赤い靴

 

 

赤い靴

はいてた

女の子

 

 

異人さんに

連れらて

行っちゃった

 

 

赤い靴

みるたび

考える

 

 

異人さんに

あうたび

考える

 

 

 

雨降りのお月さん

 

 

 

雨降りお月さん

雲のかげ

 

 

お嫁に行くときゃ

誰と行く

 

 

ひとりでからかさ

さして行く

 

 

からかさ ない時ゃ

だれと行く

 

 

シャラ シャラ

シャンシャン鈴つけた

 

 

お馬にゆられて

ぬれていく

 

(野口雨情の童謡集から)

 

 

          

 

   

日本の女たちも充分虐げられてきた歴史!

 

野口雨情の童謡詩のなかに政治・体制批判が読み取れます。

ここに掲載した詩の中に、歴史のひずみの谷間で過ごさざるを得なかった女性たちの人生があります。

 

 

慰安婦問題がかしましいですが、おおかれ少なかれ女たちの精神はいつだって男に売られてきて、ささやかな人生の中に閉じ込められてきた不条理の歴史そのものでした。

 

 

 

敗戦の時、満州引き上げの時処女たちを差し出して生き延びてきた男たちの歴史…被害にあった女性たちは、あまりにむごい真実に沈黙せざるをえなかったのでした。

 

 

こうして真実は余りに悲惨で、パンドラの箱みたいに絶対に表には出てこられず、闇の部屋の中に押し込められているのが実態でしょう。多くの歴史がそうであったように…。

 

 

敗戦時、自国の女たちを差し出して生き延びてきたこの国の既得無能政権の子孫たちが、今でものうのうとこの国のトップとして、何一つ反省も懺悔もせず君臨しています。

 

 

それも人生…あれも人生!そして、人生とは、生れ落ちた瞬間から不条理を抱えて進んでいくのが真実に近いようです。幸せの裏に不幸があり、不幸の裏に幸せある…と年の瀬にいだく感慨です。


 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~★

★ブログ更新しました。

★これは2018年12月にブログに掲載したものです。