「日本は虚偽の情報を流している」? 日韓首脳会談の内容を隠し通そうとする韓国政府が日本にクレーム!(辺真一)

 
 

2023年3月22日 ジャーナリスト・コリア・レポート編集長・辺真一氏

 

 

韓国の外交当局者は「首脳会談で岸田首相が2015年の『日韓慰安婦合意』の履行を求めた」との日本の報道に韓国メディアや野党が事実確認を求めたことに対して「国内で政争にするのは望ましくない」と述べ、「首脳会談での具体的な内容については外交慣例上、明らかにできない」と、元慰安婦問題が日本から提起されたかについての言及を避けていた。

 

日本では首脳会談では元徴用工問題以外にも元慰安婦問題、福島など東北・関東8県の水産物の輸入規制なども話し合われ、岸田首相が「日韓慰安婦合意」の履行と輸入規制解除を求めたと報道されているが、韓国政府は領土問題や佐渡金山のユネスコ世界遺産登録問題も含めてそれら問題で議論があったことを何一つ認めていない。

 

岸田首相が「日韓慰安婦合意」の履行を求めたのが事実ならば、「合意」を尊重している尹大統領としては韓国側が合意で約束した駐韓日本大使館前の慰安婦像を撤去しなければならないし、在外韓国人団体による米国、カナダ、豪州、ドイツなどでの慰安婦像建立も止めなければならない。

 

尹大統領が訪日前から日韓の懸案については「グランドパッケージで解決する」と公言していたのは周知の事実である。ということは日本が半導体素材の輸出規制解除に応じ、韓国を「ホワイト国(優遇対象国)」に再指定すれば、尹政権としても2013年9月から輸入を禁止している福島などの水産物の輸入も解禁しなければならないし、併せて事故にあった福島原子力発電所の「処理水」の海洋放出も容認しなければならない。どれもこれも現状では国民の反発が強く、韓国政府が難色を示している問題である。

 

韓国政府は「議論していない」と言い張っているが、日韓首脳会談は約85分と長時間にわたって行われていただけにこれらの懸案が話し合われないほうがむしろ不自然で、おかしな話だ。(抜粋おわり)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

配信中央日報の記事では、木原誠二内閣官房副長官は16日、首脳会談直後「慰安婦合意について着実な履行を求めた」と述べたという。さらに、独島(ドクト、日本名・竹島)問題と日本の海上自衛隊哨戒機レーダー照準問題にも言及したという。

 

慰安婦問題については、2015年12月当時、朴槿恵(パク・クネ)大統領と日本の安倍晋三首相が解決に合意したが、その後、この合意に批判的な文在寅(ムン・ジェイン)政府で「和解・治癒財団」を解散してしまい、慰安婦解決策には進展がなかったのが経緯。

 

何も解決していない問題に対して、慰安婦交渉を主導した当時外相だった岸が、何も首脳会談で要請しなかった方が不自然だし、慰安婦合意の決着を韓国に促したという風に見る方が説得力があるだろう。

 

 

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