SVT商事 | say the name!

say the name!

ただただ愛でたい

近代的な高層ビルがひしめくように建つ傍ら、

朝鮮王朝時代の遺産が今も残り、

過去と未来が交錯する町と呼ばれる三成洞。

 

その一角にあるSVT商事は、

韓国で3本の指に入る売上高を誇る総合商社。

 

取り扱っている品物は、

「カップラーメンからロケットまで」と言われ、

時には国家プロジェクトに参加するなど多岐に及ぶ。

 

 

 

 

【海外事業部】

ホンジス(26)

花形部署の花形エース。

帰国子女で英語が堪能な上、柔軟な思考、冷静な分析力、徹底した自己管理を兼ね備える。

加えて性格が温厚で礼節がしっかりとしているため、経営陣からの期待は大きく、「会社の顔」として育てようとしている。

 

東アジア戦略課 中国担当

ソミョンホ(24)

今後の世界市場のトップに立つであろう中国での商品開発、販売ルートの確保に携わる。

入社当初は目立つ存在とは言えなかったが、今も古い慣習が残る中国企業を相手に鍛錬を重ねた結果、時に恥や外聞を捨てた営業スキルを身に着けた彼に敵はないと確信する。

 

東アジア戦略課 日本担当

ユンジョンハン(26)

総務部の福利厚生課から異例の抜擢を経て、現時点で東アジア最大の貿易相手国である日本担当となる。

趣味で始めた日本語のスキルが向上し、加えて文化、流行に詳しいことがその理由として挙げられた。

本人曰く、荷の重い仕事は性に合わないようで「ぴえん」としながらも、2020年度の対日本への輸出額が前年度の717%と驚異の伸び率を見せた。

 

 

【営業部】

イソクミン(24)

営業職に求められるのは、コミュニケーションスキルや好奇心だけではない。

むしろ、コツコツと努力を続けられる忍耐力や、適した目標を立てそれを遂行できる実行力、それに昼夜を問わず動ける体力が重要。

そして何より誠実でなければいけないのだが、彼はこれら全てを網羅していると言われている。

 

クォンスニョン(25)

入社当初からエースとして大きな期待を寄せられ、実際に期待を裏切ることなく成績に残し、毎年表彰されている。

しかし、機械の取り扱いが苦手で自社製品も上手く使えない。

取引先でのコンペの席でもその不器用が出てしまうことがあるが、「こんな僕でも使えます!」が妙に説得力があると、結果的に売上はうなぎのぼり。

 

マーケティング課

ブスングァン(23)

世の中が求めているものを一早く察知し、ニーズに応える商品の企画や開発のための市場調査や販促イベントの立案など、仕事内容は幅広い。

また、クレーム対応も彼の仕事の一つだが、とにかく難癖をつけたいだけの理不尽なクレーマーに困っているオペレーターを見つけたら、すぐに自分と変わるように指示し、毅然とした態度で自社製品及び社員を守る姿に、「SVTに入ってよかった」「この会社に骨を埋める」という声が後を絶たない。

 

 

【広報部】

キムミンギュ(24)

主に社外広報を担当。

恵まれた外見をフルに生かし、マスコミや消費者向けの広告やイベントに『顔』として登場する。

昨年からIR広報(投資家に向けた情報を発信)も手掛けるようになってからは、投資に興味が沸き、昼休憩の社食で熱心に株式新聞を読んでいる姿がまるで経営陣のようだと、密かに他の社員達から「CEO」と呼ばれている。

 

社内報担当

ムンジュニ(25)

キムミンギュと共に広報を担っているが、主にSNSを活用した宣伝に定評がある。

また、社内報の責任者として、マスコミや消費者が求める情報の共有や、個人でのSNS使用時の炎上回避の必要性などを掲載。

その一方で、社屋のある三成洞付近をぶらついて、隠れたグルメや地域の人との出会いを綴るコラム『ジュンさんぽ』も絶賛連載中。

(「街角猫探索」で見つけた猫とのスナップショット)

