来たる女神は闇を抱いて…

 

 

もう見られなくなった風景

明るい記憶の残影が

ぼんぼりのような灯が

闇夜で光る

 

 

二度ともどれない

時間のなかで

ゆらめき揺れる

言葉にしても虚しくて

絶句するだけ

 

 

私の喉元は

凝縮して

現実を受け入れない

凍えてしまった言葉たち

声すらつぶれていく

 

 

あの

白い鳩を射抜いた時から

不吉の暗雲は生まれ

光はさえぎられた

これから

私たちは

暗黒の霧の迷路に惑いながら

苦しい戦いを続けなければならない

 

 

明日も

明後日も

その次の日も…

 

 

闇夜が

若い女神たちにかぶさり

泥海のなかで

光は奪い取られていく

心に沈着するのは

砂のエッセンス

 

 

不吉が近づいてくる

悲劇の予兆は

すでに生まれ

現実の彫像をつくっているのに

事象は傍らを通り抜けていくだけ

刹那的に…

逃避的に…

 

 

言葉は

いまだ凍えたままで…

 

 

 

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