーを2人置いてゆいと勝負することになる。ここで切れば次の回はプリムからだから、敬遠してもランナー1人でゆいと勝負できる。ここで絶対に切る)
ダイヤモンド(全球種使ってみらいを抑える。2球目は高速シュートをインローにボールゾーンからストライクゾーンへ)
ミラクル(六花は初球アウトコースに構えてた。私にはほとんどインコースはない。アウトコース……狙う……)
ハート「……んっ!!!」
ミラクル「っ!?」(インコース!?)
ードゴォォォン!!
球審「ストライーク!!」
ミラクル(完全に裏をかかれた。追い込まれちゃった……)
ダイヤモンド「ナイスボール!!」(返球する)
ミラクル(そうか。ピッチャーはマナちゃんだからインコース勝負に躊躇いがなくなってるんだ。よーし、インコース狙いで……)
ハート「んっ!!」
ミラクル(入って……っ!?)
ースパァァァン!!(バットを止める)
ダイヤモンドは三塁審を指さしてスイングしてるか確認すると三塁審は手を広げた。
球審「ボール!!」
ミラクル「アウトコースにスプリット……。危なかった……」
ダイヤモンド「惜しかった……。みらいが三振するとこ見れると思ったのに残念」
ミラクル「しないよ。絶対に出る」
ダイヤモンド(インローに高速スライダー。ストライクゾーンからボール球になるように)
ハート「………」(こくんと頷く)
プリム「出ろよみらい……」
ハート「ふんっ!!」
ミラクル(またインコース……!!)
ークンっ!!
ミラクル(曲がった……!!)
ーキィィィィン!!
球審「ファール!!」
ミラクル(ボール球になるスライダーだったかな。誘い方上手いなぁ。マナも六花も)
ダイヤモンド(上手く誘ったつもりだったけど当ててきた。相変わらず高いバッティングコントロール。一筋縄じゃいかない)
ハート(ん?)
ダイヤモンド(アウトコースにストレートを外す。その後新球種のチェンジアップいくわ)
ハート(アウトコースにストレート……。チェンジアップ投げる気だ。正直、みらいをアウトにするにはそれしかない……!!)
王将《ハート、ミラクルに対してワンボールツーストライクから5球目……投げた!!》
ードゴォォォン!!!
球審「ボール!!」
王将《1球外してボール!ツーボールツーストライク。BWバッテリーは何で決めるのか!?》
ダイヤモンド(いくわよ、マナ!!)
ハート(OK六花!!)
ハート、ゆっくり振りかぶる
ミラクル(何が来る?正直マナの球なら何来ても打て……)
ーシュッ!!
ミラクル「なっ!?」
沙優羽(ちぇ、チェンジアップ!?)
プレシャス(新球種!?)
ダイヤモンド(空振れ……!!)
ミラクル「くっ……!!」(当てに行く)
ーガキィィィン!!
球審「ファール!!」
ミラクル「ふぅ……危なかった……」
沙優羽「よう当てたぞーっ!!」
ダイヤモンド「やるわね、みらい。初めて見た変化球にも対応するなんて」
ミラクル「まさかチェンジアップ投げてくるなんて……。緩急も自在に操れたらそれこそ最強投手になっちゃうね」
ダイヤモンド「光栄に思いなさい。全球種であなたを抑えさせてもらう」
ミラクル「嬉しいね。でも、負けないよ」
ハート(凄いなぁ。今のチェンジアップ当たられるなんて……。三振狙いにいったんだけどな)
王将《やはり粘りますねキュアミラクル。ツーストライクから2球ファールで粘って7球目!!》
ダイヤモンド「…………」
ハート「………」(頷く)
ミラクル(来る……。三振狙って投げてくる……!!)
ハート「たぁぁーっ!!」
ーシュッ!!
ミラクル(真ん中!?抜けてきた!?いや、これはスプリットだ……!!すくい上げてヒットを……)
ースパァァァン!!!
