沖縄も「対日カード」か 習近平氏の「琉球」発言が波紋 人民日報1面

 
配信 産経新聞
 
 
中国共産党機関紙、人民日報は6月4日付1面で、習氏が古書などの歴史資料を収蔵する中国国家版本館(北京市)を1日に視察した際の様子を伝え、その中で習氏が琉球と中国の交流に言及したと報じた。
 
職員から「釣魚島(尖閣諸島の中国側名称)とその付属島嶼(とうしょ)が中国の版図に属すると記録」したという明代の古書の説明を受けた習氏は、福建省福州市での勤務時代を振り返り「福州には琉球館、琉球墓があり、琉球との交流の根源が深いと知った」と発言。明代に福建から琉球へ渡来した「閩(びん)人(久米)三十六姓」にも言及した。
 
習氏は1990年代に福州市トップを務めた。琉球王国の滞在施設だった琉球館には、習氏に関する展示もあり、習氏は福州勤務時代に那覇市との「友好交流を重視していた」という。 
 
習氏の発言について、日本への新たな揺さぶりという見方が浮上している。人民日報は2013年5月に、沖縄の帰属について「歴史上の懸案で、未解決の問題」と疑問視する研究者の論文を掲載。同紙傘下の環球時報は、沖縄の独立勢力を「育成すべきだ」と主張した。当時は日本政府の尖閣国有化を受けて日中関係が悪化しており対日圧力の一環とみられていた。その再現という見方だ。(抜粋おわり)
 

沖縄が日本に編入されたのは、1872年明治政府は琉球藩を設置し、19代目の尚泰王を琉球藩王に任命して琉球が日本の領土であることを内外に示そうとしたというのだが、琉球が清との関係を続けようとしたため1879年に、明治政府は軍隊や警官を送り廃藩置県を強行して琉球藩を廃し沖縄県を設置したのだという。廃藩置県のために、軍隊や警察を送られて強引に琉球藩でなく沖縄県にされたのだという。

 

もとより、沖縄が海洋国として琉球と名乗って独立していた。明とも朝貢貿易をして明と主従という関係だったものの、その貿易によって自立していた。ところが、1609年、第7代の尚寧王(しょうねいおう)の時に、幕府の許可を得たとはいえ薩摩藩は3000の兵力によって琉球を制服し、首里に在番奉行所をおいて琉球の内政と外交を監視したという。

 

そのように薩摩藩は明貿易の管理権をにぎり、年貢を薩摩藩に上納することを義務付けたそうで、結果的に琉球王国は薩摩藩主の島津氏属国として幕府体制に組み込まれていた。こうしてみると、沖縄県とされたのは琉球の意思ではなく、島津藩に帰属したのも琉球の望みでも意志でもなさそうに見える。明治政府によって琉球藩とされたが、それでもまだ清との貿易を止めようとしなかったため、明治政府によって軍隊や警察力により廃藩置県を強行されて沖縄県として設置されたようだ。

 

であれば、払いたくもない税金を課され、明との貿易の管理も島津藩にされ自由と独立を強引に奪われたという歴史が、琉球国・沖縄には、存在していたことになる。奄美群島から沖縄諸島、宮古列島、八重山列島などの広大な島々が、琉球国の領域だったようだ。

 

以前から、日本地図を見ながら<何故日本だけが、こんなに領海が広いのだろう>と思っていたが、こうした島々のすべてが、元々は琉球国のものだったのであり、その意思を踏みにじり、侵略という言葉によって日本国に帰属させたのではないか…という思いにとらわれた。 

 

沖縄の人々にとって、400年以上の歴史を持つ琉球国を故郷として憧憬を抱いているという心情は充分理解できる。沖縄県民にとって、日本国に所属してからの近年不幸な記憶も少なくなかっただろう。第二次大戦の最前線としての犠牲、また戦後長いこと米国に占領され、基地として土地を強引に奪われ、悲願の日本復帰後も基地の街として、その負担を軽減されることもないまま現状があるわけだが、日本は果たして沖縄県民が負担している重い地位協定を改定してあげるべく必至で努力をしてきただろうか。

 

四六時中、飛行機やヘリコプターの爆音の下で生活され、米兵の理不尽な暴力についても何一つ裁く権限すらなく、犯罪を犯した米兵は平然と本国へ帰還でき、被害にあった婦女たちは泣き寝入りするしか術がない現状…大手マスコミは、それすら報道しない。何でも、お金で片づけようとする日本政府。そんな国に帰属していて、幸せとはいいがたいかもしれないとふと思う。

 

中国も明·清帝国に国王の任命を受ける冊封体制にあったからといって、琉球国の帰属権が中国にあるというのも乱暴だろう。いずれにしても、かつて多島の海洋国だった琉球国・沖縄県が現在日本に帰属しているというのなら、日本全体で沖縄県の抱える地政学的な問題について寄り添って考えなければならないのではなかろうかと思う。 

 

ただ、沖縄県も現在の中国はかつてと体制も異なり、自国民にすら人権を認めていない命のこよなく軽い国だということは、よくよく頭の片隅に入れておいた方がいいと思う。中国に所属した途端、臓器収奪や人身売買の対象にならないよう…少なくとも現在の日本では、政権批判をした途端拷問と処刑ということはないようだが、中国に所属した途端、琉球文化も言語も奪われる可能性があるかもしれない。

 

中国の口当たりのいい声かけは外交上だけ…ちょっとした行き違いで、老人を殴ぐり頭にスタンガンを当てる公安ならびに城管(都市警察のようなもの)。賄賂で何でもする地方官吏。モンゴルやウイグルを見れば、人権がどのように奪われるか分かるだろう。

 

救急車を呼ぶのも膨大な費用が請求され、医療費も高いため医者にもかかれない国。福利厚生などないに等しく、貧富の差も大きく何のための革命だったか分からない国…。独裁国には人権も自由もなさそうなことは、中国の一連の報道姿勢を見れば明らかだろう。

 

もっとも地上に幸せなどないという点からすれば、世襲制度満載のこの国でも不公平な自由しかないのだろうが…。結局は沖縄の人々がどう考え、何を選択するかだろうが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

___________________________________________クリップ
 

 

 

 

 

 

 

 

**************************************************************