20代の頃

その日は疲れきっていた。

それがその日だったか、その頃だったか、憶えていない。

とにかく疲れきっていた。

それでも普通に仕事に行き、昼休み。
昼食を取った後 そのままそこに突っ伏して休んでいた。

食堂にはTVがついていて、お昼の番組が流れていた。
普段なら、司会者のトークとかで流れていく番組なのだが
たまたま「視聴者からのリクエストがたくさん来ているので」と言っているのが聞こえてくる。

そうして半ば夢現のわたしの頭に、聴こえてきた。
綺麗なソプラノのシンプルな歌だった。

それは瀕死の重症だったわたしの心に水のように沁み込んで潤いを与えていった。

あぁ、きれいな声って言うのはなんて良いんだろう。
半分夢の中で そう思った。
気持ちが生き返っていくようだった。


わたしは女性のきれいなだけの声があまり好きではない。
落ち着きのある声が好きだから、ロバータ・フラックとか五輪真弓みたいな存在感のある声が好みだ。

だが、その日聴いた声は「きれい」だったからこそわたしの心を癒したのだと思う。

島田祐子が歌った「きらきら星」だった。
この記憶は未だに色褪せない。

http://www.youtube.com/watch?v=CORcbhHXc1Q



きれいで存在感のある声でわたしが好きな人をもう一人ご紹介。

お聴きくださいな。


http://www.youtube.com/watch?v=OnFsGG3NUjE&feature=related


http://www.youtube.com/watch?v=taYhYuiG0bg&feature=related