 

 

【総務部】

チェハンソル(23)

地味なイメージが持たれやすい部署だが、その実態は経営陣を始め社内のあらゆる部門とコネクトを持ち、全社員を、企業が目指す目的・目標に向かわせるための総指揮をとる役割を行っている。

そのため、一時の感情や私情に流れず、常に公正であり続ける必要がある。

一見地味だが愛社精神は誰にも負けない、それが総務部であり、彼そのものでもある。

 

経営管理課

チェスンチョル(26)

総務部の中でも、日々の入金や支出、年度末の決算など数字に関わる業務を行い、経営陣に対して今後の経営に関わる判断材料を示す。

ただし、部門の売上のみを見るのではなく、将来が見込める生産性があると踏めば、現時点では利益を生まないノンコア業務であっても後押しするなど、やる気のある社員と経営陣を繋ぐパイプ役も行っている。

 

法務課

イジフン(25)

契約や取引に関わる法律に熟知し、企業活動が法律内で遂行されることを目的としている。

その他に株式総会や取締役会などの運営も行い、いわば企業の良心、要となる部署。

また、社外だけではなく社内においても、社員全員がコンプライアンスを順守し、企業イメージの失墜を避けることも重要であるため、社員管理という側面も併せ持つ。

これら重責の業務を日々こなす彼は、社員を始め経営陣からも一目も二目も置かれている存在。

 

人事課

イチャン(22)

新入社員・中途社員の採用、及び教育、育成を担当。

彼自身若手だが、時に先輩社員であっても物怖じせず、言いたいことははっきりと言う性格。

誰よりもSVT商事を愛し、SVT商事の発展を願っており、彼の情熱に牽引されてモチベーションが引き出される社員も少なくない。

 

 

【ITシステム部】

チョンウォヌ(25)

社員の要望に応じた社内システムやプログラムの構築、実行を担う部署で、当然ながらPCやネットワークに詳しく、トラブルやサポートにも迅速かつ柔軟に対応する。

内向的な性格が向いていると思われがちだが、人や外部と接する機会も多く、コミュニケーション能力が求められる。

社内報の「ジュンさんぽ」の愛読者の一人。(「街角猫探索」のコーナーが特にお気に入り)

 

 

 

 

こんな彼らが働く会社に入社したら・・



あなたなら、どこの部署に希望を出しますか?

 

 

 

 

 

 

  ここからは余談(おまけ)  

 

ジョンハンさんに近づきたくて、必死に日本語勉強して東アジア戦略課に入った私。

「ジョンハンさーん、これってなんて読むんですかぁ?」

「ここ、よくわからないんですぅー」

と、アピールするものの、

 

「聞いて書いてるだけじゃ覚えられないでしょ。わからないなら自分で調べる。」

 

と、冷たい。

思ってたのと違うんだけど~・・とショックを受けてたら、

 

「これでも飲んで少し休憩しな。覚えるのに頭使うと糖分足りなくなるから」

なんてホットココアを差し入れしてくれた。

 

やっぱり好き~~!

 

「ジョンハンさーん、これ読み方教えてくださぁーい」

「自分で調べるー」

 

 

*

営業部のアシスタント業務に就いて早2年。

いつも明るく朗らかで、笑顔を絶やさないソクミンさんだけど、最近はちょっとお疲れ気味なのが気になっている。

 

「コピー、私がとります」

「・・え、あ、ううん、いいよ。これくらい自分でやるから」

「・・・・」

「え、あ、なんか変なこと言っちゃったかな」

「休んで下さい」

「・・え?」

「少しでも、5分でもいいから。ソクミンさん、働きすぎです」

 

そう言うと、上がっていた口角を下げて泣きそうな顔になった。

 

「・・いいの?」

「もちろんです」

「じゃ、お言葉に甘えるね」

 

1秒でも長く休めるように。

時間をかけてコピーをとった。

 

 

*

配属された総務部は、一言で言えば地味。

海外事業部か営業部がよかったけど、

語学力もバイタリティーもない私には無理か、わっはっは。

 

