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【東海地震の前兆】異常に多発する中規模地震!!要因のほとんどはフィリピン海プレートの活動!?

 
2023年5月15日  南海先生【地学で命を守る】チャンネル
 
今月5月に入ってから、北海道から沖縄地方まで、日本列島の各地で中規模以上の地震が異常と言えるほど相次いで発生しています。果たして、これらの地震は本当に偶然起きているものなのでしょうか。あるいは、今後起こりうる巨大地震などの前兆であるという可能性は考えられるのでしょうか。
 
本日は、現在活発化している地震の原因と巨大地震との関連性について考えていきたいと思います。まずは地震の解説なのですが、本日これを収録している14日にも、また再びマグニチュード5クラス以上の中規模地震が発生しています。
 
震源は八丈島近海というところで、夕方16時頃から突然マグニチュード5クラス前後の中規模地震が相次いで発生しています。いずれも同じ活動域の中で起きており、震源は比較的浅い場所にありますので、フィリピン海プレートの内部で発生した地震であると考えられます。
 
今後の活動推移次第ではありますが、今後大規模な地震が発生する可能性も十分に考えますので、念のために今後の地震活動、及び津波情報には十分注意するようにしてください。
 
ではなぜ今月に入って突然、日本列島では各地で大きな地震が相次いで発生しているのでしょうか。まずはその原因について、考えてみましょう。
 
これまでに中規模以上の地震が発生した場所を見てみると、5月に入って以降に発生したマグニチュード5クラス以上の規模の地震は、八丈島近海・トカラ列島近海・宮古島近海・日高地方東部・千葉県南部・能登地方・青森県東方沖・沖縄本島近海となっており、いずれも離れた場所で起きた地震でありメカニズムも異なるため、それぞれがその領域単体での地震活動であると判断できます。
 
つまり、結論としては、各地で相次いで中規模地震が発生している理由としては、それぞれの領域での地震活動が偶然連続で重なっただけであると考えられます。ではそれぞれの地震活動に直接的に関連性は認められないとしても、今後起こる海溝型の巨大地震の前兆として、各地で地震活動が活発化しているという可能性は考えられるのでしょうか。
 
これについては、現時点ではそうであるとも断定はできませんし、100%否定することもできません。まずは、それぞれの地震のメカニズムを見てみましょう。
 
まずは八丈島近海での地震は、フィリピン海プレートの内部で発生した地震であると推定されます。これは根本的な地震の要因は、プレート境界にある固着域からもたらされた歪みによって発生したものであると考えられます。そしてその要因となった固着域が、存在しているのが南海トラフであり、そのうちの東海地震を引き起こす東側の区間にある固着域からもたらされたものであると考えられます。
 
つまり東海地震の活動と間接的に関連性がある可能性は、十分に考えられます。続いて、特に大きな地震が発生した能登地方での地震は、地下の流体の移動によって断層が滑りやすくなったことが要因であると述べられていますが、もっと根本的な要因は、やはりプレート境界の固着域から内陸に伝わる歪みの蓄積が要因となっていることは間違いありません。
 
また、この地震が発生する以前から南海トラフ地震の先行的な内陸地震活動として、能登半島周辺や近畿地方で大きな地震が発生する可能性が高いということも、当チャンネルでは詳しく説明していた通り、南海トラフ沿いで起こる巨大地震の先行的な活動である可能性は十分に考えられます。
 
そして、ここも同じく南海トラフの東側の固着域によって、大陸プレートが圧縮される力が要因となっていると考えられます。その他宮古島近海やトカラ列島近海・沖縄本島近海などの南西諸島で起きた地震も、それぞれ浅い場所に震源があり、フィリピン海プレートの活動が要因となっている可能性が高いと考えられます。
 
これらは南海トラフの西側に接続して、南西諸島に伸びる琉球海溝に存在するアスペリティが要因となっています。つまり最近起きている各地での地震活動について、それらの地震をきっかけとして直ちに誘発される可能性は高くはないのですが、南海トラフや琉球海溝沿いで起こる巨大地震の前兆なのかと問われても、否定はできないのです。むしろ前兆であると考えた方が、自然であるとも言えます。
 
では少し見方を変えて、まず東北地方の内陸の地震活動の推移を見てみると、一部で活発な地震の活動域が見られますが、全体的に見るとそれほど活発化しているようには見えません。これは東北地方太平洋沖地震が発生したことによって、プレート境界からもたらされる圧縮の力が弱まったためであると考えられ、南北の破壊されずにいまだに圧縮され続けている領域に、活動域が集中しているのがわかるかと思います。
 
では続いて、南海トラフ地震を引き起こすフィリピン海プレートの圧縮による影響を受ける中部地方から四国地方までの地震活動の推移をご覧ください。全体的に見ると、明らかに先ほどの東北地方よりも活動が活発であるのがわかるかと思います。
 
特に中部地方から近畿地方までにかけての領域で、活発な活動域が複数確認できるのですが、これらの地震活動は、南海トラフの東側での歪みが特に顕著であることを示唆しています。つまり、現在この領域内で起きている地震活動は、最終的に起こる東海地震の準備段階として活発化しているものであり、それは前兆であるとも言い換えることができます。
 
そして、それと同じように南西諸島で活発化している地震についても、琉球海溝で巨大地震が切迫している合図なのかもしれません。また最近の地震活動の推移について、高知県伊野町付近でも気になる地震活動が検出されており、北海道南部の日高地方周辺でも活発な微小地震が続いていますので、これらの地域でも念のために今後の地震活動には注意する必要があります。(文字起こしおわり)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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