映画雑レビュー『REVENGE リベンジ』85点 爽快!グロイ!美しい!最高のリベンジ映画 | SayGo's 映画レビュー

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勝手に映画鑑賞して
ダラダラとレビューします。

 

『REVENGE リベンジ』
公開日:2017年7月7日
上映時間:108分




----あらすじ----
若くして成功を納めた男 リチャードと
不倫関係にある美女 ジェニファーは、
甘いひと時を砂漠にある彼の別荘で過ごしていたのだが、
リチャードの狩猟仲間である男2人がそこに訪ねてきた。
リチャードとその友人と楽しい時間を過ごすジェニファーだったが
ある惨劇が彼女を襲い、いつしか復讐に走り出す。




フランスの新鋭コラリー・ファルジャ監督による

バイオレンス映画
男たちに凌辱され、命を狙われる身となった美女の壮絶な復讐劇を
血みどろな残酷描写とスタイリッシュ且つアクショナブルな演出で描く。


★★ざっくり『REVENGE リベンジ』レビュー★★
無駄の一切ない復讐劇(リベンジ)がもたらす

爽快なカタルシス!
しかも、強烈な痛みを感じるゴア描写で憎しみの深さを魅せると来た!
ジャンル作品として個人的に申し分ない一作です。

いろいろツッコミ出したら切りがない!
それでも強烈なエンターテインメントを放つのは
『ランボー』顔負けの強靭さで砂漠を孤独にサバイブし、
因果応報を憎き男どもに突きつけていくヒロイン力!

不満や恨みなどフラストレーションを溜めている方は
この作品、なによりもの良薬になるかもしれません(笑)

85点/100点満点中


★★善人0人! 因果応報で構成されるリベンジ・ストーリー★★
ヘリコプターで砂漠のど真ん中に聳える豪華な別荘を訪れ、
前人速攻たる求愛ダンスで甘いひと時間を過ごしはじめる
セレブ リチャードと主人公 ジェニファー。
これぞ!アメリカン! もう熱々ですわ(笑)


しかし、リチャードには妻がいて、

2人は不倫関係でした!
という設定をさらっと語り、
その後、リチャードと共に狩猟大会に出場する予定にある
スタンとディミトリが別荘を訪れ
ジェニファーは彼らとも生活を共にすることになります。




『不倫』という秘め事が設定されていることで
2人の空間が『他者』の介入によって変わり出すこの展開は
どこかいや~な予感を漂わせているのですが、
その予感通り、いや、それ以上の悲劇を見せてくれるのが本作です

まず、ここで称賛したいのが
『性を体現するようなスタンとディミトリの顔面力』!



男の下心を表す「鼻の下を伸ばす」と言った言葉がありますが、
それを映画史上最も上手く、最も下品に演出することに
成功しているのではないかと思います。

ジェニファーを見るスタンとディミトリの目の
いやらしいこと、いやらしいこと。
それを野放しにするリチャードには
『こいつ寝とられ願望あるのかな...』とも思ってしまいます(笑)

この段階で彼らの欲望はまだ抑制されているのですが、
リチャードの不在という時間に爆発します。
ジェニファーはスタンに凌辱されてしまうわけです。
偶然その場を見てしまったディミトリは知らんぷりして
プールで優雅にダイエット活動(笑)



スタンに凌辱されるジェニファーの姿、セクシャルな描写を極力映さず
悲鳴を響かせながらディミトリのプールシーンを見せるというギャップが
このシーンの残忍性、悲劇性を強めているのも印象的でした。

帰宅したリチャードはジェニファーの様子から事を察し
別荘は修羅場になっていくわけですが、悲劇はまだ序の口。

なんとリチャード、ジェニファーではなくスタン(友人)を取ったのです!
もちろんそんな彼に『不倫を公にしてやる』とジェニファーは憤怒!
リチャードもそれに対して逆上でもう収集つかない状況に陥ります

気づけば火サスさながらの断崖絶壁に追い込まれ、
リチャードの手にジェニファーは突き落とされます
そして、奇跡的に一命をとりとめたジェニファーは...

