パジャマに素足のまま家を出てしまった為、とてもどこかに行けるような恰好ではないと
時間が経つにつれ、冷静になっていく自分がいました。
車の中で、大きな声で叫び泣いた後、気持ちが少し吐き出されたのかもしれません。
もう明け方近くの時刻になろうとしていました。
また、今日からいつもの日常が始まるのです。私は、母でもあるのです。
こどもを置いてどこかに行けるほどの勇気は持ち合わせていませんでした。
のこのこ帰ってきた夫は、どう思うのでしょう。
また、なめられるきっかけを作ってしまったかなと冷静を保てなかった事を後悔しました。
一方で、昨夜の場面を思い出しては、虚しさを処理できずにいました。
玄関を開けると、静かな暗い部屋がいつものようにありました。
手を水道で洗い、ソファで少しだけ眠りました。
このままでいいのだろうか?変えるきっかけを作ろうとしても、うまくスタートが切れずに
ガタつき、半年もの間、いい方向に向かわせるどころか、現状は何も変わっていなければ
夫婦の溝は、より深くなってしまった感じさえしました。
不安定な気持ちを抱えたまま、会社に出勤すると錦戸君が会長が1ケ月ぶりに来社するから
今までの流れを話した方がいいのではないかと言いました。
ずっと心配をしてくれている会長には、近況の報告はした方がいいだろうなと思いましたが、
いったいどこまでを、どのように話したらいいのか考える事にも疲れていました。
この状況に、疲弊していました。