育児をしていると、色々な場面でモヤモヤすることがたくさん出てきて、自身の人間力の低さや、物事を俯瞰して見ることが出来ない自分のダメさに落ち込むことがあります。
そんな時、ほら…友達がいればさ…相談とか出来るんだけどさ…私、誰もいないので…大好きなマツコ・デラックスさんの人生相談本を手に取ることにしました。
マツコさんの言葉は、他者への配慮はもちろん、人生経験に裏打ちされていて、「絶対私は今世では、こんなに優しくて愛のある…深~い言葉を語ることが出来ない…」と思うほど重みがあります。
今回感想を書きたい『幸福幻想 うさぎとマツコの人生相談』(毎日新聞出版)は、中村うさぎさんとお2人で、色んな方のお悩み相談に、真剣に答えた一冊です。
毎日、子供たちが寝てから午前3時頃に、一人泣きながらチビチビと読んでいました…。
「整形しても可愛くなれない」「毎晩0時にキャベツを食べてしまう」「複数の男性との交際はなぜいけない?」「娘の不倫をやめさせたい」「子ナシ夫婦や独身者に嫉妬してしまう」
ーーなどなど、人の様々な欲望や恋愛、家族やコミュニケーションのお悩みが登場する本書。
それらをマツコさんや中村うさぎさんが、ニュートラルに受け止めつつ、「こうやって解決すべき!」と、はっきりとした提示はせず、「こう考えてみたらどうかしら?」と、お二人の人生経験から根拠を示しながら、しっかりと相談者さんに向き合っているところがとても印象的な一冊でした。
例えば、「分不相応な買い物をしてしまう」という31歳の方のお悩みには、33歳で買い物依存症になったうさぎさんが、
「なおそうったってなおるものじゃないから共存するしかない」と答えてて、マツコさんも「欲望はおさまる時は来るかもね。満足するわけではなくて、決して満たされないということがわかる時が」
ーーとお答えになっていたのが心に残りました。
その人なりの「収まりどころ」というのがだんだんわかって来るから、無理になおそうとしなくていい、ダイエットと同じで反動が来るから…という結論だったと思うのですが、何かもうすごいなと尊敬しました。
私だったら絶対「今すぐやめるべき」「依存性を見てくれる病院へ…!」と答えてたなと:( ;´꒳`;)
どのお悩みにも基本的に「みんな好きにしたらいいと思うわ 自己責任でね」というスタンスで答えられていて、その上で、私たちが「常識」だと信じているものを「本当はそうじゃないかもしれないよ」と色んな可能性に言及しつつ、少しでも楽に生きられる方向を提示しておられるのです。
母の呪縛に悩む相談者さんには、「親子関係は美しくあって当然」ということは思い込みだと諭し、「極論だけど、一人前になった子と親は、もう一生会わなくていいのよ」と言ってあげている。
また、マツコさんはまえがきで、
「最近の「幸せにならなきゃいけない」みたいな風潮が、いろんなことを面倒くさくさせているんじゃないかしら? 生きることは幸せになることではないんだから、「ちゃんとしなきゃ」なんて思わなくていいの。人生なんて、目の前のことを日々着実にやって、人様にご迷惑をかけないようにするだけで充分なのよ」(一部抜粋)
と言っておられて、何かもう…私はもう…37歳だというのに目からウロコでして、「幸せにならなきゃ」「自己肯定感を上げなきゃ」「少しでも人様に認められる結果を」と未だに根深い思い込みを抱えて生きていたので、肩の荷が少し下りた気がしました。
「幸せをあきらめる」わけではなく、しんどい世の中をサバイブする、自分なりの「ちょうどいい」を見つけながら人生を歩いていきたいと思いました。
世の中には色んな人がいて、私の「正義」は私だけの正義でしかない。他の人にとっては、それは「悪」かもしれない。
だから少しずつ譲り合ったり距離を取ったり、分かり合えないけど「分かろう」と努力することを忘れてはいけなかったり…。
私はたぶん一生、弱音と不平不満を吐いていると思うのですが:( ;´꒳`;) それでも出来る範囲で頑張って生きよう、そのためには少しでも勉強しようと感じた人生相談本でした。
めっちゃオススメです‼️
さゆ