ミラクル「え……?」
球審「ストライク!!バッターアウト!!」
ハート「よっしゃーっ!!」
ダイヤモンド「っ!!」(小さくガッツポーズ)
王将《空振り三振ーっ!!キュアミラクル初三振!!最後はストーンと落とすスプリットで決めました!!》
寿也《あれはスプリットではありません。恐らく新球種のフォークです。スプリットより握力が必要で、マナの時は投げられませんでしたが、プリキュアになった事で握力が上がり投げられるようになったようですね》
王将《フォークですか!?確かに、真ん中付近からワンバンまで落ちましたが……》
寿也《これは厄介ですよ。ただでさえ、完成度の高いキュアハートが、スプリットより落差の大きいフォークと、緩急を付けられるチェンジアップを取得……。彼女から点を取るのはかなり厳しいですね。彼女が出る前に点を取れたPSLはリードできて安心してるんじゃないでしょうか》
ミラクル「まさかフォーク投げてくるなんて……」
沙優羽「マナも進化してるな。こりゃ面白い投げ合いになりそうやな」
シュプリーム「こっちが勝ってるけどね。マナが先発だったらうち負けてたんじゃない?」
沙優羽「いや、何回やっても、誰が先発でもうちが勝つよ。おかみたんには負ける気せん」
シュプリーム「まあ僕がいるからね」
沙優羽「プリムがいなくてもね。さあ、残り2イニングもしっかり抑えてこい!」(プリムのお尻を叩く)
シュプリーム「セクハラとパワハラで訴えるよ?」
沙優羽「ひえええ」
ウグイス嬢《選手の交代をお知らせ致します。8番ソルシエールに代わりまして、ジュリオ。8番、セカンド、ジュリオ》
沙優羽(流れを変えようと必死やな)
ウグイス嬢《8回の裏、BWの攻撃は、8番、セカンド、ジュリオ》
スカイ「残り2イニング!しまっていきましょー!!」
PSL『おおーっ!!』
狼「……………」
ブラペ(反撃の糸口が正直見つからない。流れとかで変わるもんじゃない。マナがいくら良いピッチングしても……)
ハート「さあ、たった5点!逆転するよー!!」
スカーレット「打ってください!!」
フォーチュン「ジュリオー!!」
ブラペ(……ははは。誰1人諦めちゃいないか。この点差でも)
ジュリオ(絶対に打つ!!)
ードゴォォォン!!
球審「ストライーク!!」
ジュリオ「くっ!!」
シュプリーム「ふん」
フィナーレ(ストレートとチェンジアップだけだが初見では打つの難しいか。初打席のジュリオが出れば流れは……)
ードゴォォォン!!
球審「ストライーク!!」
ジュリオ(あ、当たらねぇ……。ノイズのやつよく打てたな)
スカイ(この点差だし何も怖いものはありません。例えヒット打たれても問題はありませんが……プリムが許しませんね)
シュプリーム(僕達を否定してきたんだぞアイツは。潰すだろ全力で)
王将《2球で追い込まれたジュリオ。出塁して流れを掴めるか》
シュプリーム「ふんっ!!」
ジュリオ「うおおおーっ!!」
ードゴォォォン!!!
球審「ストライク!バッターアウト!!」
王将《空振り三振!!これでなんと17個目の三振!!圧倒的ですね》
寿也《スカイもかなりシュプリームの球を捕れるようになりましたね。次のフィナーレにはチェンジアップ以外の変化球投げるかもしれませんね》
ジュリオ「すまない……」
狼「…………」
ハート「どんまいどんまい!さあ、あまね!頼むよー!!」
ウグイス嬢《9番、レフト、キュアフィナーレ》
沙優羽(おかみたん、あからさまに機嫌悪いし、選手達もやりにくいやろうなぁ。まあ狙い通りやけど)
ハート「いっけー!!」
ダイヤモンド(正直、みんな内心無理かもしれないと思ってるだろうけど最後まで戦おうとしてる。なら、私も最後まで戦う!)
