静かに燃える

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さゆりの恋愛メモ

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新しい彼女も紹介しますんで。

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まだ寒い日が続く3月の初め。
航平さんが大学の仲良いグループでご飯に行こう、とLINEで人を募った。

その日ひまだった私は、もちろん参加すると答え、
あと2人ほど集まったので、4人でご飯に行くことになった。

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じゃ、8時に渋谷で
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了解!
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待ち合わせの時間や、くだらないことで、珍しくLINEの通知が頻繁に鳴る。

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結局来るの4人?
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だね
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少ないw
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あー8時微妙、、、
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来れたらおいでー
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新しい彼女も紹介しますんで。
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新しい、彼女、、、?

航平さんのアイコンだ。


彼女、もうできたんだ。


それを見た瞬間、行くと言ったことを後悔した自分がいた。

彼女。

そうだよね、航平さん、モテるし。
間あいたことないっていってたし。


そう思いながら、体がだんだん重くなっていく。
もやもやしたものが、お腹にたまってくるように感じた。


時計を見ると、2時を指していた。

時間はまだまだある。


何かしていないと落ち着かなく、私はふと思い立って家を出た。

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「髪、バッサリ切ったな」

航平さんは会って二言目はそれだった。

「あ、うん。気分転換に」

航平さんのほうから目線を外して、そう返した。
、、、まさか、彼女が出来た発言で髪を切りに行ったとは言えない。
髪を切ったことを気づいてもらえて、なんだか複雑な気持ちだ。


「あれ、ひとり?」

「まだあいつら来ないよ」


、、、そうじゃなくて、、、

(彼女は、、、?)

そう言いたかったのに、うまく口に出来なかった。


「先にどっか入る?」

そう言うと、航平さんは歩き出した。


お店に入って数分で、あとの2人が合流。
久しぶりー、とか、今何してんの?とかそんな会話が始まる。


「航平、新しい彼女、早く紹介してよ」


頼んだ料理が出揃ってやっと、その話題がはじまった。

「ちょっとまって、今呼ぶから」

航平さんはカバンの中を漁る。
カバンから取り出したのはゲーム機だった。


「はい、新しい彼女のゆいちゃん、17歳」


、、、、、、はあ?


「ゲーム、、、?」

「だと思ったw」

「これ、すげーんだよ、最近のゲームは顔認識とかすんの」


ちょっとまって。

「騙された!」

私は大きな声でそう言った。

朝からあんなにもやもやして、髪まで切ったんですけど!


「そろそろバラさないとな!」

そう言って、ケータイでゲーム機の写真を撮り始める。


LINEの通知が届いた。


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彼女来たんで写真おくりまーす
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www
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だと思った
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なんだよw
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ここに来てないメンバーにネタばらし。


「で、本物の彼女は?」

「できてません」

「こんなゲームやるくらいだもんねw」

「もうさ、社会人って出会いなくね?好きな人もできないんだけど」


結局、航平さんに新しい彼女は出来ていなかった。

そして、新しく好きな人も出来てない、と。


私は安堵した、と同時に、
航平さんのことを本気で好きなんだと、今回の件で自覚するしかなかった。


そして、この件をきっかけに、この恋を頑張ると決意したのである。


夢子への報告は、この日のすぐあとにしたのだった。