カフェレストランは、思ったよりも大きな建物で、広い駐車場を完備していました。
古い建物をリノベーションして、とてもおしゃれなナチュラルカントリー風に仕上げてありました。
案内された席は、他の席からは少し離れた所にあり、カップルシートのような2人横並びで座る孤立した空間でした。
お店の方の計らいなのか、たまたまなのか・・・今の私たちの関係では、皮肉な席でもありました。
夫と2人で出かけるのは、かなり久しぶりなのです。
デートというと、私が勝手に誘い、向うは嫌々付き合っているので、語弊が生じますが、それでも、私は今日という時間をじっくり夫を観察しつつも楽しもうと決めていました。
何にする??
そうだなーー。これかな?まぁこれでもいいや。
えっ?どっち(笑)
じゃコッチ。
注文した後は、居心地悪そうにそわそわする夫を横で感じながら、ランチが運ばれてくるのを待ちました。
なんで、こんな席なんだろうな? これじゃ食べづらいよな?
机と椅子の高低差の違いを言っているのか、横並びの事を言っているのか分かりませんでした。
そーだねー。でも楽しみだねどんな料理か。
夫は、不倫が始まってから明らかに目つきが変わりました。
それは、アルバムを整理していた時に気が付いたのですが、少し鋭い目つきになりました。
昔の柔らかい表情は消え、鋭くそれでいてどこか意欲的で、いつの間にか私の知らない人に変身してしまいました。
それでも、昔感じていた面影は残っていて、隣にいるのは紛れもなく夫なのです。
花さんが言っていた「夫さんからの愛、上手に受け取れるようになればいいね。」
の言葉の意味を考えていました。
この夫に私への愛は本当に残っているのだろうか。
花さんの言っている意味、まだまだ知るには長い時間が必要なのかもしれません。
夫は、ちょっとトイレというと席を立ちました。
女にメールをするんだなと思いました。
今日は、本来ならば夫と女が再会する日でもあったわけです。