ードゴォォォン!!!(空振り)
球審「ストライーク!!」
フィナーレ「くっ!」
狼(勝てるイメージが湧かない。シュプリームをどうやったら攻略できんだよ)
シュプリーム(なんだか向こうのチーム、気持ちがバラバラだね。やっぱり僕達のチームが負けるわけないな)
スカイ(カットボールいきましょう。アウトローに)
フィナーレ(出塁だ。なんとしても出塁するんだ)
シュプリーム「ふんっ!!」
フィナーレ「くっ!!」
ードゴォォォン!!(空振り)
球審「ストライーク!!」
フィナーレ(あ、当たらん……)
沙優羽(このまま完投させても問題ないな。試合終盤でも安定感抜群やし)
〜ブルペン〜
ロゼッタ「わたくし達の出番はなさそうですわね」
マジェスティ「えー。投げたかったな〜。プリム打たれちゃえ!」
ロゼッタ「それはどうかと思いますわ……」
ードゴォォォン!!!
王将《空振り三振ーっ!!最後はインハイに170キロのストレート!!前の回から三者連続三振!!これで18個目の奪三振です!!20奪三振まで残り2個となりました!!》
フィナーレ(く……!何か策はないのか。プリムを打ち崩せる策は……)
ファントム「下を向くな。マナ達は諦めていない。俺も諦めんぞ」
フィナーレ「そうだな……。私も最後まで戦おう」
ウグイス嬢《1番、ショート、ファントム》
シュプリーム(ソラ、かなり変化球捕れるようになってきたな)
スカイ(さあ、気持ちよくこのイニングも終えて危なげなく最終回を迎えましょう)
ファントム(負けないぞ、シュプリーム!!)
シュプリーム「いいね。その真剣な目。どうせ負けるのにさ……!!」
ードゴォォォン!!!
球審「ストライーク!!」
ファントム「ぐ……」
ハート「ねぇ狼さん!」
狼「あ?何?」
ソルシエール(おお。マナのやつ凄いな。話しかけた)
ハート「諦めてないよね?」
狼「……正直諦めてるよ。打開策もないし突破口を見つけられる気しない。監督として一応諦めないつもりではいるけど、どう考えても無理だろ。この回に点差が縮んだらやる気出るけど」
ハート「諦めちゃダメだよ狼さん。まだみんな諦めてないし最後まで戦おうとしてる。狼さんも諦めずに……」
狼「何?諦めなかったら勝てると思ってんの?精神論じゃどうにもならんだろ。無謀だったんだよ最初から。シュプリームが強い事をアピールしたいだけの試合だよ、これは。
さっきシュプリームに言われたんだよ。『お前はエースと4番に全てを背負わせようとしすぎ』ってな。お山の大将で調子乗ってるのか、自己欲求で4番エースやりたいって言ったような奴に言われたくねぇよ。誰も背負わせようとしてねぇだろうが。なぁ?」
ハート「そうだね。私はエースでキャプテンとして集中できてるし、狼さんも監督として4番として頑張ってくれてた。何も問題ないよ。シュプリームに言われたことなんて気にしなくていい」
狼「でも実際負けてるし、4番エースにやられてるようなもんだろ。てか、重圧全部背負わせてるのはゆうまの方だろ」
ブラペ「それは違うよ狼さん」
狼「あ?」
ブラペ「沙優羽さんはそんな人じゃない。沙優羽さんは選手のモチベーションを大事にしてるんだ。それぞれがベストな活躍をできる打順を考えてる。重圧を感じる人と力に変えることができる人がいる。それを沙優羽さんは見極めているんだ。だからシュプリームをエースで4番にしてる。4番が打てなくても5番のゆいがいる。だから4番でエースだけど全てを背負わせてるわけじゃない」
狼「俺があのチームの人間だったら恥ずかしいね。9人もいるのに4番もエースも1人がやるなんてよ」
ハート「恥ずかしい……。そうかな?」
王将《ファントム、1球粘るもワンボールツーストライクと追い込まれています。おっと?BWのベンチ声がありませんね。揉めてるように見えます》
寿也《何かあったのでしょうか?》
