最近見た映画まとめてレビュー!PUI PUI劇場×動物保護×マウント復讐劇! | SayGo's 映画レビュー

SayGo's 映画レビュー

勝手に映画鑑賞して
ダラダラとレビューします。

お疲れ様ですPUI。
SayGoです。

本日も最近観賞した映画をまとめてレビューしますPUI。
ラインナップは

①『とびだせ!ならせ!PUI PUIモルカー』
②『犬部!』
③『プロミシング・ヤング・ウーマン』



まずは
話題のストップモーションアニメの劇場版
『とびだせ!ならせ!PUI PUIモルカー』

公開日:2021年7月22日
上映時間:34分

今年の1月テレビ東京系「きんだーてれび」内で放送され、
SNSを中心に話題となったストップモーションアニメ
全12話一挙上映という形で劇場化した本作。


まず総括しますと、
人生に残る映画体験になりました!

作品内容はというとあくまで一挙上映なので変わっていないわけですが、
「とびだせ!ならせ!」というタイトル通り、
臨場感の凄まじい劇場版になっておりました。

「巨大なスクリーンでの観賞」だけでなく、
「他者と同じものを共有する」ことが映画館の魅力だと思っていますが、
本作はそのどちらもレベルが高い。

モルカーの可愛さ、映画的なスケールを内包している物語の
スクリーンとの相性を改めて認識できるものとなっており、
「モルカーの実在感」と「モルカーのおもちゃ感」という
相反する要素を際立たせる3D効果は
モルカーの世界、その可愛らしさへの没入感を高めていました。

そして、最高なのは、劇場にモルカーを大量出現させる
入場者特典のモルカーボール。

音が鳴るモルカーボールを観客は鳴らしながら鑑賞できるわけですが、
これはコロナ渦における応援上映の正解例となっていると当時に、
モルカーの世界観を劇場にまで広げ、一体感をもたらす最高のギミックとなっていました。

今という時代に劇場で観賞できることがが幸せな映画は何本かあったが、
その中での最高レベルの一体感だった。エンドゲームと同等なレベルです。

この熱気を味わえるのは今しかないので劇場での鑑賞を超おすすめ!
パンフレットの出来もすごいです。



次は、行き場を失くした動物の保護活動を行っていた実在したサークル 犬部と
その創設者にして獣医である太田快作氏の物語をベースに映画化した
『犬部!』

公開日:2021年7月22日
上映時間:115分

獣医になるためであっても動物は殺さないと決めた太田快作氏が
犬部を創設し、どのように動物と向き合ってきたのか

実話をベースに描く一作。


昨年、フジテレビで放送された「ザ・ノンフィクション」の
「花子と先生の18年~人生を変えた犬」
太田先生の存在を知り、その内容に価値観を動かされた自分の中では
ある種の必須作品でもあったわけですが、
太田先生の動物への純な愛や獣医としての理念が散りばめられた一作になっていました。

動物を愛する大学生がサークルを立ち上げ奔走する本作は
青春映画的な疾走感や明るさも持っているわけですが、
言葉だけでなく、直視するのが苦しいほど
殺処分に直結するような映像や描写で社会問題に言及もしていく。

ペットショップの捉え方をはじめ、
実生活の景色すら一変する可能性を持っている本作は
犬映画でイメージの強いハートウォーミングなドラマ性より社会性の強い作品となっている。

理想を追い求める者と現実を前に挫折してしまう者の対比や
双方の視点によって事の重大性や根深さを描き、
友情劇で全体を中和しながら、決して気持ちよくはさせないラストカットなど
演出はかなり気を配られている印象で好感を持てた。

作品として存在意義のある作品だったと思う反面、
時代を行き来する構成によって
人物の成長や感情の変化が不明瞭になっている印象も受け、
また、青春劇から問題定義、従事者の直面する壁など
多分な要素が含まれてる本作において、
時間軸を行き来する構成が上手く作用していないように思えた。

主人公に最初から強い信念があったことや
事が解決に向かっている最中であるため仕方ない部分は多いが、
もう少しシンプルに構成してもらいたかったかなというところ。

ただ、ひとこと。
太田先生はこの作品の主人公 颯太以上に
動物を異常なまでに愛しています!


映画より是非「ザ・ノンフィクション」を。


最後はアカデミー賞脚本賞を受賞した話題作
『プロミシング・ヤング・ウーマン』

公開日:2021年7月16日
上映時間:114分

夜ごと泥酔したフリをして、お持ち帰り男たちに裁くキャシー。
前途有望だった彼女がなぜそのような行動を始めたのかを紐解きながら
スリリングな復讐劇と甘いラブストーリーが描かれる。


その全能感に笑みを溢すと同時にこれ以上になく震えてしまうラストまで
ドライブしていく極上エンターテインメント!

陰キャでリア充〇ね精神を持っている自分にとっては
たまんない映画でもありました。

主人公 キャシーがどのような裁きを行っているかを
チンさむな恐ろしさで端的に描きながら、
職場や家庭環境、彼女の声色などで
後に明かされる強姦事件とその後の歩みを
見事なまでに裏打ちしていく脚本の妙。無駄がない!

またスウィートであると同時に蓋を開けてみると
露悪的な構造にも思えてくるラブストーリーがたまらない!

全男性を敵視するキャシーの悪態が
まさに飲み込まれることで始まるラブストーリーを並行することによって
キャシーの二面性を強調する本作は
復讐劇にも恋愛ドラマにも
顔を隠すヒーローのようなスリリングさを付与!
その二つのドラマがある点で交わることで
加速していくクライマックスは最高です。

そして、面白いのは
「お前らとは違うんだよ!」と言うようなキャシーの復讐劇。
性別や権力で友人を追い詰めた人物たちに対し、
直説的な行為ではなく、心を手玉に取ってマウントを取り屈服させるような
キャシーの復讐劇は暴力的ではないからこそたちが悪く恐ろしい。
キャシーの恨みの大きさ、そこから事の深刻さを描いていたと思う。

「罪を忘れ楽しんでんじゃねぇぞ」と言わんばかりのクライマックスは
加害者と被害者の事の捉え方を上手く描写しているし、
最高のシチュエーションと最高の餞で締めくくるキャシーの全能感。
爽快の一言でした。

遊び惚けた過去を持っている人には恐ろしい映画でしょうが、
その他の人には最高最凶映画。
これぞワンダーウーマンよ!


現場からは以上です~