ガザ交戦、中東各地に波及 イランやレバノンでも緊張激化 ハマス連帯で挑発強める

 

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パレスチナ自治区ガザで3カ月に及ぶイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘は、中東各地へ波及しつつある。

 

レバノンではイスラエルの関与が疑われるドローン攻撃でハマス有力幹部が死亡。イラクでは親イラン勢力がイスラエルを支える米国へ攻撃を激化させている。イスラエルと米国への強い反発は、中東の混迷がさらに泥沼化する懸念を招いている。  

 

レバノンの首都ベイルート南郊で2日、ハマス幹部サレハ・アルーリ氏が殺害された。同氏は2020年に米軍の空爆で殺害されたイランのソレイマニ革命防衛隊司令官や、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者ナスララ師とも親密で、「反イスラエル」「反米」の急先鋒(せんぽう)だった。 

 

イスラエル対外情報機関モサドのバルネア長官は3日、「殺人者がどこにいようが、必ず手にかける」と述べ、各国の批判をよそにハマス幹部殺害を各地で狙う意向を強調。一方、ヒズボラは「戦争を恐れない」と宣言し、暗殺後もイスラエルと攻撃の応酬が続く。イスラエルに抵抗する各地の勢力も報復を訴えた。(抜粋おわり)

 
この一番のキッカケになったのが、ベイルート南郊で2日、サレハ・アルーリ氏がドローン攻撃で暗殺されたこと。同氏は、マスの幹部でハマスの資金面を担当していたようだった。レバノンのヒズボラの指導者は「沈黙していられない」と述べたものの、イスラエルへの明確な報復について示唆は避けたという。イスラエルも、アルーリ氏殺害への関与を肯定も否定もしていないようだ。
この頃には、ヒズボラ、イスラエル双方ともにガザ周辺地域への戦闘拡大を望んでいない姿勢を示唆しているようだった。しかし、その後 1月3日イラン南東部ケルマンで起きた爆発テロで、100人近くが死亡した。
 
これは、イラン革命防衛隊の精鋭だったソレイマニ司令官が、米軍の無人機攻撃で殺害されてから4周年を迎える追悼式典信奉者が集まっていた人々を、ソレイマニ司令官の墓がある墓地で殺害したのだった。首謀者は、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行を主張したが、背景は不明。ガザでのイスラエル・ハマス戦闘の流れでテロ活動が誘発された気配もあった。
 
またハマスに呼応し、紅海での対イスラエル攻撃してきたイエメンのフーシ派だが、4日に国際海域で、無人水上艇で攻撃を仕掛け爆発させた。米国や日本などは3日の共同声明で商船への攻撃を停止するよう警告していたが、フーシ派が攻撃を続ける構えを見せたことで緊張は激化しているのだという。
 
米紙ニューヨーク・タイムズは3日、イラン最高指導者ハメネイ師が米国との直接的な軍事衝突を避けるよう指示したと報道したというが、偶発的衝突で混乱が広がる可能性は充分あり得る。ロシアもレバノンに兵士を派遣したと言っていたし、トルコも米軍基地を爆破させ中東情勢に絡もうとしており、緊張の火種はくすぶりそうだ。そのたびに、年始早々、米国ブリンケン国務長官は中東中走り回っている…。 
 
 

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