ハート「実力がある人がエースも4番も務めるなら問題ないと思う。本人がやりたくないのにやらせるのはダメだと思うけど。ソラ達も勝つ為に納得してると思うし……。
それに、プリム自体は僕1人で勝ってやるって感じじゃないでしょ?あくまでチームのみんなで勝とうとしてる。なのに、狼さんにお前1人で勝とうとしてると思われたのが気に入らなかったんじゃないかな?」
狼「いやいや、実際1人で勝とうとしてたし。仲間の大切さも分からん奴に負けるとかありえないんだが」
ハート「それは仲間を信用してたのに点を取ってくれなかったからだと思う。それに狼さんの挑発があって我を忘れただけじゃないかな?でないと、狼さんにあんな怒らないと思う」
狼「はぁ〜。だとしても、エースを4番にする必要はないだろ」
ハート「いや、まあ、その必要はないよ。ただ、否定するのは違うんじゃないかな?高校球児で4番エースの子もいるだろうし、プリムもそれに誇りを持ってる。それを4番エースはないって言うのは違うと思う」
狼「いや、4番エースはしたらいいよ?ただ、俺は気に入らないし恥ずかしいなって思うってわけよ。分かる?」
ハート「…………」
ブラペ「…………」
ダイヤモンド(チームの雰囲気は最悪。試合の流れも最悪。マナが出て少し明るくなったけどそれでもまだまだ暗い。この空気を打破するにはどうする?
………1つだけ方法がある。でもこれは、狼の意思に反するし、あまねを裏切りかねない案だ。でも、正直これしかない。シュプリームと勝負して抑える。これしか方法はない)
狼「4番でエースとか正直もうどうでもいいし、何もかもどうでもいい。この試合もな。シュプリーム強い強いでいいだろ。何しても何も変わらんだろ。次の回もシュプリーム敬遠しても煽りはしない。意味ないし」
ダイヤモンド「狼!!」
狼「なんだよ」
ーキィィィン!!
スカイ「サード!!」
スター「よいしょ」(捕球して1塁へ送球)
一塁審「アウト!!」
ファントム「くそ……!」
王将《スリーアウトチェンジです!この回もBWは無得点!5点差のまま最終回に入ります。この回のPSLの攻撃はシュプリームから。BWはどう対応するのか》
ダイヤモンド「1つ無茶なお願いがあるんだけどいい?」
狼「なんだ?まさかシュプリームと勝負するなんて言うんじゃないだろうな?」
ダイヤモンド「そのまさかよ」
to be continued
〜あとがき〜
どーも沙優羽です!
5点差で、いよいよ最終回に突入します。
空気最悪の状況で、六花は思い切った作戦を思いつきます。果たして狼の判断は!?
てか、おかみたん!
監督がそんな態度と振る舞いでいいのか!?
選手から信用されないと監督は勤まらんぞ!?
まさかの職務放棄!?
シュプリームに投打でやられて文句垂れまくってますが子供じゃないんだから拗ねちゃダメだぞ!?
ただの小説なんだから気楽に見てくれ!勝たなきゃ文句言うとか辞めて!恥ずかしい!!
話を聞かない感じも頑張って再現しました(((
ちなみに、先に『エースで4番は気に入らない』って言ったのはおかみたんで、俺の考えやエースで4番として頑張ってる子を否定してきたのはあっちですからそこ勘違いしないでね←
エースで4番に並々ならぬ拘りがあるからその2つを1人に背負わせるのは反対って事。それは分かる。
でも、勝てるならエースで4番でも良いって考えも持っていいんじゃないのか?自分の都合で頭ごなしに選手のやりたいことを否定するのは違うんじゃないかって思うけどね。そこは監督の腕の見せ所でしょ。
あとね、自己欲求とかお山の大将とかシュプリームに対して誹謗中傷として捉えられてもおかしくない文句を言ってますが、相手選手に対してのリスペクトが全く足りてない。あとまだ監督として足りたいものあるけど、それは次回で書きます笑
次回はハート対シュプリームを見れるかもしれません!
お楽しみに!!
ではアデュー☆