夜の街を車でさまよいました。

人差し指が、赤く乾いていました。

夫の腕から流れ落ちたと思った血は自分の指から出ていたようです。
折れた爪の角が指の端に刺さってしまったようでした。
痛みは全くなく、心の傷だけがズキズキと疼いていました。

行く当てもなく、公園の駐車場に停めると、私が何悪い事したん?

そう叫びました。

最近は、あまり泣く事もなく、今後の事だけを考えていましたが、心は、無理をしてきたのかもしれません。

大きな声を出して、泣きました。


もう自分を苦しめるのは、やめよう。十分頑張ってきたよね。自分という友にそう言っていたような気がしました。

発覚から半年の夜は、まだまだ険しくてすぐにでもいい方向に進みたいと願ったあの日とは、また違った思いが渦巻いていました。