隣の席のハンソルくんはもくもくと仕事をこなして18時になると、

「お先に失礼します」と風の如く退勤しちゃうから、「この後ぱぁーっと飲みに行きますか!」の流れもなし。

 

そんなある日、社内でハロウィンのコスプレ大会が開かれることになった。

ハンソルくんは無難なハリーポッターあたりに変装してくるのでは?と踏んでいたけど、

 

「・・冷血なバンパイアをイメージしてみたんです、けど。変ですか?」

 

全女性社員がひっくり返ったことは言うまでもない。(もれなく私も)

 

 

*

天井から雨漏りは百歩譲ってしかたない。

(このビルも建ってから結構年数たってるみたいだし)

だけど、一時的な避難場所が総務部ってどういうことなの?

私、デザイン部なんですけど!?

しかも私の席は、よりにもよって管理課の隣・・。

「お昼はしっかり時間とって食べないと体に悪いですよ。あと、菓子パンはほとんど栄養ないですから、せめてサンドイッチにしたらどうです?」

 

あ~~・・また。

そんな時間あるなら最初から社食なり、外でゆっくり食べてるっての。

サンドイッチは食べる時にポロポロこぼれやすいから、作業しながら食べるには不向きなの。

管理課だからって、社員の私的な時間まで管理するわけ!?

 

とか思いつつ、言われるのが面倒で翌日からはお昼はなるべく社食で食べるようにしたり、デスクでとる時はサンドイッチとスープ、サラダなんかにしてみたら、

あーら不思議、便秘が解消したし、肩こりや眼精疲労も軽くなった!

 

「最近、体調良さそうですね」

 

君のおかげだなんて言いたくないけど。

年度末の決算控えて最近残業続きみたいだから、今度、栄養ドリンクでも差し入れしてやるか。

 

 

*

ここ2ヵ月、毎日お昼はコンビニで〇〇〇〇のパンを買って食べていた。

その理由は、パンについてる応募券をスクラッチして出た番号をサイトに入力すると、

『にゃん吉』のオリジナルグッズの抽選ができるからだ。

 

なんせ国民的アイドルキャラの『にゃん吉』ゆえ、応募してもしてもいつもハズレ。

狙うは1等の等身大抱き枕だけど、欲はかけまいと5等のキーホールダーでもいいと思っていたのに、

 

「あ、あ、あ、当たったーーー!」

 

まさかの3等が当選!

 

「当たったって何が?」

隣の席のオンニが驚いて顔を上げる。

 

「これですこれーー!ブランケットが当たったんですーー!」

「あー、これって・・」

「俺様猫のにゃん吉の非売品グッズなんです!」

 

興奮のあまり、思わず部内に響き渡るほどの大声を出してしまうと、

 

ジュンさんが何とも言えない顔でこっちを見ていた・・。

 

 

*

まーた来てる・・。

 

同期のクォンスニョンはどうやら海外志向らしく、時間が空くと我が部署(海外事業部)にやって来て、ジョシュアさんの隣で話し込んでる。

とは言え、ジョシュアさんもそれなりに丁寧な対応をしているところを見ると、世間話をしにきているわけではないらしい。

 

ふと視線を上げると、

グルメ雑誌を片手に、こっちに向かって何やら口パクで言ってる。

 

「き、ょ、う、の、よ、る、ひ、ま?」

「め、し、い、か、な、い?」

「と、ん、か、つ、お、ご、」

 

「僕の話聞いてる?」

「・・え、あ、はい!」

 

・・・(笑)

 

おそらく最後は「とんかつおごって」だろうけど、

「とんかつおごるよ」だと勘違いしたフリして、その誘い、乗ってやろう。

 

 

 

 

よし終わったーー!

楽しかったーーー!

仕事するーーーー!

 

 

・・え、ほっしゃんならどこの部署に希望出すって?

そりゃ、

 

 

クォンスニョンに永久就職

 

でっす!(言うてろ)