「幸福から一転、最悪な状況」という落差をもって
ジェニファーの『恨み』『憎しみ』をロジカル且つ強く描き出し、
リベンジストーリーをスタートさせる本作は
『やったれ!』と言いたくなるほど感情移入しやすい!
確実にカタルシスあるエンディングを確約してきます。


★★悪人ジェニファーのヒーロー化に成功し復讐劇へ★★
その後、ジェニファーは男たちに復讐をはじめるわけですが、
『不倫』というワードが引っ掛かります。

不倫という道徳に反する行為を楽しみ
セクシーダンスでスタンを誘惑する
そぶりを見せるなど、
ジェニファーは『悪女』的にも描かれています。
そんな身勝手なヒロインが痛い目に会い、
復讐に走っても正直怪しいところでしょう。



しかし、本作がうまいのは
ジェニファーに不倫の因果応報を受けさせることで
感情移入しやすいキャラクター、ヒーロー的存在に変換している部
です。

そこで本作は「リチャードの殺人行為」によって
ジェニファーに因果応報を突きつけ、
その罪に対して過大な罰を受けさせることで
彼女の持つ悪人要素を一応にも帳消してみせます。

男たちの暴力によってジェニファーは
自らの身勝手さに対する因果応報を受け、
暴力を用いた男たちに対して復讐できる存在になります。

そして、男たちにのみ罪がのし掛かりるのです。




『因果応報の連鎖』によって
復讐劇を語っていくのが本作の魅力だったと思います。


★★強烈なゴア描写で彩られる復讐劇!★★
ジェニファーが復讐劇に走った頃には
見事なリベンジストーリーの土台が築かれていることもあって
彼女がひとり、またひとりと男を殺していく様は爽快です。



傷口を焼き塞ぐ強靭さに加え、
強い復讐心に無情な鬼に変貌していくジェニファーの姿には
『ランボーかよ!』とも『ターミネーターかよ!』とも
ツッコミたくなってしまうのですが、
意外にもリアリティのあるガン演出
この上ないゴア描写の数々が緊迫感を醸し出し
ハラハラさせてきます。

射撃の反動で倒れ込み、
その発砲音に耳がおかしくなってしまうジェニファーという
銃器を扱ったことのない素人の描写

本作では行き届いており、それによって優位な状況が一変してしまうなど、
リアルなガン演出によるアクション展開、緊迫感の演出がとにかくうまい。

不死身たるジェニファーですが、
そういった描写を通して『か弱き女性』たる一面も携えられているため、
安心なき復讐劇が展開されていきます。

そして、本作で強烈な印象を残すのが
痛々しくてたまらないゴア描写です。

銃弾に千切れ、持っていかれる体の一部や
身に刺さった異物を取り出すエグい描写など
本作はグロテスク極まりない映像が詰め込まれています。

また、それらの状況に直面したキャラクターのリアクションも素晴らしく、
役者の演技によって映像は一層痛々しいものとなっています。

もちろん、これらゴア描写が
ジェニファーの憎しみの深さを描いてもいるため
復讐劇としてとんでもないカタルシスを放ちます。

そして、クライマックスのvsリチャード戦です。



追う側と追われる側がコロコロと変わりながら、
室内がミルミル血の海と化していく地獄の鬼ごっこ!

クラックラするようなカメラワークと
ジェニファーとリチャードの位置関係を見せない演出で
ふたりの戦いを見せるこのクライマックスは壮絶の一言!



復讐劇の結末、そして、その後のジェニファーの姿が放つ

あまりにかっこいい歯切れのよさ!
本作は最高の形で幕を下ろします!


★★総評★★
今もっともおすすめしたいアクション映画!
エグいのに慣れてる人ですら目を背けたくなる
強烈なゴア描写で彩られる
ドストレート、カタルシス凄まじい復讐劇は
ハマる人にはたまらない一作ではないでしょうか。
108分と見やすいので気軽にどうぞ!

★★★★★