ﾃﾞｰﾄ

息子の病気が分かる１週間前、
二人で買い物に行きました。

大きなｼｮｯﾋﾟﾝｸﾞｾﾝﾀｰ。

高校３年生ですから、
何かしら理由がないと
２人で買い物に行くなんて
あまりなかったのですが、

その日は
息子の枕を買いに行きました。

この数日、首が痛い。

整形外科に行って、
痛み止めを出してもらって、
貼ると痛みは収まるが、
貼らないとまた痛くなる。

二人で
枕が合ってないのかなぁ？と
買いに行ったのです。

それが、ﾘﾝﾊﾟの腫れの
痛みだったなんて
全く考えもつきませんでした。

久しぶりに
２人であれこれ言いながら、
買った枕。

息子はとっても喜んでましたが、
痛みがなくなることはなく、

数日後には、
入院してしまい、

あんなに真剣に
吟味して買った枕を、

もう
使えませんでした。



息子が入院中の買い物も、
あのｼｮｯﾋﾟﾝｸﾞｾﾝﾀｰで
歯を食い縛りながら
してましたし、

息子の姿を
見失ってしまってからも、
泣きながら
買い物しました。


辛かったです。

だけど、
あの場所は
私にとって
息子との想い出のﾃﾞｰﾄの
場所でもあったので、

何度も泣きながら行くうちに、
いつしか

息子の面影を感じることのできる
幸せな場所と
感じることが
できるようになりました。


あの日のﾃﾞｰﾄは
幸せいっぱいでしたから。


息子に関係する
全てのものに
幸せを感じられるように、
涙でなく笑顔を
見せられるように、

今日も涙を流して
息子に大好きだよと
伝えます。




👩「ちょっとﾏﾏには高いのよね」

👦「いや。僕の枕だから」