本を出していると、他教室からの移籍が多くなります。
皆さん、何かしらの問題を抱えていて、行き詰まっていらっしゃる・・・
楽器の弾き方で躓く大きな原因のひとつに、読譜があります。
この読譜力を上げるには、音階が必須です。
でも、基礎練習で音階が大事なのはわかっていても
多くの人が何も考えずに、ただ弾いて終わってしまいます。
ただ弾いているだけでは音程はよくならないですし、
読譜、楽譜との関係性が見えてこないのです。
なぜ、音階なのか
曲はこの音階のかけらで出ています。
拙著「いまさら聞けないヴァイオリンの常識(音楽之友社)」58p.に
ヴィヴァルディとベートーヴェンの楽譜を例に解説しているので、ご参照ください。
前述の他教室から移ってくる生徒さんが音階を弾く時に
「この調の半音はどこでしょう?」
この問いを最初にします。
ヴァイオリンは自分で音程をつくる楽器です。
特に半音の位置を意識していないと、曖昧な音程のまま弾き続けることになり、
結果、音程が悪いことも自覚あるので嫌になってしまうのです。
テトラコード
楽典の本では、音階は全全半全全全半の音の並びと書いてありますね。
音階はふたつのテトラコードでできています。
テトラコードとは、「4つの弦」の意味で、
上記のように4つの音が全音全音半音の関係です。
この端の、半音の場所の理解が知識として、
それから感覚としてわかるかが大事なんです。
「解決」する感覚
特に導音と主音の関係がもっとも重要で、
導音の主音に向かう感覚が調性感になります。
和声の Ⅰ はトニックでしたね。
Vのドミナントは Ⅰ に向かいたい帰属感が強い和音です。
導音は属七の和音Ⅴ7の第3音にあたります。
導音→主音は、Ⅴ7のドミナントから Ⅰ に「解決」する和声感と直結しています。
調性感と音程感
旋律を弾く時に導音は最も意識する音程です。
ブルッフの1楽章の冒頭の部分、g-molのⅠ の分散和音から始まりfisの導音からGへ。
音が上昇していき属音Dに向かうCisは属調d-mollの導音の感覚で半音を狭めにとりますね。
(拙著69p.「音程について」もご参照ください)
音程は複雑な問題も絡んではいるのですが、
基本中の基本は、半音を理解しているかが
一番最初の出発点になります。
でも、ただ「指がくっつく」だけでは
なんとも言えない音程になってしまいます。
音階と同時に和声も意識して弾けるか、
音程感の指導はここにかかってくるでしょう。
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