ちょっとここでくそまじめな政治・法律の話をします。
緊急事態条項とは、憲法学では「国家緊急権」と呼ばれます。
国家緊急権の内容は、
・人権保障の停止、あるいは人権の広範な制限
・権力分立の停止(執行権(行政権)への権力集中)
が可能となります。
これを語るうえで欠かせないものがドイツです。
ワイマール憲法では緊急事態に際しは大統領に緊急措置を容認していました。
ヒトラーは政権を取ったのち、ヒンデンブルク大統領に「国家と民族の危機を回避する法・(全権委任法)」の制定を相談します。 これはヒトラーに国会の承認も大統領の署名も必要無しに憲法を除くすべての法律制定・条約締結の権限を与える内容であり。賛成441票、反対94票で可決されます。ヒンデンブルクはこれに異議なく署名しました。ヒンデンブルクもウンザリしていた国会運営と不安定内閣が これにより取り除かれると考えていたようです。
全権委任法の内容は
第一条、立法権を国会に代わって政府(ヒトラー内閣)に与える。
第二条、政府立法が憲法に優越し得る。
第三条、大統領にかわって首相(アドルフ・ヒトラー)が法令認証権を得る。
第四条、外国との条約を成立させる際、議会の承認が必要ではない。
まさしくナチス独裁の法律です。
第五条では一応時限立法とされていますが、結果的に延長され、延長後この法律は1943年に失効しますが、1942年4月以後ドイツの降伏まで国会は開かれなかったため、事実上ナチスの独裁が続きました。
この反省を踏まえて 現在のドイツの緊急事態法制は独裁を阻止する様々な措置が取られています。
国内の反乱や災害等の内部的緊急事態と外国からの侵略等の外部的緊急事態に分け
さらに外部的緊急事態については、緊急事態の程度に応じて 「同盟事態」「同意事態」「緊迫事態」「防衛事態」に分けています。
そして対処する方法を段階的に定めています。
一番緊迫度の高いのは「防衛事態」ですが、
防衛事態の確認は原則として連邦議会(日本で言う衆議院)が連邦参議院(日本で言う参議院)の同意を得て行います。
緊急を要し連邦議会の集会や議決が不能の場合には、
非常時において連邦議会及び連邦参議院の機能を代替するために常設され
両院の議員で構成される合同委員会に法律を制定するその権限が与えられており、
そして合同委員会は、
3分の2(32人)が連邦議会議員、3分の1(16人)が連邦参議院議員から構成されています。
つまり、連邦大統領の独走に歯止めをかけるために、
ドイツの場合は両院議員による合同委員会が設けられているわけです。
またたとえ防衛事態においても司法権の独立は保証される、ボン基本法の改正は認められていない。
労働争議に対し干渉できないなど、独裁や強権政治が取られない措置がされています。
さて、今 新型コロナウィルスに関して緊急事態宣言が出るという話が出ていますが
それまでの間は 緊急事態宣言もしくは緊急事態条項と言うのは自民党憲法改正草案98条 99条を指すのが一般的でした。
自民党憲法改正草案 緊急事態宣言について
第九十八条
内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、
内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な
自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に
必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、
閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。
2
緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、
事前又は事後に国会の承認を得なければならない。
3
内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決が
あったとき、国会が緊急事態の宣言を解除すべき旨を議決
したとき、又は事態の推移により当該宣言を継続する必要
がないと認めるときは、法律の定めるところにより、閣議
にかけて、当該宣言を速やかに解除しなければならない。
また、百日を超えて緊急事態の宣言を
継続しようとするときは、百日を超えるごとに、
事前に国会の承認を得なければならない。
4
第二項及び前項後段の国会の承認については、
第六十条第二項の規定を準用する。
この場合において、同項中「三十日以内」とあるのは、
「五日以内」と読み替えるものとする。
第九十九条
緊急事態の宣言が発せられたときは、
法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の
効力を有する政令を制定することができるほか、
内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、
地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。
2
前項の政令の制定及び処分については、
法律の定めるところにより、
事後に国会の承認を得なければならない。
3
緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の
定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の
生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発
せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。
この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、
第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、
最大限に尊重されなければならない。
4
緊急事態の宣言が発せられた場合においては、
法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、
衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及び
その選挙期日の特例を設けることができる。
現在のドイツに比べて、劣悪なもので むしろナチスの全権委任法に近いものです。
①緊急事態の程度がわけられていない。
②「何人も従わなければならない」ということで司法権の独立が侵害されている
③国会の決議を必要としない。承認だけでよい。
④現在の法律は特別法を除けば 新法>旧法、法律>政令 となっているが 政令が法律と同等に格上げされることにより
国会審議なく成立した政令が従来の法律を全て否定、無効化できてしまう。
⑤延長を繰り返すことにより衆議院の解散を止め国民審判を不可能にさせてしまう。
そして 日本の政治家には 憲法から 国民主権 基本的人権 平和主義を なくそうとする政治勢力があるわけです。
(動画は 2012年の 創生「日本」の研修会のもの)
全体主義とか権威主義ってのがどんなにやばいものかわかりますね。
そして 現在のドイツは ナチス時代の反省を踏まえて 緊急事態宣言をしても独裁者が暴走するようなことがないように様々な工夫をしていますが、自民党憲法改正草案の緊急事態宣言はむしろナチスの体制を目指していると言えるものです。人権のない監視社会ですね。
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さて、今の日本には 新型コロナウィルス感染拡大を目指す極悪非道な政治団体があります。
「新型コロナウィルスは風邪と同じ」
「新型コロナウィルスを拡散するのは愛情」
「志村けんは寿命と不摂生で死んだのであり新型コロナウィルスで死んだのではない」
「高齢者が新型コロナウィルスで死ぬのは当たり前」
「新型コロナウィルスが拡散されて問題ない。免疫力のない人間が死んで当然だから、騒ぐな自粛するな」
「僕を批判する人間は、ゴミ、クズ」
このような異常な言動をする人間が、国民主権党代表、平塚正幸(さゆふらっとまうんど)です。
新型コロナウィルス感染者を馬鹿にする動画をたびたび出しています。
「新型コロナウィルスの危険性が風邪と同じなのに危険を煽って大衆を分断しようとしている」
そんなことを言う前に 医学的な見地から 証明してみなさいよ。
誰一人同調しないじゃん。
この人物は2019年夏 参議院選挙で
千葉県選挙区からNHKから国民を守る党(N国党)の公認候補として立候補。
NHKで放送された政権放送で異常な言動で話題になった人物です。
後にN国党関係者の誹謗中傷を繰り返して党を離脱して
現在は国民主権党という政治団体を立ちあげています。
また Amazonほしいものリストで物乞いをしていることでも有名です。
さて、この人物は 新型コロナウィルスの騒ぎが起こるまで
一度も 緊急事態宣言について言及したことがありません。
平塚正幸のブログで「自民党憲法改正草案」で検索しても「緊急事態条項」とか「緊急事態宣言」と言う言葉は一言もなく、天皇制に対する憎悪を露にする記述ばかりです。
(そういえば 平塚正幸は以前 リチャード・コシミズ氏との電話で
皇太后さま(電話の当時は皇后)が 赤十字の役員をしており暴利を貪っているとか
皇室が世界征服を目指す黒幕のように何の根拠も証拠もなくみそくそに罵っていましたね)
要するに 平塚正幸が自民党憲法改正草案を見る目は
皇室が悪の権化で、独裁を目指すもの と言う見当違いのものであり
緊急事態宣言など何の関心もなかったことを示しています。
こいつが くだらない陰謀論の動画を出していますね。
勿論 特措法は問題ありますよ
最大の問題は適用条件が 法文上明記されていないことです。
しかし、自民党憲法改正草案の緊急事態宣言と 特措法の緊急事態宣言は違うものです。
特措法はあくまで危険な感染症など緊急事態宣言の発令は限られた場合であり
司法権の独立が侵害されたり、衆議院が解散されずに内閣独裁なんてこともありません。
今まで自民党憲法改正草案の緊急事態宣言を一度も問題提起できなかった平塚正幸が
特措法の緊急事態宣言を挙げて 人権のない監視社会を目指していると主張しても
出鱈目陰謀論を正当化するための、出鱈目の主張に過ぎません。
「新型コロナウィルスが風邪と同じ危険でないものを危険だと煽って緊急事態宣言をして監視社会にする?」
「日本政府が緊急事態宣言をするために世界中の政府も国連もWHOもマスコミも全部グル?」
↑こんな陰謀論は平塚正幸と国民主権党と言う知的水準の劣った集団だけに通用する妄想です。
平塚正幸ってただの明大法学部中退で定職につかず古物商免許もないままヤフオクで転売ヤーをしていた疑惑のある人物で医学知識も何もないじゃん。笑うしかないよ。
↓こちらは 平塚正幸の動画のレビュー(5本分)ですがこの動画の3:30以降から平塚正幸の恐ろしい思考がわかります。
平塚正幸の主張・・・ みんなで新型コロナウィルスに感染してみたらいい。重症化したらしょうがない。 体の弱い人が死んだらそれでいい。
→だったら風邪と同じなわけないじゃん。風邪に対してそんな認識を持っている人はほとんどいませんよ。
平塚正幸の主張・・・死んじゃう可能性があるならその人たちは細く長く生きるのではなく太く短く生きるようになる。
→平塚正幸の生き方を人に押し付けるな。
これを聞いて思ったのが、平塚正幸は人間を動物実験で使うモルモットと同じようにしか思っていないということ。
特措法の緊急事態宣言などより 平塚正幸の人の命をもてあそぶ思想の方が何万倍も
日本国民にとって有害でしょう。
平塚正幸&国民主権党のやろうとしていることは新型コロナウィルス拡散による
日本国民の大量殺害です。
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このブログを始めたきっかけについて
(さゆふらっとまうんど)が立ち上げた
国民主権党はどんな政党か多くの人に知ってもらうブログです。
2017年ネットによる殺人予告を警察に110番したところ
紆余曲折を経て自作自演であると判明しました
【↓自作自演殺人予告告発ブログ↓】
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