となりの怪物くん(10) (KC デザート)/ろびこ
¥440
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今まで、どこか「よく分からない」感のあった優山の、過去と背景が明かされた巻でしたね。


春の気持ちも分かる。

でもそれ以上に、優山の方が、自分自身の感覚と近いところにあるような気がして、

感情移入しやすかった。

そりゃあ、したくなくても嫉妬してしまうでしょうよ。


嫉妬されて、それを一方的にぶつけられてしまった春も可哀想なんですがね…



優山と雫が、欲しくて欲しくて堪らなくて、でもどんなに努力しても決して手に入らないもの。

それを、春は、望んだわけでも必要としたわけでもないのに、

優山と雫のそばをすり抜けて、いとも容易く手にしている。

手にしているのに、だからこそ色んな可能性もある筈なのに、春はそれを「いらない」と言う。

「いらない」と言ったそれを、優山と雫がどれほど欲しがっているか、知らずに。


春にとってはまったく価値のないものでも、優山と雫にとっては大きな価値と意味を持つもので。


この辺のすれ違いが、何か…もう、本当に切なすぎる。



幼い頃は、優山も春も本当に仲が良くて、お互いを大切にし合っていた。

優山は、面倒見の良い優しいお兄ちゃん、って感じだったし、

春もそんなお兄ちゃんが大好きで。


幼い春が望んだのは、何より、優山が笑っていてくれること。


でも、春は、自分が全く望まないもののために、本当に欲しかったものを失ってしまった訳で。



優山は、本当に弟を大切にしていたけれど、

どうしたって両親に愛されたかったし、認めてもらいたかった。

特にまだ小さい子どもだったのだから、そう思う気持ちがあって当然だと思う。

だからこそ、頑張って頑張って、きっと「良い子」にもしていて。

なのに、親の関心が向くのは、春の方。

「何で春ばっかり」「ずるい」

そんな感情を抱いてしまうのが自然…な気がするんです。


それを一方的に春にぶつけていいわけないんだけど、責められない、とも思ってしまって。


春のせいでも、優山のせいでもなくて…


ああいう環境のせいだったんじゃないのか。

幼い兄弟の周りにいたおとなのせいなんじゃないのか。


いっそのこと、親元に戻らないで、トネさんのところで仲良く暮らしてたほうが、

幼い兄弟にとっては幸せだったんだろうな、とか思ったり。



「わかりあう」って難しいなー。



でも、春は今でも心の底では優山のこと好きなんだろうな、と思ったりもしてる。



いつか、吉田兄弟がもとどおり仲の良い兄弟に戻ってくれるといいなぁ。






最後に、

ササヤンくん超がんばれ!

ササヤンくんのほうもこれから色々展開ありそうで楽しみ。




支離滅裂で訳分からん文章になった…(汗)