映画雑レビュー「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」 72点!あれ!?仮面ライダー映画? | SayGo's 映画レビュー

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勝手に映画鑑賞して
ダラダラとレビューします。

「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」
原題:Star Wars/The Rise Of Skywalker
公開日:2019年12月20日
上映時間:142分




ーーーーあらすじーーーー
※ネタバレを避けるため記述しません。

1977年の一作目公開以降、世界の人々を魅了しつづけ
映画の製作方式そのものをネクストレベルに押し上げた
人気シリーズ『スターウォーズ』の完結編。
監督は『スターウォーズ/フォースの覚醒』のJ.J.エイブラムス。

★★42年に渡る超大作シリーズの完結編★★
友人が初日のチケットを取ってくれたので
初のIMAXレーザー3D上映方式にて鑑賞!
熱狂的なSWファンではないもののテンション爆上げで鑑賞しました。

ファンサービスの多さや旧三部作の焼き直し展開に
初見時こそ落胆しながら見返せば見返すほど好きになった
『スターウォーズ/フォースの覚醒』。

逆手を辿り、従来の新しいSWに興奮を覚えながら
あまりに杜撰な脚本とフォース描写のインフレ、
そして不必要としか思えないギャグ要素に
『スターウォーズ/最後のジェダイ』。

自分の憧れる宇多丸師匠の言葉を借りれば、
この続三部作は毎回『次作頼み』の展開と結末を見せており、
MCUのような確固たる作品間のチームワークが
取られていなかったこともあり完結編となる本作には
期待以上に不安があったわけですが...
まず大前提として大いに楽しみました。

だが、しかし...
というのがこの作品の印象だ。

ネタバレなしでいきます!


★★土台が出来てから跳躍する大団円!★★
一ファンであるJ.J.エイブラムスが
続三部作で、『フォースの覚醒』後にやりたかったことを
シリーズへの愛を込めながら詰め込んだ本作は
エンターテインメントを畳み掛けしてみせる。

序盤こそ賛否が真っ二つとなった問題作『最後のジェダイ』の
方向修正を強引に行い、自らのやりたいことが出来るよう
地を慣らすことに全力が果たされてもいるが、
その土台が作り上げられてからの跳躍は凄まじい。

象徴的な舞台や劇番、台詞の引用でファンの心にあるSWを刺激しながら、
続三部作の中核を担うレイとカイロ・レンの戦いを描き、
その先に新旧続が介す大団円でシリーズを総括されれば
アガらない方が無理でしょう。
物語や構成はさておき、視覚的に興奮させてくれる部分に自分は満足しました。

そして、個人的に評価したいのは
キャラクターが自らの意志で道を切り開くという
SWらしい要素が本筋に組み込まれていた部分だ。


★★選択によって自らの道を切り開くSW★★
個人的にSWというシリーズは運命や境遇に抗う物語だと思っている。
愛しい人の死という運命に抗おうとダークサイドを選んだ
新三部作のアナキンにしろ、
自らの意志で宇宙に飛び出し、その先で運命に直面する
旧三部作のルークにしろ、
主人公キャラクターの意志そのものが世界の存亡を決めていた作品だと思っている。

自らの境遇や運命とどう向き合い、何を選択するのか?

人の強さと弱さを光と闇という壮大な戦いの中で描いてきたのかと。

続三部作においてそういった描写はあまりなかったと思うが、
その部分をしっかり描いていたように思えた。

レイとレンはそれぞれが運命や境遇と葛藤していくわけだが、
その葛藤をふたりの戦いによって描いていく。

レイの有する『闇』をレンが。レンの有する『光』をレイが。

そんなように自分の受け入れがたい部分を相手に投影し、
それを否定しようと戦っていくような二人の姿は面白く、
戦いの中に存在する『迷い』が不安定さや葛藤を描写していく。

戦いでレイとレンを表裏一体な存在として語り、
他者との戦うことで自らとの戦いを見せていく部分は面白い。

写し鏡たるふたりが剣を交えることで自らと向き合い出し、
すべて(相手)を受け入れ、自らの意志で道を選択するクライマックス。
ふたりに剣に『迷い』がなくなるからこそ、戦いはカタルシスに満ちていた。

また、そんなふたりの戦いが個人的に
『大嫌い!大嫌い!大嫌い!大好き!』
というイチャイチャに見えてしまったのは置いておこう(笑)

そして、フィンの物語でフォースを意志として語っている部分もよかったかな。


★★もう昨今の仮面ライダー映画!意味不明な脚本★★
見終わった後、興奮しながら酒を飲んだのは事実。
ですが...この作品、ひどい部分も多すぎる。

まず冒頭の一文で衝撃を受けた。
そのイキナリな強引感にも、結局それかよ感にも(笑)

新旧すべてのキャラクターを出し、歴代最強の敵と戦わせる!
本作はまさに仮面ライダーのオールスター映画と同等の作りだ。

仮面ライダーが大好きな自分にとって最高でしたが、
三部作であったにも関わらず、
強引展開でお祭り映画形式で締め括られた部分には、おいおいと。
改めて作品間、監督間の連携がなかったのだなと痛感しました。

連携がなかったと言えば、中核を担うレイの物語も同様だ。
本作によってレイは続三部作の主人公に相応しいキャラクターになったわけですが、
それやるなら、前作『最後のジェダイ』で匂わせてないと...
三部作の醍醐味一切ないでしょ!
改めて思う。MCUは本当に素晴らしい!

そして、脚本。
○○のために△△して、△△のために□□して...
という前作『最後のジェダイ』と同じように回りくどい。

全部意味なかった~というよりそれによって事態悪化した~

というような最悪の『最後のジェダイ』展開こそ修正されていたものの、
『あれそれらな...』というショートカットルートを残してしまっているのも残念。
非常にご都合的としか言いようがない。

そして、もう意味不明なのがエモくなりそうな展開をみせながら
数分後には『大丈夫でした!』みたいなひっぱりの皆無な部分。

最初のライトセーバーのやり取りにしろ、
チューバッカ、C3-POの下り...
要素はいいのに全くそれを効かせてこないため
意味がなかったようにしか思えない!必要ないでしょ!
これやるならやっぱ完結作を二部作くらいにしないと...

フォースのインフレももう行くとこまで行きましたね!
映像的には楽しい!最高です!でもそこまでされると...
フォースのインフレによってダークサイドの魅力が廃れ、
ダークサイドの強大さを担保するためにまたフォースをインフレ...
ここも仮面ライダーみたいで楽しいけど...

これどうぞ!次これどうぞ!
っていう腕のないあからさまな引用ファンサービスの数々も
なんか安っぽくも思えてしまった。


★★総評★★
好きな部分はめちゃくちゃ好き!
嫌いな部分はめちゃくちゃ嫌い!
仮面ライダー映画のように強引で押しきった
勢い勝り映画!
スターウォーズ知らなくても楽しめるような一作!
良くも悪くもファンムービーだ。

★★★★