こんにちは
日経新聞文化面で紹介されてた詩人 左川ちかの
詩集を読んでいます。
新聞では夭折のモダニズム詩人と紹介されていました。
昭和初期、病気により24歳という若さで亡くなったそうです。
錆びたナイフ
青白い夕ぐれが窓をよぢのぼる。
ランプが女の首のやうに空から吊り下がる。
どす黒い空気が部屋を充たす-一枚の毛布を拡げてゐる。
書物とインキと錆びたナイフは私から少しづつ生命を奪ひ去るやうに思はれる。
すべてのものが嘲笑してゐる時、
夜はすでに私の手の中にゐた。
左川ちかの言葉選びは全体的に暗く負のイメージが感じられました。
詩を読んで脳裏に浮かぶ絵も重く褪せた世界です。
その通底する仄暗さと時折り差し込まれる鋭い光の様な言葉のコントラスト。その美しさに強く惹かれました。
今、北海道立文学館で左川ちか展が開催されているそうです😊
左川ちか 黒衣の明星展(北海道立文学館)
~2024年1月21日