子供が登園を嫌がって泣く。

 

まぁよくある光景です。

 

分離不安。

親との信頼関係ができていて、これから行く場がいつもと違う場だと認識もできているということ。

 

成長の証。

微笑ましいこと。

 

 

でも、私にとってはちょっと違う視点もあるのです。

 

 

私自身の記憶として、保育園に閉塞感を感じている感覚?映像?があるんです。

小さい頃の記憶かな?もちろん楽しい記憶もあるんだけれど、

なんとなーく、鍵のかかったドアの前にたたずんで、

閉じ込められてしまった感覚があったり、

早く帰りたいと思っていた記憶があったり。

 

それ自体は、まぁ、そういう記憶もある。ってだけ。

 

 

でね、

自分の親に我が子が登園を泣いて嫌がっていると話すと、

 

「あなたもかなり泣いて嫌がってた。通うのが本当に大変だった。

しがみつく指を一本一本剥がして先生に渡してね〜。

お母さんも苦労した。

それでもこうやってちゃんと育つんだから、心配いらないよ。」

 

的なことを両親そろって言ってきます。

 

親の意図としては、

・親子だから似ている面がある

・この子が特別大変な子ってわけじゃない

・いずれ終わりが来ること

・長い目で見たら笑い話

・成長の過程。心配いらない。

・あなたが証拠だ

 

と、安心させたいのだということは十分伝わってきます。

 

親は、私のことを立派に育ったと思ってくれていて、それはとてもありがたいこと。

今のこの状態の私を、ありのまま肯定してくれているということ。

 

でもね。

私にとって「あなたも同じだった。でもちゃんと育ったでしょ」は安心材料どころか不安要素でしかないんです。

 

私自身の感覚としては、

人生かなり苦労して、ようやくこの安定した生き方を手に入れたんです。

 

過去を消したいとは思わないし、

全ての経験が今につながっていて、かけがえのない宝物だと思っています。

どれもこれも、私を構成するために必要な出来事だったと思っています。

 

 

だけど、できれば、他の人にはこんな苦労をさせたくないなぁって思う。

だからカウンセラーとして、苦しい状態の人に寄り添いたい。

 

かなり遠回りをして、同世代が体験しないような葛藤を先取りしてきたから、

大事な大事な我が子ならなおさら、

できれば私と同じようなつらい思いはさせたくないなぁって思う。

 

 

だから、泣いて嫌がる我が子を見て、

「あなたと同じ。でもちゃんと育つよ」と言われると

 

「私、”ちゃんと育った”と一括りにするには波乱万丈すぎたんですけど・・・」

「これをほっといたら、あーなるかもしれないってことですか?」

と、驚異のセンサーがバシバシ反応しちゃうんです。

 

 

そんな状態で登園して、嫌がって泣く姿を見る。

しかも分離不安だけじゃなく、個別具体的な不快体験をしたことを知っていて、

「場所が怖い、人が怖い」と言っている。

 

もうね、嫌だと言われたら連れて帰る以外に選択肢がない状態です。


 

泣いてるのを無理やり登園させたら、私みたいになるんじゃないか。

泣き止んで登園できても、親に気を使って心を押し殺して、私みたいになるんじゃないか。



 

本人が楽しそうに登園してくれる以外に、私の恐怖感を抑える方法がない状態になっていました。

 

 

 

なんと恐ろしいことでしょう。

 

最初にこのロジックに気付いた時、子供に申し訳なくて泣きました。

 

この子の気持ちを大事にしたいと思いながら、

「あなたが笑顔で登園してくれたら、私も家族もハッピーになれる」

というメッセージを送っているのと同じだ。って。



そんな過剰な期待を、こんな小さな子にかけていいんだろうか。って。

(いや、良くない。(反語)w)

 

あなた次第で家族の幸せが決まりますなんて、プレッシャーでしかない。

ある意味脅迫です。

 

 

行けない状態が長引くと、

今日は行けるか?明日は行けるか?不安がどんどん膨らみました。

同時に、行けないイメージもどんどん膨らみました。

無理やりでも置いてくる(=この子が私のようになることを甘んじて受け入れる)以外に解決策がない状態にどんどん追い込まれていきました。

 

 

行きたくない我が子は、朝起きて必ず「今日どこ行くの?」と聞いてきました。

「幼稚園だよ」と言っても「どこかなぁ、どこだと思う?」とはぐらかしても

不機嫌になるのが定型化していたので、

「暴れる理由を作るためにわざと聞いてきている」ように感じていました。

 

「今日どこ行くの?」と子供が言い出すことが毎朝恐怖で、

戦々恐々とした雰囲気。

やっぱり言ったーーーーー!と、スイッチが入って、

怖い&怒りを我慢して、ピリピリしながら用意をする。

 

余裕があって我慢できる日は「今日どこ行くの?」発言もスルーして

連れて行くところまで平然と頑張れる日もあったんだけれど、

 

半分くらいは「いいから早くして!」「なんでそんなことするの・・・・」とピリピリイライラ爆発寸前。

家を出るまで精神が持たなくて、行きたくないと逃げまわる子にキレそうに。

そんな私の態度が夫にとってはスイッチなので、

私がイライラしていると夫もつられてイライラ・・・・。

キレかけてる夫を見てはっと我に返って、

「こんな思いをしてまで、こんなイライラしてまで、連れてかなきゃ行けない場所じゃないよ・・・・(泣)」

と、連れて行くのを諦める日々でした。

 

 

私と子供は全く違う個体で、性格も能力も違う。

友達や先生も全く違う。

だから、同じ状況でも同じ結果には絶対ならない。

 

普段ならわかっていることなのに、

「あなたもそうだった。でもちゃんと育つから心配いらない」と言われると、

 

私が経験してきた山も谷も軽く見られているかのような気持ちになって、

今起こっている不安や恐怖も軽く流されているかのような気持ちになって、

 

この子を見捨てることは

過去の自分をつらい未来に突き落とすことと同じように感じていました。



目の前の子が、過去の自分に見えてたんだろうな。

自分の手でこの人生をもう一度始めようとしているような、

ここで止めれば再演せずに済むような、

同じ人生を繰り返すか否かの分かれ道に立っているような、そんな感覚でした。

 

 

登園時間は私にとって、とてつもなく恐ろしい時間で、

園の可愛い子たち、優しい先生たちに囲まれながらも、

一人で孤独に恐怖体験してました。

 

 


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