実は、私Aさんと会ったことあるんですよ。
え・・・・?いつ?なんで・・・・?
まぁ・・・。1年くらい前ですけど、向うの会社に出張したことがあって、その時は向うの総務のスタッフと話する案件があって
行ったんですけど、たまたまAさんが総務に用事があったらしくて、そこで会いました。
○○課のAさんです。と紹介されて少しだけ、話しました。
そうなんだ・・。どんな雰囲気なの?
私が一番知りたかったことです。
なかなか女の情報は入ってこず、聞いた話の断片をパズルのように組み合わせて、女はどういう人間なのかを想像で作り上げるしかないのです。
そうですね・・・。普通のおばちゃんですよ。
おばちゃんかぁ・・・。
胸がチクッとしました。なぜ夫は、このおばちゃんにのめり込んでいるのでしょうか。
まぁ・・・少しぐいぐいくる感じもありますね。
ぐいぐい?
はい。なんというか、お節介というか・・・。うまく言えないですけど、
よく街頭のインタビューを受けている人の間に入ってきて、
これテレビなん?何チャンなん?とか割り込んでくるおばちゃんいるじゃないですか。
そういう感じの・・・。すみません。うまく表現できなくて・・。
錦戸君は、抽象的に話しましたが、その表現は的確だと思いました。
会長が話していた人物像ともピタリと合致すると思いました。
いや。すごくイメージついたよ。なんか想像できるね。
私がちょっと笑うと、錦戸君が安心したように言いました。
でも、なんで夫さんはあんなにのめり込んでいるんでしょうか・・・?
私も、ずっとそのことを考えてるの。なんでなんだろう?なんのメリットあるんだろう・・。
それだけ、赴任していた時に楽しい思い出があるのかもしれないですね・・・。
なんというか、こっちからは想像できないような深い関わりがあったのかもしれませんね。
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あっすみません。そういうつもりではなかったんですが・・。すみません。なんかそこまで
あのおばちゃんにのめりこむにはそれなりの理由がないとおかしいなと思ったので・・。
いやいや。ホントそうかもね。だって・・・、かなり危険な橋渡っていると思うよ。
会社にだってバレそうになったし、会長にはバレてるし、私にもバレてる
何か理由がないと、そこまで好きだ、愛してるなんて言えないよね。
楽しい思い出か・・・・。
私の知らない時間は、私が思っているよりもっと濃密で、関係をなかなか断てない程の
何かがあるのでしょうか。
夫の赴任中一人で、がむしゃらになっていた私はなんだったのでしょうか。
楽しい時間を自分の思い通りに過ごしてきた夫の事を考えると、何も知らずに
家族の事を考えて頑張っていた私が馬鹿らしく思えました。
こんな事の一切合財を夫の所為だと思いました。