ドローイング 音木 六花

 

 

 

ポスターの中の女たち



ポスターのなかの女たちは
大抵

挑発的に笑いかけてくる
空白に向かって
何もない世界に向かって

 


自発的にか

意思を去勢されているのか
いずれにしろ
無造作に

自己を投げ出している


しかし
彼女たちが投じているのは
最後まで何もない虚妄の空間
彼女たちの架空の媚態に
男たちは近づけないし
襲うこともできない



何も起こらず
何も沸き立たない
乾いた世界で
まばゆい人工ライトに
晒されながら
彼女たちの嬌態は
ただ
解体するばかりだ

己の中に…



彼女たちは知るだろうか
空洞の牙が
いつか
自分を

虐げ得るのを…



<2018/11/13>

 

 

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☆ブログ更新しました。

 

☆夫の誕生日が近づき、普段使いのセーターが使い込まれて、今年はセーターをプレゼントしようと思っていました。なぜか右ひじ部分だけ擦り切れ薄くなってきて穴があいてしまい、最初はフェルトなどのひじ当てなどを当てて繕っていました。しかしまた薄くなって手におえなくなり、とうとう腕をちょん切って着てもらったり、男物の大好きな私が着たりしていましたが、もう限界だということで新しいセーターを誕生日プレゼントにしようと捜していました。外出用にはグリーン系のものを2枚用意してありますが、ほしいのは普段着用のもの。というのも、夫は家では特に100%ウールでないと着てくれないのです。何だかパチパチして嫌なのだそう…。昔はそうでもなかったのですが、加齢とともに素材に拘るようになりました。

 

 

☆シャツ類もコットン100%ですし、下着はグンゼ。価格は高いのですが、履きやすさが違うのだそう…。100%ウールでも、洗濯機で洗えるセーターは何か肌触りが違うと言って着てくれないので結局、同じものばかり着るため右ひじが擦り切れてしまうことになるのです。そこで、セーター探しにデパートとか大手スーパーを捜してみました。ところが、近頃は100%ウールの男物はほとんど見つかりませんでした。模様もシンプルで無地が好みなのですが、見つけることができません。大抵、アクリル混紡のものが多くこれと言ったものは見つかりませんでした。デパートには六千円でウール100%はありましたが、カーディガンでしたし、いかにも薄手でした。

 

 

やむを得ず通販でも確認しましたが、有るにはありますがやはり触って選びたかったし、待つのも面倒だしということでもう一つ気乗りがしません。切羽詰ってたまたま目に入ったのが、古着チェーン店でした。初めて入ってみました。古着なんて絶対嫌だし、夫も嫌がるだろうと思いつつ覗いてみました。女性用セーターはたくさんありましたが、紳士者のセーターは数も多くなく、ましてLLが希望となるとどうかなあと半分冷やかしでみていると、グレーグリーンのツィード風のしかもシンプルで無地のLLがあったのです。形はVネック。

 

 

☆どうせ、セーターでゴロゴロしていて、何でもメチャメチャにしてしまうんだしこんなんでいいか…だって、どこにも希望のものが売っていないんだから仕方ないではないかとぶつぶつ独り言を言って、最後には私が着てもいいではないかと割り切り購入を決めました。特別痛んでいるところや虫食いもなく、薄手でも厚手でもなく着やすそうでした。夫に見せると、着てもいいと言ってくれたので、(余程、困っていたのでしょう。)早速、手洗いをして洗濯をしました。洗って乾いてみても、本当にいい色合いでしたので、この持ち主はどうしてこのセーターを売ろうと思ったのかなと思いをはせました。いい色だったけれど似合わなかったのかも…とか…あるいは、無地だからつまらなかったのかも…とか…。

 

 

☆そういえば、この頃は婦人物でも無地というのは見つけにくく、刺繍が入っていたり縁取りの飾りがあったりと私もしばらく購入していません。といっても、物持ちのいい私には、売れるほどのセーターもカーディガンもあり、こっちを処分しない限り物は増やせない状況なのです。久しぶりに婦人物で大きなサイズを夫に着せてしまおうと画策した結果、まったく見当はずれだったことに気が付きました。レディスでも大抵模様入りだったり、アクリル混紡だったりと売り場自体が様変わりをしています。

 

中古品のセーターに私の時代が塗り込められているような気がして、ふっと心が騒いだ時間でした。