コンビニから帰ってくると、夫は準備を始めました。
長いやりとりをして、気がすんだのでしょう。
女には、なんて説明をしたのでしょうか。
嫁とランチ食べてくる。と正直に言ったのでしょうか?
今の女の様子を考えるとおそらく夫は嘘をついたのかなと思いました。
目的のカフェレストランは、車で30分程の所にあります。
車窓からは、春の匂いが風にのって車内に飛び込んできました。
タンポポがあぜ道にたくさん咲いているのが見えました。
私は、夏が大好きでした。
夕方の暑さが少し和らいだ頃、縁側でスイカを食べた幼い頃の思い出が
ずっと心に残っていて、夏がくるといつも大好きな夏が来たと思いました。
でも、ある時から夏が嫌いになりました。
夏には、夫と女との思い出がたくさんありすぎて、いつの間にかこの季節を嫌うようになってしまいました。
あんなに好きだった季節が、今は嫌いになってしまっているのです。
春が過ぎれば、その夏が来るんだな・・・・。
そんなことをぼっーと考えていました。
ねぇさや。今度さ、家族で○○の○○に行かない?
えっ?あっうん。いいよ。珍しいねあなたからどこか行こうなんて。
別に行きたくないならいかなくてもいいんだ!
いやいやそんなこと言ってないでしょ?
私たち夫婦は、こんな些細な事でも裏側に潜む気持ちを詮索し、詮索された方がキレてしまうという、
ガタガタのコミニケーション力になってしまっているのです。
この先の未来を夫と共に歩むのであれば、こういう所も改善していかないと難しいのです。
おそらくそれは、不倫がずっと継続されているのであれば、改善していくのも難しい問題なのだと思います。
不倫が終わった時に初めて、私たち夫婦は本当のスタートラインに立てるのだと思います。
でも、それはスタートラインに立っただけで、どういう夫婦を築いていくかはきっと私たち次第でいい方向にも悪い方向にも行く可能性があって、そう簡単な道ではないことは十分今の状況からは想像ができました。
それでも、まだこの先も夫と歩みたい。
そう思う自分に、
この間錦戸君が言った「これほどにまでなってもなぜ離婚されないんですか」という言葉が痛烈に思い出されました。
そう思っていると、
さやここかな?
目的のカフェレストランに到着していました。