阿Qだよ!
今日は飼い主が書くよ。
飼い主の一条さゆりです。今日は、浅草に行ってきた。膝の調子がまだまだ行商に行けるコンディションではないけれど、何もしないのもなんなので、不足していた「しごき」に使う布の買い出しに…。いつもの店で、いろいろ世間話したりして、仲見世をぶらりと歩いて、たまーに行くタバコの吸える喫茶店でランチ。お腹がいっぱいになって、駅に向かう途中、ふと、
「ああ、そうかあ。もうこの街でばったり社長に出くわすことは無いんだなあ…」
想い、ちょっとだけしんみりした。社長というのは、もちろん、浅草ロック座の会長・斉藤恒久さんのこと。私が現役時代、社長さんだったし、ロック座の関係者さんもそれでわかってくれるので、ずっと社長と呼び続けていた。私は、そんなに浅草に頻繁に行かないのに、大衆演劇を見た帰りに浮かれて歩いていたりすると、そんな時に限って道で社長と出くわし、
「なんだ?お前、何してんの?」
と聞かれてばつの悪い思いをしたことが何度かあった。これからは、私がどんなに浮かれていようと、酔っ払って歩いていようと、「なんだ?」と言ってくれる人はいない。
浅草の後は、京急に乗って、下駄屋さんへ。私は、10年以上前に無くしてしまった後歯の下駄がどうしても欲しくて、ずっと探していたのだけど見つからなかった。どこの下駄屋さんに行っても、「今はもう作っていない」と教えられた。それが、ネットで見つけたお店に、なんとなーくの勘で問い合わせしてみたら、なんと、一足だけ倉庫に眠っているという返事がきた。それで、現物を見に出かけた。
後歯の下駄というのは、前がのめりになっていて、後ろが歯になっているもの。千両下駄と似ているが、後ろの歯がもっと細い。昔の芸者さんが穿いていたものだ。お店に行って見せてもらった下駄は、やっぱりすごく粋だった。白木だったので、黒に塗ってもらうようお願いし、下駄と草履の生き字引のような店主さんに鼻緒を選んでも貰って、完璧な芸者下駄が出来上がる予定。一か月かかるそうだけど、すごく楽しみ!!
この後歯の下駄、おそらく新品で手に入るのは、私が買った一足で多分最後だそうだ。後は、誰かが持っているものを譲ってもらうしか手に入る術は無いそうだ。履きこなすのは難しいけど、私の最後のショーは、絶対この下駄を使おうと、硬く決心した。
この写真は、千両下駄。後歯の写真はかなり探したけど、無かったので、一応これを載せた。
ついでに、芸者ではないけど、懐かしい写真も。



