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【英国経済崩壊】スーパーから生鮮食品が消えた!大手スーパーが購入制限を発表!異常気象、サプライチェーン、BREXIT

 

2023 2 22 Moha=P channel

 

イギリスのスーパーマーケットの棚から生鮮食品が消えるという事態が生じていまして、また混乱してきています。ちょっと知っている方からすると、またかといった感じだと思いますが、消費者にとっては死活問題でもあります。ということで、本日は今起こっているイギリスの生鮮食品の不足についてお話ししたいと思います。

 

大手スーパーマーケットのAsdaはトマトレタス、きゅうり、ブロッコリーなどの商品の販売を1人3個までに制限すると発表しました。同じく大手のモリソンズは、これらの商品を1人2個までにすると発表しています。

 

その他の大手スーパーマーケットテスコ、セインズベリー、ウェイトローズ&マークス&スペンサーなどは、今のところ制限は設けていないとしていますが、すぐに売り切れが発生してイギリス人のSNSには空になったスーパーマーケットの棚が数多くアップされています。

 

これ2月20日の週が始まったあたりから言われていたんですが、なかなか改善しないどころか徐々に悪化しているようです。今回の品不足になっている商品はトマト、きゅうり、レタスなどの温暖な地域で栽培されている野菜です。特にトマト・きゅうりの不足が深刻と言われています。では、なぜ今回これらの商品が不足しているのか…一つの要因は、異常気象だと言われています。

 

イギリスでは冬場、今回不足しているトマトやキュウリなどの商品の90%以上が、スペイン南部やモロッコから輸入されています。これらの地域が寒波に見舞われたことで、通常より生育に時間がかかっていて十分な数量を確保できない状態になっていると言われています。

 

またモロッコの洪水も、供給不足に影響を与えていると言われています。モロッコは乾燥した気候ではあるものの、数年に一度くらいの頻度で洪水の被害が起こっていると言われています。また悪天候でモロッコから船が出せない期間があったことも影響したそうです。一方国内で栽培されている農作物も、不足気味になっているとされています。

 

2022年の夏、イギリスでは観測史上4番目に暑い夏となったほか、12月は寒波に見舞われまして、観測史上最も寒い日もありました。こうした気象条件の中で、イギリス国内で栽培されている人参、キャベツ、カリフラワーなどが影響を受けていて、これらについても不足気味だとされています。

 

また一部の果物などは、オランダで生産されているものもあるそうですがそれらは供給が不足しているわけではないものの、電気料金の値上げで温室栽培のコストが上がり、価格が大きく上昇しているということです。一方今回の問題、またイギリスのEU離脱の悪影響なんじゃないかという不満も高まりそうな状況の中、BBCニュースなんかでは「EU離脱は関係ないですよ」と説明しています。

 

というのはこれまでにもここ数年、イギリスではスーパーマーケットから商品が消えるということを何度も経験してきていまして、その多くがEU離脱が関わっていました。EUを離脱したタイミングでは、関税の手続きが追いつかず、トラックが入国できない事態が発生し2020年末コロナパンデミックの真っ只中で、スーパーマーケットから商品が消えました。

 

またEU離脱の移行期間が終了したタイミングでも同じような状況が起こったほか、2021年にはEU離脱の影響でトラック運転手が不足する事態に陥り、またスーパーマーケットから商品が消えたり、ガソリンスタンドに

ガソリンがないということが起こりました。

 

2021年の秋は、トラック運転手の不足の対応のために軍隊を導入することまで検討されていたほど混乱した状況になっていました。そして先日の動画でも解説しましたが、現在イギリスの世論調査では、EU離脱をしなければよかったと答えた人たちが、離脱して良かったと答えた人たちを大きく上回る状況になっていまして、EU離脱による経済へのマイナスの影響などに疲れてきている国民が増えてきているものとみられています。

 

2020年以降コロナパンデミックで、一時世界経済は大きく落ち込みましたが、アメリカ大陸欧州日本はそのマイナスを取り戻し、プラスの成長を遂げていますが、主要国ではイギリスだけがコロナ前と比較しても、まだ経済はマイナスのままとなっています。

 

EU離脱を実行した現与党の保守党は、今回の生鮮食品の不足はお隣のアイルランドでも起こっていると言っていて、アイルランドはEU加盟国ですので、EUから離脱したことが要因ではないと主張しています。

 

一方でEU離脱によるサプライチェーンの複雑化が、今回の問題に影響した可能性があると主張している業界関係者もいると言われています。一方消費者からすると、生鮮食品が買えないという事態は食生活には影響が大きな問題ですが、またかといった感じである程度慣れていますので、大きな混乱はないと言えるでしょう。

 

野菜をあまり食べない生活にするか、缶詰とか瓶詰めとか保存食を使うのか、問題が起こっているところと、別の地域から空輸されてくる高価な野菜を買うのか、イギリスの在住者はそうした選択を迫られています。

 

ちなみにイギリス国内に日本人オーナーが経営していて日本食材は扱っている小売店がいくつかありまして、空輸されてくる日本の野菜も売られていますが、だいたい大根1本で1500円から2000円くらいするイメージで

値段はだいぶ高いです。

 

和食に欠かせないもので、イギリスの普通のスーパーマーケットでは買えない商品もありますので、日本人の方でこうしたお店を利用している人は結構多いでしょう。例えば、えのきしいたけなどは、イギリスのスーパーで売られているマッシュルームとは異なりますし、白菜、さつまいもなんかもイギリスのスーパーでは買えません。

 

大根やかぼちゃはイギリスのスーパーでも買えますが、日本のものとは味や食感も異なるものもありますので、日本から輸入されてくるそれらの商品には一定のニーズがあります。その他中華系スーパー、韓国系スーパー

などもありまして、日本人はそれらを利用している人も多いでしょう。

(文字起こしおわり)

 

☆ Brexiの意味は、 イギリス が 欧州連合 (EU) から離脱すること、離脱したことを指しそうで、Brexitは "British" と "exit" の 混成語 であるとのこと。

 

 

 

 

 

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